令和3年度 春期 応用情報技術者試験 午後 問題 問4 IoTを活用した駐車場管理システムの通信方式と要件定義
学習ガイド
時間貸し駐車場の空き状況を管理するIoTシステムの構築を題材にしたシステムアーキテクチャ問題です。センサ端末からクラウドへデータを送信するための無線通信方式(LPWA)の選定と、通信帯域や適切な料金プランの要件定義が問われます。端末ごとの送信データ量や頻度から通信速度やクラウド側の通信帯域を割り出す計算の手順と、通信エラー時にデータが欠損しないよう端末にデータを蓄積して後で送る方式を分かりやすく解説します。
この記事で押さえる論点
- LPWA(LTE-M)の特徴と、他の無線通信方式(LTE、Wi-Fi、BLE)との用途の違いを説明できる
- データ送信頻度やデータ量の要件を満たすために必要な通信速度と保存領域を計算できる
- 通信エラーによるデータの欠損を防ぐため、データを蓄積して選別送信する仕組みを説明できる
出題情報
- 出題
- 2021(R3)春 応用情報技術者 午後 問4
- 配点
- 20点満点
- 模範解答
- 公表(設問ごとに掲載)
出題趣旨・採点講評(IPA 公表)
近年,IoT技術やクラウドサービスを活用した様々なアプリケーションソフトウェアが開発されるようになってきており,特にLPWA通信サービスの利用が普及し始めている。本問では,駐車場管理システムへの機能追加を題材として,LPWA通信サービスなどのIoT技術やクラウドサービスを用いたシステム構築に関する理解と応用力を問う。
問4では,駐車場管理システムへの機能追加を題材に,LPWA通信サービスなどのIoT技術やクラウドサービスを用いたシステム構築について出題した。全体として正答率は平均的であった。
問題本文
問4 IoT技術を活用した駐車場管理システムに関する次の記述を読んで,設問1〜4に答えよ。
K社は,大都市圏を中心に約10万台分の時間貸し駐車場(以下,駐車場という)を所有する駐車場運営会社である。K社が所有する駐車場の“満車”,“空車”の状況や課金状況などは,K社が構築した駐車場管理システムで管理している。K社では,5年後には所有する駐車場を約20万台分に拡大する計画に加え,新規事業の拡大や顧客サービスの向上策を検討することになった。
K社の経営企画部で,顧客サービスの向上策を検討した結果,その一つとして,駐車場の利用状況を表示するスマートフォン向けアプリケーションソフトウェア(以下,駐車場アプリという)を開発することになった。
〔駐車場管理システムと駐車場アプリの仕様の検討〕
経営企画部のLさんは,駐車場アプリを実現するために,既存の駐車場管理システムを拡張することを検討した。拡張する機能仕様とシステム要件の案の一部を表1に,駐車場アプリの仕様案の一部を表2に示す。

図の説明テキスト
| 項番 | 機能仕様とシステム要件 |
|---|---|
| 1 | 駐車場全体の満車・空車情報に加えて,駐車できる個別のスペース(以下,パーキングスロットという)ごとに利用状況を確認できるセンサを設置して,利用状況を表示する。パーキングスロットに設置するセンサはバッテリ給電とする。 |
| 2 | センサで温度・湿度・気圧などの環境情報を取得して,顧客が閲覧できるようにする。環境情報は,気象データの外販などの新規事業での活用を考慮して,最大5年分蓄積する。このシステムで受信可能なパーキングスロットごとの環境情報データのサイズは,1回当たり最大2,000バイトとする。 |
| 3 | センサからのデータの蓄積や駐車場アプリへのデータ提供のために,クラウドサービスを利用する。 |
| 4 | 全国47都道府県の主要な駅周辺の駐車場で,最大20万台分のパーキングスロットの情報が扱えるシステムとする。 |
| 5 | 最大1,000の駐車場アプリからの同時アクセスを可能とする。 |

図の説明テキスト
| 項番 | 仕様の概要 |
|---|---|
| 1 | 駐車場ごと,パーキングスロットごとの利用状況を表示する。 |
| 2 | 駐車場を指定して,問合せ時刻における駐車場全体の利用状況を表示する。 |
| 3 | パーキングスロットの環境情報を付加情報として表示する。 |
Lさんは,表1及び表2の案を実現するために,パーキングスロットに設置する,センサを内蔵した通信端末(以下,端末Pという)の仕様を検討した。端末Pの仕様案の一部を表3に示す。

図の説明テキスト
| 項目 | 仕様の概要 |
|---|---|
| 収集する情報とデータサイズ | 一つのパーキングスロットの利用状況情報及び環境情報 1回当たりに通信するデータサイズは,HTTP の場合 2,000 バイト |
| データ送信方式(候補) | HTTP, HTTPS(HTTP Over TLS), MQTT(Message Queuing Telemetry Transport), MQTTS(TLS で暗号化した MQTT) |
| 無線通信方式(候補) | BLE, LPWA, LTE, Wi-Fi |
| 保存可能なデータ量 | 2G バイト |
| 電源方式 | バッテリ給電 |
注記1 各情報には,端末を特定する情報や日時情報などを含む。
注記2 データサイズには,通信プロトコルなどの制御情報を含む。
〔無線通信方式の検討〕
Lさんは,表3に示す無線通信方式の候補から,表1の項番4の仕様を実現するために適切な方式を検討した。検討の過程を次に示す。
LTEは,携帯電話やスマートフォン向けのモバイル通信サービスで利用されている方式であり,全国47都道府県で利用可能である。
LPWAは,通信速度はaが,bの通信方式として,IoT向けに低価格のサービスが普及している。LTEを活用したLPWA(以下,LTE-M方式という)を利用すれば,LTEと同様に全国47都道府県で利用可能である。
Wi-Fi及びBLEは,PCやスマートフォンの通信に利用されることが多い通信方式である。BLEもbという特徴がある。しかし,いずれも,端末Pからクラウドサービスにデータを送信するために,別の無線通信や有線回線などと組み合わせる必要がある。
検討の結果,端末Pの通信方式にはLTE-M方式のLPWA通信サービス(以下,LPWA通信サービスという)を採用することにした。
〔LPWA通信サービスの選択〕
端末Pで利用可能なLPWA通信サービスでは,月間に使用できる最大データ通信量に応じて異なる料金プランが用意されていた。候補となったLPWA通信サービスの料金プランを表4に示す。

図の説明テキスト
| 料金プランの名称 | 月間の最大データ通信量 | 通信料金(月額) |
|---|---|---|
| プラン A | 100k バイト | 150 円 |
| プラン B | 500k バイト | 200 円 |
| プラン C | 2,000k バイト | 300 円 |
注記1 各料金プランとも,サービスエリアは47都道府県の主要駅周辺をカバーしている。
注記2 消費電力量はいずれのサービスも同程度である。
注記3 各料金プランとも,最大通信速度は上り下りともに1,000kビット/秒である。
表2の各仕様を満足させるために,端末Pからクラウドサービスにデータを送信する頻度は,パーキングスロットの利用状況が変わるごととし,1分以内に送信することを基本とした。ただし,利用状況が長時間変わらない場合も環境情報の更新のために定期的に送信する。なお,1台の端末P当たりの送信回数は,1日30回を上限とした。また,使用するデータ送信方式は,表3の候補からHTTPを用いることにした。この仕様を満たした上で,HTTP通信での通信料金が最も安くなる①LPWA通信サービスの料金プランを選択した。
〔クラウドサービスへのデータ蓄積とサービス提供〕
表2の各仕様を実現するために,全てのパーキングスロットに端末Pを設置して,〔LPWA通信サービスの選択〕で検討した頻度でクラウドサービスにデータを送信し,蓄積することにした。
一方,駐車場アプリからクラウドサービスへのアクセスでは,利用者のスマートフォン1台当たりに必要な帯域は64kビット/秒と想定した。
結果として,クラウドサービスで使用する②通信帯域は,端末Pからのデータ収集と駐車場アプリ利用者のスマートフォンからのアクセスが同時に発生することを想定して,確保することにした。
また,クラウドサービスの③保存領域は,5年後に計画されている拡大した駐車場の台数でも,環境情報が最大5年間保管できるように,確保することにした。
〔データ送信方式の検討〕
LPWA通信でエラーが発生した期間に,送信すべきデータが欠損することを避けるために,端末Pに送信すべきデータを蓄積し,現在のデータを送信する際に,過去に送信できなかったデータを選別して,同時に送信することにした。送信エラーが続き,送信データ量の累積がcを超えないように,新しいデータから順に選んで送信することにした。
また,〔LPWA通信サービスの選択〕で検討時に想定したHTTPでは端末Pからクラウドサービスに送信するデータが暗号化されないことから,データ送信方式には,表3に示した候補から,④暗号化通信時に最も通信量の少ない方式を採用することにした。
Lさんは,検討した実現方式を上司に説明し,承認された。
設問と解答・解説
a に入れる適切な字句を選べ。
模範解答
選択肢ア: 遅い
解説
本文の〔無線通信方式の検討〕において、LPWAについて「通信速度は a が、b の通信方式として、IoT向けに低価格のサービスが普及している」と記述されています。
LPWA (Low Power Wide Area) は、IoT 端末向けの無線通信方式であり、長距離通信 と 低消費電力(省電力) を特徴としています。その反面、LTE や Wi-Fi などの通信方式と比較して、通信速度は遅くなります。
したがって、空欄 a には「遅い」が当てはまります。
各選択肢の解説
- イ 省電力: これは通信速度の特徴ではなく、空欄
bに入る特徴です。 - ウ 大容量: LPWAは通信速度が遅く、大容量データの送受信には適していません。
- エ 速い: LPWAの通信速度はLTEなどに比べて遅いため誤りです。
b に入れる適切な字句を選べ。
模範解答
選択肢イ: 省電力
解説
本文の〔無線通信方式の検討〕において、「BLEも b という特徴がある」と記述されています。
表3の「端末Pの仕様案」を見ると、端末Pの電源方式は「バッテリ給電」とされています。したがって、端末Pで使用する通信方式には、バッテリを長持ちさせるための 低消費電力性 が求められます。
LPWA (Low Power Wide Area) と BLE (Bluetooth Low Energy) は、どちらもIoT機器などで広く利用される 省電力 な通信方式です。
したがって、空欄 b には「省電力」が当てはまります。
各選択肢の解説
- ア 遅い: これは通信速度の特徴であり、空欄
aに入る特徴です。 - ウ 大容量: BLEやLPWAは、大容量データの送受信よりも省電力を優先した規格であるため誤りです。
- エ 速い: LPWAやBLEの共通の主な特徴(表1の要件を満たすもの)としては適切ではありません。
設問2
〔LPWA通信サービスの選択〕について,(1),(2)に答えよ。
パーキングスロットの利用状況が変わった際に,端末Pからパーキングスロットの利用状況情報及び環境情報をクラウドサービスにHTTP通信で1分以内に送信するのに必要な最低限の通信速度は何ビット/秒か答えよ。答えは小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めよ。
模範解答
266.7
解説
端末Pからクラウドサービスへのデータ送信に必要な最低限の通信速度を算出します。
データサイズの確認:
表3「端末Pの仕様案」より、HTTP通信の場合、1回当たりに通信するデータサイズは 2,000 バイト です。ビット単位への変換:
通信速度はビット/秒で求めるため、バイトをビットに変換します。通信速度の計算:
本文の〔LPWA通信サービスの選択〕より、このデータを 1分(60秒)以内 に送信する必要があります。四捨五入:
小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めると、266.7 となります。
本文中の下線①で,選択したLPWA通信サービスの料金プランの名称を,表4の料金プランの名称で答えよ。
模範解答
プランC
採点基準
- 3点: 「プランC」と解答している(「プラン C」などの空白の有無は問わない)。
- 1点: 「C」のみ解答しているなど、意図は伝わるが指定された名称(プランC)と完全には一致しない解答となっている。
- 0点: 無解答、またはプランA、プランBなど誤ったプランを選択している。
解説
端末P1台当たりの月間の最大データ通信量を算出し、表4から適切な料金プランを選択します。
1回当たりのデータサイズ:
表3より、HTTP通信を使用する場合、1回当たりのデータサイズは 2,000 バイト です。1日当たりの最大データ通信量:
本文の〔LPWA通信サービスの選択〕より、送信回数は1日 30回 を上限としています。月間の最大データ通信量:
1か月を最大の31日として計算すると、以下のようになります。
(※1か月を30日とした場合でも となります)料金プランの選択:
表4の料金プランを見ると、以下のようになっています。- プランA: 100 kバイト
- プランB: 500 kバイト
- プランC: 2,000 kバイト
必要な通信量(約 1,860 kバイト)をカバーでき、かつ条件を満たすものは プランC となります。
高得点のポイント
- 1回当たりの通信データサイズ(2,000バイト)と、1日の最大送信回数(30回)を用いて、正しくデータ通信量を算出できていること。
- 算出された月間の最大データ通信量をもとに、表4から容量を満たす適切なプラン名「プランC」を正確に解答できていること。
設問3
〔クラウドサービスへのデータ蓄積とサービス提供〕について,(1),(2)に答えよ。
本文中の下線②で,クラウドサービスのHTTP通信で必要となる最低限の通信帯域を解答群の中から選び,記号で答えよ。なお,対象とする通信は,端末Pからのデータ収集と駐車場アプリ利用者のスマートフォンからのアクセスだけとし,それ以外の通信は無視できるものとする。
模範解答
選択肢オ: 117.4Mビット/秒
解説
クラウドサービスで必要となる全体の最低限の通信帯域を算出します。対象とする通信は「端末Pからのデータ収集」と「スマートフォンからのアクセス」の2つであり、これらが 同時に発生 することを想定して合計します。
端末Pからのデータ収集に必要な帯域:
- 設問2(1)で求めた通り、端末P1台が1分以内にデータを送信するために必要な最低通信速度は 266.7 ビット/秒 です。
- 表1の項番4より、駐車場のパーキングスロットは最大 20万台分(200,000台) あります。
- 全ての端末Pが同時に通信した場合の帯域は以下のようになります。
266.7 ビット/秒 × 200,000 台 = 53.34 Mビット/秒(必要な帯域なので小数第1位に切り上げると 53.4 Mビット/秒=イの値)
スマートフォンからのアクセスに必要な帯域:
- 本文の〔クラウドサービスへのデータ蓄積とサービス提供〕より、スマートフォン1台当たりに必要な帯域は 64 kビット/秒 です。
- 表1の項番5より、駐車場アプリからの同時アクセス数は最大 1,000 です。
- これらが同時にアクセスした場合の帯域は以下のようになります。
64 kビット/秒 × 1,000 = 64.0 Mビット/秒
合計の通信帯域:
- 53.34 Mビット/秒 + 64.0 Mビット/秒 = 117.34 Mビット/秒 となり、これを満たす最小の選択肢は 117.4 Mビット/秒(オ)
- 選択肢の中で、この値を満たす最低限の帯域は オの 117.4Mビット/秒 となります。
各選択肢の解説
- ア (26.7Mビット/秒): 現在の約10万台で計算した端末P分(266.7 × 100,000 = 26.7M)の誤答です。
- イ (53.4Mビット/秒): 端末Pからのデータ収集分のみの帯域であり、スマートフォンからのアクセス分が加算されていません。
- ウ (64.0Mビット/秒): スマートフォンからのアクセス分のみの帯域であり、端末Pからのデータ収集分が加算されていません。
- エ (90.7Mビット/秒): その 26.7M にスマートフォン分 64.0M を足した値(90.7M)の誤答です。
- オ (117.4Mビット/秒): 正解です。
- カ (128.0Mビット/秒): 必要な帯域を満たしてはいますが、選択肢中にある「最低限の」値としては 117.4Mビット/秒 が存在するため不適切です。
本文中の下線③で,環境情報を保存するためにクラウドサービスで必要となる最低限の保存領域は,何Tバイトか答えよ。答えは小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めよ。
模範解答
21.9
解説
環境情報を5年間保存するためにクラウドサービスで必要となる保存領域のサイズを算出します。
- 1台・1日当たりのデータ量:
- 1回当たりのデータサイズ: 2,000 バイト(表3より)
- 1日当たりの送信回数の上限: 30 回(〔LPWA通信サービスの選択〕より)
- 1台・1日当たりのデータ量:
- 全台数・1日当たりのデータ量:
- パーキングスロットの最大台数: 20万台(200,000台)(表1 項番4より)
- 全台数・1日当たりのデータ量: ()
- 5年間の総データ量:
- 期間: 5年間。1年を365日として計算します。
- 総日数:
- 5年間の総データ量:
- T(テラ)バイトへの変換:
- 小数第2位は存在しないため、解答は 21.9 となります。
設問3(1)は,正答率がやや低かった。本問で構築しようとした駐車場管理システムでは,端末Pからのデータ収集と駐車場アプリからのアクセスの両方を考慮する必要がある。計算式自体は複雑ではないので,落ち着いて計算するように心掛けてほしい。
設問4
〔データ送信方式の検討〕について,(1),(2)に答えよ。
本文中の c に入れる適切な字句を15字以内で答えよ。
模範解答
月間の最大データ通信量
採点基準
- 3点: 「月間の最大データ通信量」、又は料金プランで決まる月間の通信量の上限であることが分かる同じ意味の表現(例:料金プランの月間最大データ通信量)。
- 1点: データ通信量の上限であることは示しているが、月間(料金プラン)の上限であることが欠ける(例:最大データ通信量)。
- 0点: 通信速度・通信回数・端末の保存容量など誤った字句を答えている。
解説
送信エラー時にデータを蓄積して再送する仕組みにおいて、蓄積データの制限に関する問題です。
本文の〔LPWA通信サービスの選択〕の冒頭において、「端末Pで利用可能なLPWA通信サービスでは、月間に使用できる 最大データ通信量 に応じて異なる料金プランが用意されていた」と記述されています(表4も参照)。
送信エラーが続いて端末内にデータが蓄積され、通信回復時にそれらを一斉に送信しようとした場合、月間の制限を超えてしまう可能性があります。
制限を超過すると、通信速度の制限や追加の通信料金が発生する恐れがあるため、過去のデータを選別し、送信データ量の累積が利用プランの制限を超えないように制御する必要があります。
したがって、空欄 c には、表4の列名にもなっている「月間の最大データ通信量」が入ります。
高得点のポイント
- 本文中の〔LPWA通信サービスの選択〕や表4の記述を根拠として、LPWA通信サービスにおいて制限となる要素を正しく特定できていること。
- 通信速度や通信回数ではなく、「データ通信量」に関する記述であることを理解し、「月間の最大データ通信量」という字句を正確に抜き出せていること。
本文中の下線④で採用したデータ送信方式を答えよ。
模範解答
MQTTS
採点基準
- 3点: 「MQTTS」と解答している(大文字小文字の違いは問わない)。
- 1点: 「MQTT」など、関連するプロトコルを解答しているが、暗号化の要件を満たさないなど不完全である。
- 0点: 無解答、または「HTTP」「HTTPS」など条件に合致しない方式を解答している。
解説
表3のデータ送信方式の候補から、「暗号化通信」かつ「最も通信量の少ない方式」を選択します。
暗号化通信の条件:
表3に挙げられている候補はHTTP,HTTPS (HTTP Over TLS),MQTT,MQTTS (TLS で暗号化した MQTT)の4つです。
このうち、通信経路が暗号化されるのは、TLSを利用している HTTPS と MQTTS の2つです。通信量の少なさの条件:
残った HTTPS と MQTTS を比較します。
HTTP(およびHTTPS)はWebでの一般的な通信プロトコルであり、リクエストやレスポンスに比較的大きなテキストベースのヘッダ情報が付加されます。
一方、MQTT(およびMQTTS)は、IoT デバイスなどのリソースが限られた環境向けに設計された軽量なプロトコルであり、ヘッダサイズが非常に小さく、HTTPと比較して通信量が少なくなります。
したがって、暗号化通信時に最も通信量が少ない方式は「MQTTS」となります。
高得点のポイント
- 表3の候補の中から、暗号化通信であるという条件(TLSを使用しているもの)で選択肢を正しく絞り込めていること。
- HTTPプロトコルとMQTTプロトコルの特性の違い(ヘッダサイズの大小やIoT向けであること)を理解し、より通信量が少ない「MQTTS」を選択できていること。
設問4(1)は,正答率が低かった。本文中では送信データ量に関する解答を求めているのに対して,通信速度や通信回数に関する解答が散見された。本文をよく読んで解答を導き出すように心掛けてほしい。設問4(2)は,正答率がやや低かった。MQTTやMQTTSは,IoTの普及に伴い利用が進んできた通信プロトコルである。その基本的な仕様や特徴をよく理解してほしい。