令和5年度 春期 応用情報技術者試験 午後問題 問10 SaaSのSLAとIaaS災害対策のサービス可用性管理

マネジメントサービスマネジメントシステム構成

この問題は2023(R5)春 応用情報技術者 午後に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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学習ガイド

会計業務のSaaS移行と、基幹システムの災害対策を扱うサービスマネジメントの問題です。サービスカタログとSLAの差を比べ、稼働率から許容停止時間を計算します。データ同期と遠隔地バックアップがそれぞれ守るリスクの違いも整理します。本文・表・図の根拠を行き来し、用語だけを暗記するのではなく、短い記述にも判断の理由を残して解答する手順を示します。

この記事で押さえる論点

  • 可用性・信頼性・保守性の3特性とサービス稼働率・MTBF・MTRSの対応を説明できる
  • 合意したサービス時間と稼働率目標から許容されるサービス停止時間を計算する
  • サービスカタログとSLAの違いを踏まえ、勤務体制変更時に利用部門と調整すべき事項を導く
  • IaaSの責任分界と、遠隔地バックアップを廃止してはいけない理由を整理する

問題本文

クラウドサービスのサービス可用性管理に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。

L社は,大手の自動車部品製造販売会社である。2023年4月現在,全国に八つの製造拠点をもち,L社の製造部は,昼勤と夜勤の2交替制で部品を製造している。L社の経理部は,基本的に昼勤で経理業務を行っている。L社のシステム部では,基幹系業務システムを,L本社の設備を使って,オンプレミスで運用している。また,会計系業務システムは,2023年1月に,オンプレミスでの運用からクラウド事業者M社の提供するSaaS(以下,Sサービスという)に移行した。L社の現在の業務システムの概要を表1に示す。

表1 L社の現在の業務システムの概要
図の説明テキスト

表1 L社の現在の業務システムの概要

項番 業務システム名称 業務システムの運用形態
1 基幹系 注1) 自社開発のアプリケーションソフトウェアをオンプレミスで運用
2 会計系 注2) Sサービスを利用
注1) 対象は,販売管理,購買管理,在庫管理,生産管理,原価管理などの基幹業務
注2) 対象は,財務会計,管理会計,債権債務管理,手形管理,給与計算などの会計業務

〔L社のITサービスの現状〕

システム部は,L社内の利用者を対象に,業務システムをITサービスとして提供し,サービス可用性やサービス継続性を管理している。
システム部では,ITILを参考にして,サービス可用性として異なる3種の特性及び指標を表2のとおり定めている。

表2 サービス可用性の特性及び指標
図の説明テキスト

表2 サービス可用性の特性及び指標

特性 説明 指標
可用性 あらかじめ合意された期間にわたって,要求された機能を実行するITサービスの能力 サービス稼働率
a ITサービスを中断なしに,合意された機能を実行できる能力 MTBF
保守性 ITサービスに障害が発生した後,通常の稼働状態に戻す能力 MTRS

基幹系業務のITサービスは,生産管理など事業が成功を収めるために不可欠な重要事業機能を支援しており,高可用性の確保が必要である。基幹系業務システムでは,L本社社屋内にシステムを2系統用意してあり,本番系システムのサーバの故障や定期保守などの場合は,予備系のサーバに切り替えてITサービスの提供を継続できるシステム構成を採っている。また,ストレージに保存されているユーザーデータファイルがマルウェアによって破壊されるリスクに備え,定期的にユーザーデータファイルのフルバックアップを磁気テープに取得している。バックアップを取得する磁気テープは2組で,1組は本社社屋内に保存し,もう1組は災害に対する脆弱性を考える必要があるので,遠隔地に保管している。

〔Sサービスのサービス可用性〕

システム部のX氏は,会計系業務システムにSサービスを利用する検討を行った際,M社のサービスカタログを基にサービス可用性に関する調査を行い,その後,L社とM社との間でSLAに合意し,2023年1月からSサービスの利用を開始した。M社が案内しているSサービスのサービスカタログ(抜粋)を表3に,L社とM社との間で合意したSLAのサービスレベル目標を表4に示す。

表3 Sサービスのサービスカタログ(抜粋)
図の説明テキスト

表3 Sサービスのサービスカタログ(抜粋)

サービスレベル項目 説明 サービスレベル目標
サービス時間 サービスを提供する時間 24 時間 365 日(計画停止時間を除く)
サービス稼働率 (サービス時間 - サービス停止時間 注1)) ÷ サービス時間 × 100(%) 月間目標値 99.5%以上
計画停止時間 定期的なソフトウェアのバージョンアップや保守作業のために設ける時間。サービスは停止される。 毎月 1 回 午前 2 時~午前 5 時
注1) インシデントの発生などによって、サービスを提供できない時間(計画停止時間を除く)。
表4 L社とM社との間で合意したSLAのサービスレベル目標
図の説明テキスト

表4 L社とM社との間で合意したSLAのサービスレベル目標

サービスレベル項目 合意した SLA のサービスレベル目標
サービス時間 L 社の営業日の午前 6 時~翌日午前 2 時(1 日 20 時間)
サービス稼働率 月間目標値 99.5%以上
計画停止時間 なし

2023年1月は,Sサービスでインシデントが発生してサービス停止した日が3日あったが,サービス停止の時間帯は3日とも表4のサービス時間の外だった。よって,表4のサービス稼働率は100%である。仮に,サービス停止の時間帯が3日とも表4のサービス時間の内の場合,サービス停止の月間合計時間が b 分以下であれば,表4のサービス稼働率のサービスレベル目標を達成する。ここで,1月のL社の営業日の日数を30とする。

3月は,表4のサービス時間の内にSサービスでインシデントが発生した日が1日あった。復旧作業に時間が掛かったので,表4のサービス時間の内で90分間サービス停止した。3月のL社の営業日の日数を30とすると,サービス稼働率は99.75%となり,3月も表4のサービスレベル目標を達成した。しかし,このインシデントは月末繁忙期の日中に発生したので,L社の取引先への支払業務に支障を来した。

X氏は,サービス停止しないことはもちろんだが,サービス停止した場合に迅速に対応して回復させることも重要だと考えた。そこで,X氏はM社の責に帰するインシデントが発生してサービス停止したときのサービスレベル項目を表4に追加できないか,M社と調整することにした

また,今後,経理部では,勤務時間を製造部に合わせて,交替制で夜勤を行う勤務体制を採って経理業務を行うことで,業務のスピードアップを図ることを計画している。この場合,会計系業務システムのサービス時間を見直す必要がある。そこで,X氏は,表4のサービスレベル目標の見直しが必要と考え,表3のサービスカタログを念頭に,経理部との調整を開始することにした

〔基幹系業務システムのクラウドサービス移行〕

2023年1月に,L社はBCPの検討を開始し,システム部は地震が発生して基幹系業務システムが被災した場合でもサービスを継続できるようにする対策が必要になった。X氏が担当になって,クラウドサービスを利用してBCPを実現する検討を開始した。

X氏は,まずM社が提供するパブリッククラウドのIaaS(以下,Iサービスという)を調査した。Iサービスのサービスカタログでは,サービスレベル項目としてサービス時間及びサービス稼働率の二つが挙げられていて,サービスレベル目標は,それぞれ24時間365日及び月間目標値99.99%以上になっていた。Iサービスでは,物理サーバ,ストレージシステム,ネットワーク機器などのIT基盤のコンポーネント(以下,物理基盤という)は,それぞれが冗長化されて可用性の対策が採られている。また,ハイパーバイザー型の仮想化ソフト(以下,仮想化基盤という)を使って,1台の物理サーバで複数の仮想マシン環境を実現している。

次に,X氏は,Iサービスを利用した災害対策サービスについて,M社に確認した。災害対策サービスの概要は次のとおりである。

  • M社のデータセンター(DC)は,同時に被災しないように東日本と西日本に一つづつある。通常時は,L社向けのIサービスは東日本のDCでサービスを運営する。東日本が被災して東日本のDCが使用できなくなった場合は,西日本のDCでIサービスが継続される。
  • 西日本のDCのIサービスにもユーザーデータファイルを保存し,東日本のDCのIサービスのユーザーデータファイルと常時同期させる。東日本のDCの仮想マシン環境のシステムイメージは,システム変更の都度,西日本のDCにバックアップを保管しておく。

M社の説明を受け,X氏は次のように考えた。

  • 地震や台風といった広範囲に影響を及ぼす自然災害に対して有効である。
  • 災害対策だけでなく,物理サーバに機器障害が発生した場合でも業務を継続できる。
  • 西日本のDCのIサービスのユーザーデータファイルは,東日本のDCのIサービスのユーザーデータファイルと常時同期しているので,現在行っているユーザーデータファイルのバックアップの遠隔地保管を廃止できる。

X氏は,上司にM社の災害対策サービスを採用することで効果的にサービス可用性を高められる旨を報告した。しかし,上司から,X氏の考えの中には見直すべき点があると指摘されたので,X氏は修正した。

さらに,上司はX氏に,M社に一任せずに,M社と協議して実質的な改善を継続していくことが重要だと話した。そこで,X氏は,サービス可用性管理として,サービスカタログに記載されているサービスレベル項目のほかに,可用性に関するKPIを設定することにした。また,基幹系業務システムの災害対策を実現するに当たって,コストの予算化が必要になる。X氏は,災害時のサービス可用性確保の観点でサービス継続性を確保するコストは必要だが,コストの上昇を抑えるために災害時に基幹系業務システムの一部縮退できないか検討した。そして,事業の視点から捉えた機能ごとの判断基準に基づいて継続する機能を決める必要があると考えた

設問と解答・解説

設問1

〔L社のITサービスの現状〕について答えよ。

(1)

表2中のMTBF及びMTRSについて, 適切なものを解答群の中から選び, 記号で答えよ。

  1. MTBFの値は大きい方が, MTRSの値は小さい方が望ましい。
  2. MTBFの値は大きい方が, MTRSの値も大きい方が望ましい。
  3. MTBFの値は小さい方が, MTRSの値は大きい方が望ましい。
  4. MTBFの値は小さい方が, MTRSの値も小さい方が望ましい。

模範解答

選択肢ア: MTBFの値は大きい方が, MTRSの値は小さい方が望ましい。

配点 2

解説

ITサービスマネジメントにおける可用性の指標についての問題です。

  • MTBFMTBF(Mean Time Between Failures:平均故障間隔)は、システムが稼働してから次に故障するまでの平均時間を示します。この値は大きい(長い)方がシステムが安定して稼働していることを意味し、望ましい状態です。
  • MTRSMTRS(Mean Time to Restore Service:平均サービス回復時間)は、インシデント発生からサービスが復旧するまでの平均時間を示します。この値は小さい(短い)方が、迅速にサービスが復旧できることを意味し、望ましい状態です。

各選択肢の解説

  • : 正解です。MTBFMTBFは大きい方が、MTRSMTRSは小さい方が望ましいです。
  • : MTRSMTRSは小さい方が望ましいため誤りです。
  • : MTBFMTBFは大きい方が望ましいため誤りです。
  • : MTBFMTBFは大きい方が望ましいため誤りです。

(2)

表2中の a に入れる適切な字句を, 5字以内で答えよ。

模範解答

信頼

採点基準(配点 2点)

知識・理解度(内容)(1点)

  • 1: 「信頼」という言葉を含んでいる。
  • 0: 「信頼」という言葉が含まれていない。

論理性(構造)(1点)

  • 1: 要求された形式に合わせて単語が正しく提示されている。
  • 0: 要求された形式を満たしていない。

解説

表2のMTBFMTBFに関連する語句を解答する問題です。
可用性を構成する要素には、「信頼性」「保守性」「サービス提供能力」「セキュリティ」などがあります。
MTBFMTBF(平均故障間隔)は、システムがどれだけ故障せずに稼働し続けられるかを示す指標であり、ITサービスの信頼性を測る代表的な指標です。したがって、空欄には「信頼」が入ります。

高得点のポイント

  • 可用性を構成する要素(信頼性・保守性など)を正しく理解し、MTBFMTBFと結びつけていること。

設問2

(1)

本文中の b に入れる適切な数値を答えよ。なお, 計算結果で小数が発生する場合, 答えは小数第1位を四捨五入して整数で求めよ。

模範解答

180

配点 2

解説

計画停止を除く月間サービス時間は、1日20時間・30日間なので 20 × 30 = 600 時間、すなわち36,000分です。目標稼働率99.5%で許容される停止時間は0.5%なので、36,000 × 0.005 = 180 分です。

(2)

本文中の下線①について, X氏は, M社の責に帰するインシデントが発生してサービス停止したときのサービスレベル項目を追加することにした。追加するサービスレベル項目の内容を20字以内で答えよ。

模範解答

サービス回復までの最大時間

採点基準(配点 2点)

知識・理解度(内容)(1点)

  • 1: インシデントによる停止からサービスが回復するまでの最大時間を規定する旨が含まれている。
  • 0: 必要な内容が含まれていない。

論理性(構造)(1点)

  • 1: サービスレベル項目として適切な体言止め、または簡潔な表現になっている。
  • 0: 文意が不明瞭である。

解説

M社の責に帰するインシデントが発生し、サービスが停止した際に追加すべきサービスレベル項目について答える問題です。
サービス停止が発生した場合、利用者にとって最も重要なのは「いつサービスが復旧するか」です。そのため、MTRSMTRSに関連する「サービス回復までの最大時間」をサービスレベル項目(SLA)に追加することが適切です。

高得点のポイント

  • 障害発生時のSLA項目として、復旧時間の制限(MTRSMTRSの保証)が必要であることを理解していること。
  • 指定された字数(20字以内)で簡潔にまとめていること。

(3)

本文中の下線②について, 経理部と調整すべきことを, 30字以内で答えよ。

模範解答

計画停止時間を考慮して経理部の勤務時間を定めること

採点基準(配点 2点)

知識・理解度(内容)(1点)

  • 1: Sサービスの計画停止時間を考慮して、経理部の勤務時間を定める旨が示されている。
  • 0: 示されていない、または「M社と計画停止時間の変更を協議する」等の誤った内容が含まれている。

論理性(構造)(1点)

  • 1: 調整事項として主語・述語が適切で、自然な日本語になっている。
  • 0: 文意が不明瞭である。

解説

経理部の勤務体制の変更に伴い、Sサービスの利用について調整すべき事項を答える問題です。
これまではL社の営業時間外に計画停止が行われていましたが、勤務体制の変更によって、計画停止時間が経理部の業務時間に重なる可能性があります。
クラウドサービス(M社)の計画停止時間をL社都合で変更することは難しいため、経理部の勤務時間を計画停止時間に合わせて調整・設定する必要があります。

高得点のポイント

  • M社の計画停止時間は変更できない(または変更が困難である)というクラウドサービスの特性を理解していること。
  • その前提に立ち、「経理部の勤務時間を計画停止に合わせて定める」という対応策を導き出せていること。
  • 「M社と計画停止時間の変更を協議する」等の実現困難な誤答をしていないこと。

設問2(3)は,正答率がやや低かった。これまではL社の営業時間から外れた時間帯に計画停止が実施されていたので,サービス時間のサービスレベルに関して合意する必要がなかったが,経理部の勤務体制の変更後はSサービスが利用できない計画停止時間を考慮した勤務形態にする必要がある。“経理部と調整すべきこと”の問いに対して,“M社と計画停止時間の変更を協議する”のような誤った解答が散見された。表3及び表4から,サービスカタログと合意するサービスレベルを具体的にイメージして解答してほしい。

設問3

(1)

Iサービスを使ってL社が基幹系業務システムを運用する場合に, M社が構築して管理する範囲として適切なものを, 解答群の中から全て選び, 記号で答えよ。

  1. アプリケーションソフトウェア
  2. 仮想化基盤
  3. ゲストOS
  4. 物理基盤
  5. ミドルウェア

模範解答

選択肢イ: 仮想化基盤

選択肢エ: 物理基盤

配点 2

解説

クラウドサービス(IaaS)における事業者と利用者の管理範囲についての問題です。
IサービスのようなIaaS(Infrastructure as a Service)では、クラウド事業者(M社)はハードウェアやネットワークなどの物理基盤と、仮想マシンを稼働させるための仮想化基盤を構築・管理します。
一方、その上で動くゲストOS、ミドルウェア、アプリケーションソフトウェア、およびデータは、利用者(L社)が管理する責任を負います(責任共有モデル)。

各選択肢の解説

  • ア(アプリケーションソフトウェア): 利用者(L社)の管理範囲です。
  • イ(仮想化基盤): 事業者(M社)の管理範囲であり、正解です。
  • ウ(ゲストOS): 利用者(L社)の管理範囲です。
  • エ(物理基盤): 事業者(M社)の管理範囲であり、正解です。
  • オ(ミドルウェア): 利用者(L社)の管理範囲です。

(2)

本文中の下線③について, 上司が指摘したX氏の考えの中で見直すべき点を, 25字以内で答えよ。

模範解答

バックアップの遠隔地保管を廃止すること

採点基準(配点 3点)

知識・理解度(内容)(2点)

  • 2: バックアップの遠隔地保管を取りやめること(廃止すること)を明確に指摘している。
  • 1: バックアップや遠隔地保管のいずれかについて言及しているが、記述が不完全。
  • 0: 見当違いの内容である。

説得力(考察)(1点)

  • 1: 広域災害時のマルウェア等の脅威から保護できないというリスクを踏まえ、見直すべき行動を的確に表現している。
  • 0: 表現が不適切である。

解説

X氏の考えの中で見直すべき点(不適切な点)を指摘する問題です。
X氏はクラウドサービスのDR(災害復旧)機能(東日本から西日本への切り替えなど)があるからといって、これまで行っていたバックアップの遠隔地保管をやめようとしています。しかし、ランサムウェア等のマルウェア感染が起きた場合、稼働系から待機系へ感染したデータがそのまま同期されてしまう恐れがあります。広域災害だけでなくサイバー攻撃からのデータ保護の観点からも、バックアップを遠隔地に安全に保管しておく仕組みは維持・検討する必要があります。

高得点のポイント

  • クラウドの冗長化(高可用性)と、データ保護(バックアップ・セキュリティ)の目的の違いを理解していること。
  • 廃止しようとしている「バックアップの遠隔地保管」を具体的に指摘できていること。

(3)

本文中の下線④について, クラウドサービスの可用性に関連するKPIとして適切なものを解答群の中から選び, 記号で答えよ。

  1. M社が提供するサービスのサービス故障数
  2. M社起因のインシデントの問題を解決する変更の件数
  3. M社のDCで実施した災害を想定した復旧テストの回数
  4. M社のサービスデスクが回答した問合せ件数
  5. SLAのサービスレベル目標が達成できなかった原因のうち,ストレージ容量不足に起因する件数

模範解答

選択肢ア: M社が提供するサービスのサービス故障数

配点 2

解説

クラウドサービスの「可用性」に関連するKPI(重要業績評価指標)として適切なものを選ぶ問題です。
可用性はサービスが利用できる状態を維持する能力のことです。サービス故障(インシデント等によるダウンタイム)の発生数は、サービスの可用性に直接的に影響を与えるため、KPIとして最も適しています。

各選択肢の解説

  • : 正解です。サービス故障数は可用性(MTBFMTBFなど)に直結する指標です。
  • : 変更管理や問題管理に関連する指標であり、直接的な可用性のKPIではありません。
  • : ITサービス継続性管理(ITSCM)に関連する指標です。
  • : サービスデスクのパフォーマンスやインシデント対応業務に関連する指標です。
  • : キャパシティ管理や問題管理の掘り下げに関連する指標であり、可用性全体のKPIとしては限定的すぎます。

(4)

本文中の下線⑤の判断基準とは何か。本文中の字句を用いて,15字以内で答えよ。

模範解答

重要事業機能の支援度合い

採点基準(配点 3点)

正確性(内容)(3点)

  • 3: 「重要事業機能の支援度合い」と完全に一致して抜き出されている。
  • 1: 一部抜き出しミスや不要な文字が含まれているが、意味は通じる。
  • 0: 抜き出し箇所が誤っている。

解説

クラウドサービス移行における判断基準を本文から抜き出す問題です。
システムの重要度やクラウド移行の優先順位を判断する際、そのシステムがビジネスプロセスに対してどれだけ貢献しているか、つまり「重要事業機能の支援度合い」が基準となります。問題の指示に従い、該当箇所を正確に抜き出します。

高得点のポイント

  • 本文の中から「重要事業機能の支援度合い」というフレーズを、過不足なく正確に抜き出していること。
  • 15字以内という制限を満たしていること。

設問3(2)は,正答率が平均的であった。Iサービスには,稼働系(東日本)に障害が発生したときに待機系(西日本)へ切り替える高可用性対策はあるが,L社で従来行っていたバックアップの遠隔地保管をやめてしまうと,広域災害時のマルウェアからのデータ保護という点で不十分である。今回のケースでは,可用性とセキュリティ性の両方を満たす対策が重要であることを理解してほしい。