令和4年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問13

マイコンに供給するクロックとシリアル通信ポートに使用するクロックを共用するマイコンシステムがある。nが自然数のとき,クロックを 2n2^n 分の 1 に分周して 57.6 k ビット/秒の通信速度が得られるクロック周波数は何 MHz か。ここで,シリアル通信ポートのクロックの誤差は 5% 以内とする。

システムのブロック図
図の説明テキスト

システムのブロック図。
・「クロック発生器」から「マイコン」へ右向きの矢印
・「クロック発生器」と「マイコン」を繋ぐ矢印の途中から分岐し、「分周器」へ下向きの矢印
・「分周器」から「シリアル通信ポート」へ右方向から下方向へ折れ曲がる矢印
・「シリアル通信ポート」から右向きに「伝送線路」というラベルが付いた矢印が出ている。

解答・解説

正解: イ. 60

目標の通信速度である 57.6 kbps(57,60057,600 ビット/秒)を得るためのクロック周波数を求めます。
クロック周波数を ff [MHz] = f×106f \times 10^6 [Hz]、分周比を 2n2^n とすると、分周後の周波数が通信速度となります。

通信速度=f×1062n \text{通信速度} = \frac{f \times 10^6}{2^n}

これを変形し、理想的な ff [MHz] を求めます。

f=57,600×2n106 f = \frac{57,600 \times 2^n}{10^6}

n=10n = 10(210=10242^{10} = 1024 分周)と仮定して計算すると、

f=57,600×10241,000,000=58.9824 [MHz] f = \frac{57,600 \times 1024}{1,000,000} = 58.9824 \text{ [MHz]}

この理想値に最も近い選択肢は イ(60) です。

実際に 60 MHz を 10241024 分周した際の通信速度と誤差を計算します。

  • 通信速度: 60,000,000÷1024=58,593.7560,000,000 \div 1024 = 58,593.75 [bps]
  • 誤差: ∣58,593.75−57,600∣57,600≈0.017\frac{|58,593.75 - 57,600|}{57,600} \approx 0.017 (約 1.7%)

シリアル通信ポートのクロックの誤差 5%以内 という条件を満たしているため、正解となります。

各選択肢の解説

  • ア(52): 不正解。10241024 分周した場合の通信速度は 52,000,000÷1024=50,781.2552,000,000 \div 1024 = 50,781.25 [bps] となり、誤差は約 11.8% となります。
  • イ(60): 正解。上記の通り、10241024 分周時の誤差が約 1.7% となり 5% 以内に収まります。
  • ウ(66): 不正解。10241024 分周した場合の通信速度は 66,000,000÷1024=64,453.12566,000,000 \div 1024 = 64,453.125 [bps] となり、誤差は約 11.9% となります。
  • エ(72): 不正解。10241024 分周した場合の通信速度は 72,000,000÷1024=70,312.572,000,000 \div 1024 = 70,312.5 [bps] となり、誤差は約 22.1% となります。

Spineチーム