令和3年度 春期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問2 運送会社の宅配便サービスにおける配達情報管理システムの機能改善
テクノロジシステム開発技術
学習ガイド
全国規模の運送会社を舞台に、再配達の削減と顧客満足度の向上を目指して配達管理システムを改修する事例です。配達予定時刻の高精度な算出や、きめ細かい状況通知、柔軟な受け取り場所の変更機能を実現するためのシステム要件が問われます。解説では、現行の配達業務フローと新しく追加される各機能の対応関係を整理し、どの作業タイミングで配達端末に何を入力し、誰にどんな情報が通知されるのかを順序立てて読み解くアプローチを紹介します。
この記事で押さえる論点
- 配達予定時刻を計算するために必要なインプット情報(配達順序と使用車両)を説明できる
- 届け先顧客と依頼主への通知機能が、どの要望を満たすために設計されたかを述べられる
- 配達条件変更機能における変更受付の制約(当日受付の締切など)を業務要件から説明できる
- 担当区域外への変更や営業所受け取りへの変更に伴う、配達員の新たな作業内容とステータス遷移を述べられる
出題情報
- 出題
- 2021(R3)春 システムアーキテクト 午後I 問2
- 配点
- 50点満点
- 模範解答
- 公表(設問ごとに掲載)
出題趣旨・採点講評(IPA 公表)
顧客やサービス利用者の利便性を向上させるために,新サービスを提供するに当たり,新しい業務プロセスを設計することがある。システムアーキテクトには,要望を基にシステム要件を定義し,情報システムと業務プロセスを設計していく能力が求められる。
本問では,宅配便サービスを題材として,現行の業務,既存の情報システムを理解した上で,顧客やサービス利用者から求められている改善要望を基に,新しい機能を定義して業務プロセスや情報システムを設計する能力を問う。
問2では,宅配便サービスを題材に,現行業務,既存の情報システムを正しく把握した上での顧客やサービス利用者から求められている機能の設計について出題した。全体として正答率は平均的であった。
問題本文
問2 配達情報管理システムの改善に関する次の記述を読んで,設問1,2に答えよ。
K社は全国に2,000の営業所を持つ運送会社である。このたび,宅配便サービスの差別化及び再配達率の改善を図るために,既存システムである配達情報管理システム(以下,配達システムという)の改善を行うことにした。
〔現在の業務の概要〕
K社での集荷から配達までの業務の流れを図1に示す。K社では,届け先の個人又は企業(以下,届け先顧客という)の住所での受取,配達先の営業所での受取(以下,営業所受取という)に対応している。依頼主は送付伝票を記載する際に配達予定日,配達予定時間帯及び受取場所を指定できる。
配達システムでは届け先顧客に配達予定連絡サービスを提供している。配達予定連絡サービスでは,送付伝票に配達予定日,配達予定時間帯が明記されており,かつ届け先顧客の電子メールアドレスが配達システムに登録されていた場合に,その日付と時間帯を該当の届け先顧客に通知する。
荷受け,配達先の営業所到着,配達開始,配達完了の各タイミングで送付伝票の伝票番号のバーコードを携帯情報端末(以下,配達端末という)で読み取ると,配達システムに,個々の荷物がどのような状況にあるのかを示すステータス(以下,配達状況という)が登録される。

図の説明テキスト
構成要素と関係:
- 上段に左から右へ [依頼主]、[配達元の営業所]、[配達先の営業所]、[届け先顧客] のノードが配置されている。
- 実線矢印(荷物の流れ): [依頼主]から[配達元の営業所](ラベル: 集荷)、[配達元の営業所]から[配達先の営業所](ラベル: 輸送)、[配達先の営業所]から[届け先顧客](ラベル: 配達)。
- 下段に [配達システム] ノードがある。
- 破線矢印(配達システムとのデータ連携):
- [配達元の営業所]側の垂直破線から[配達システム]へ(ラベル: 配達状況 (荷受け))
- [配達先の営業所]側の垂直破線から[配達システム]へ(ラベル: 配達状況 (営業所到着, 配達開始))
- [配達システム]から[届け先顧客]側の垂直破線へ(ラベル: 配達予定日, 配達予定時間帯)
- [届け先顧客]側の垂直破線から[配達システム]へ(ラベル: 配達状況 (配達完了))
- [届け先顧客]側の垂直破線から[配達システム]へ(ラベル: 再配達依頼)
- 左下に凡例(実線矢印: 荷物の流れ、破線矢印: 配達システムとのデータ連携)がある。
営業所での主な業務とその作業内容を次に示す。
(1) 集荷・輸送業務
- 配達員が個人又は企業の依頼主を訪問し,集荷する。
- 集荷時には,送付伝票を貼り付け,送付伝票のバーコードを配達端末で読み取り,配達状況を“荷受け”にする。
- 配達システムに送付伝票の依頼主名,届け先顧客名,郵便番号,住所,電話番号,配達予定日及び配達予定時間帯を登録すると,配達システムが配達予定日及び配達予定時間帯を配達予定連絡サービスの対象の届け先顧客に通知する。
- 荷受け後,配達元の営業所から配達先の営業所に,配達業務の時間帯に合わせて輸送する。
(2) 仕分業務
- 配達先の営業所には,1日複数回荷物が輸送されてくる。仕分担当者は荷物の到着後に送付伝票のバーコードを配達端末で読み取り,配達状況を“営業所到着”にする。到着した荷物は当日に再配達する荷物と併せて仕分けする。荷物の仕分け後,配達員に次の便で配達するよう依頼する。
- 配達先の営業所受取を指定された場合は営業所倉庫に保管する。
(3) 配達業務
- 各配達員の担当区域は,営業所ごとに管理されており,配達システムには登録されていない。配達員は自分の担当区域を把握しており,担当区域外に配達することはない。
- 配達員は配達時に配達端末を携帯する。
- 配達業務は午前1便,午後2便の計3便行う。各便の出発時刻は決まっており,担当区域にかかわらず,全配達員共通である。
- 各便の全ての荷物に対して引渡し又は不在の場合の対応を実施したら当該便の配達業務を完了とし,営業所に帰還する。
- 各便の配達順序は営業所を出発する前に配達員があらかじめ決定する。
- 配達員は仕分けされた荷物を自動車,リアカー付き自転車又は台車(以下,これらを配達車両という)を利用して配達する。配達車両に荷物を積み込む際に配達端末で配達状況を“配達開始”にする。配達にどの配達車両を使用するかは配達員が判断し,配達端末に入力する。
- 配達端末は配達システムと連携している。配達員が,次の配達先の送付伝票のバーコードを読み取ると,配達システムが蓄えている過去の配達実績情報及び現在の交通情報に基づいて,使用する配達車両に応じた推奨移動経路と配達到着予想時刻を配達端末に提示する。
- 配達員は荷物の引渡しまでを担当する。届け先顧客に荷物の引渡しを終えたタイミングで,配達端末で配達状況を“配達完了”にする。届け先顧客に引き渡す際には社名と氏名を名乗っている。
- 配達時に届け先顧客が不在の場合,配達員は不在連絡票を投かんする。
- 1便目,2便目の配達業務完了後は配達車両から荷物を降ろさない。3便目の配達業務完了後に配達車両から荷物を降ろし,営業所倉庫に保管する。
- 配達時の移動経路,移動時間及び駐停車時の時間を配達端末が自動的に記録し,配達実績情報として配達システムに保存する。
(4) 再配達受付業務
- 営業所の再配達受付担当者は,不在連絡票を受け取った届け先顧客から再配達の依頼を電話で受け付ける。受取場所の変更は受け付けない。再配達を受け付ける際は,届け先顧客から再配達希望日,再配達希望時間帯を確認する。ただし,再配達希望日が当日で,かつ再配達希望時間帯の受付締切時刻経過後は,再配達希望は受け付けない。
- 再配達希望日が配達日当日の場合は,配達員に再配達希望時間帯を指示し,当日中に再配達してもらう。
〔宅配便サービスの改善要望〕
宅配便サービスの改善に当たって依頼主と届け先顧客に要望をヒアリングした結果は,次のとおりである。
(1) 依頼主
- 依頼主が誰なのかを届け先顧客に通知してほしい。
- 配達が完了したことを依頼主に通知してほしい。
(2) 届け先顧客
- 午前中(9時〜12時)などは配達予定時間帯の幅が広く,配達予定連絡が来ても待ち時間にストレスを感じる。待ち時間を減らしてほしい。
- 帰宅して不在連絡票を確認しなくても再配達依頼できるようにしてほしい。
- 荷物が届く前でも再配達依頼時と同様に配達日,配達時間帯などを変更できるようにしてほしい。また受取場所の変更もできるようにしてほしい。
- 配達員として誰が来るのかが分かるようにしてほしい。
〔改善後の配達システムの新機能〕
宅配便サービスの改善要望を踏まえ,K社情報システム部のL課長は次の(1)〜(5)の新機能を配達システムに追加することにした。
(1) 配達予定時刻計算機能
配達員から配達端末を用いて連携された情報を基に,推奨移動経路で移動した場合の各受取場所への配達予定時刻を計算する。
(2) 配達予定情報通知機能
配達先の営業所を出発したタイミングで,配達予定時刻と①ある情報を配達予定情報として届け先顧客に通知する。
(3) 不在連絡票通知機能
配達員が不在連絡票を投かんし,配達状況を“不在連絡済”にしたタイミングで,不在連絡票の内容を届け先顧客に通知する。
(4) 配達完了通知機能
配達員が荷物を引渡し,配達状況を“配達完了”にしたタイミングで,配達完了のお知らせを依頼主と届け先顧客に通知する。
(5) 配達条件変更機能
配達希望日,配達希望時間帯及び受取場所(以下,配達条件という)の変更を配達先の営業所の担当者が電話で受け付ける。ただし,配達状況が“配達完了”又は“不在連絡済”の荷物については受け付けない。配達条件の変更を受け付ける際は,配達条件を確認し,配達システムに入力する。配達システムは,入力された配達条件に基づいて配達状況を変更する。
受取場所を配達先の営業所以外へ変更する場合は,配達日を翌日以降に指定してもらう。また,aの場合,かつbの場合においては,配達条件の変更を受け付けない。
入力された配達条件は,配達条件変更通知として配達端末に表示される。変更後の受取場所として配達先の営業所が指定された場合は,配達状況を“営業所倉庫保管”として,営業所帰還時に荷物を降ろすことを配達員に指示する。変更後の配達希望時間帯が当該便の配達時間帯でない場合は,配達状況を“営業所戻り”とし,当該便では荷物の配達を行わないことを配達員に指示する。
〔配達システム改善後の配達業務の概要〕
配達システム改善後の配達業務の主な変更点は次のとおりである。
- 配達員は営業所出発前に,配達時に使用する配達車両に加えて配達員の氏名を配達端末で配達システムに入力し,あらかじめ決めておいた配達順序の順番に送付伝票のバーコードを読み取り,配達状況を“配達開始”にする。
- 次の配達先に荷物を届ける前に送付伝票のバーコードを読み取る。その際に配達条件変更機能によって配達条件が変更されていた場合は配達端末にその内容が表示されるので,その内容に従い,必要に応じて届け先顧客と調整する。配達条件変更通知がなかった場合は送付伝票に記載された受取場所に届ける。
- 配達端末で配達状況を入力するケースとして次の二つを追加する。受取場所に配達員の担当区域外を指定されていた場合は,配達員が,配達状況を“担当区域外”にする。不在連絡票を投かんした場合は,配達員が,配達状況を“不在連絡済”にする。
- 配達員が配達状況を“担当区域外”にした場合又は配達システムが配達状況を“c”に変更していた場合には,営業所に帰還した際に,これまでの配達業務では行わなかった作業を実施する。
設問と解答・解説
設問1
〔改善後の配達システムの新機能〕について,(1)〜(3)に答えよ。
各受取場所への配達予定時刻を計算するために,配達端末から配達システムに連携している情報が二つある。どのような情報か,それぞれ15字以内で述べよ。(1つ目)
模範解答
あらかじめ決めた配達順序
配達時に使用する配達車両
採点基準
- 3点: 「配達順序(営業所出発前に配達員があらかじめ決めた順序)」又は「配達時に使用する配達車両」のどちらか一方を的確に述べている。
- 1点: どちらかに触れているが、対象の特定が不十分である(単に「順番」「車両」など)。
- 0点: それ以外、または無解答。配達システム側が持つ情報(過去の配達実績情報・交通情報)や、時刻計算に使わない「配達員の氏名」は不可。
- 2点: 選んだ情報を、何の順序・どの車両かが分かる形で簡潔に表現できている(「あらかじめ決めた」「配達時に使用する」の語そのものは必須ではない)。
- 1点: 意味は通じるが、表現にやや不自然な点がある。
- 0点: 意味が通じない、または著しく論理性を欠く。
解説
【問題の本文・図表】の記述から、各受取場所への配達予定時刻を計算するために配達端末から連携される情報を確認します。
- 〔現在の業務の概要〕の(3)配達業務には、「配達システムが蓄えている過去の配達実績情報及び現在の交通情報に基づいて,使用する配達車両に応じた推奨移動経路と配達到着予想時刻を配達端末に提示する。」とあります。
- また、〔配達システム改善後の配達業務の概要〕には、「配達員は営業所出発前に,配達時に使用する配達車両に加えて配達員の氏名を配達端末で配達システムに入力し,あらかじめ決めておいた配達順序の順番に送付伝票のバーコードを読み取り,配達状況を“配達開始”にする。」とあります。
配達予定時刻を各受取場所ごとに計算するためには、どのような経路で(あらかじめ決めた配達順序)、どのような移動手段で(配達時に使用する配達車両)移動するかの情報が必要です。
したがって、配達端末から連携している二つの情報は「あらかじめ決めた配達順序」と「配達時に使用する配達車両」となります(1つ目と2つ目は順不同)。
高得点のポイント
- あらかじめ決めた配達順序または配達時に使用する配達車両であることが明記されていること
- 15字以内の文字数制限を満たしていること
各受取場所への配達予定時刻を計算するために,配達端末から配達システムに連携している情報が二つある。どのような情報か,それぞれ15字以内で述べよ。(2つ目)
模範解答
あらかじめ決めた配達順序
配達時に使用する配達車両
採点基準
- 3点: 1つ目と異なるもう一方(1つ目が配達順序なら配達車両、配達車両なら配達順序)を的確に述べている。
- 1点: 1つ目と異なる内容で、どちらかに触れているが対象の特定が不十分である(単に「順番」「車両」など)。
- 0点: 1つ目と同じ内容を答えている、それ以外、または無解答。配達システム側が持つ情報や時刻計算に使わない「配達員の氏名」は不可。
- 2点: 選んだ情報を、何の順序・どの車両かが分かる形で簡潔に表現できている。
- 1点: 意味は通じるが、表現にやや不自然な点がある。
- 0点: 1つ目と同じ内容を答えている場合もこの段階。または意味が通じない、著しく論理性を欠く。
解説
【問題の本文・図表】の記述から、各受取場所への配達予定時刻を計算するために配達端末から連携される情報を確認します。
- 〔現在の業務の概要〕の(3)配達業務には、「配達システムが蓄えている過去の配達実績情報及び現在の交通情報に基づいて,使用する配達車両に応じた推奨移動経路と配達到着予想時刻を配達端末に提示する。」とあります。
- また、〔配達システム改善後の配達業務の概要〕には、「配達員は営業所出発前に,配達時に使用する配達車両に加えて配達員の氏名を配達端末で配達システムに入力し,あらかじめ決めておいた配達順序の順番に送付伝票のバーコードを読み取り,配達状況を“配達開始”にする。」とあります。
配達予定時刻を各受取場所ごとに計算するためには、どのような経路で(あらかじめ決めた配達順序)、どのような移動手段で(配達時に使用する配達車両)移動するかの情報が必要です。
したがって、配達端末から連携している二つの情報は「あらかじめ決めた配達順序」と「配達時に使用する配達車両」となります(1つ目と2つ目は順不同)。
高得点のポイント
- 1つ目と異なるもう一方の情報(配達時に使用する配達車両またはあらかじめ決めた配達順序)であることが明記されていること
- 15字以内の文字数制限を満たしていること
改善要望を満たすために通知する,本文中の下線①の情報とは何か。二つ挙げ,それぞれ10字以内で答えよ。(1つ目)
模範解答
配達員の氏名
依頼主名
採点基準
- 3点: 「配達員の氏名」(要望「配達員として誰が来るのかが分かるようにしてほしい」)又は「依頼主名」(要望「依頼主が誰なのかを届け先顧客に通知してほしい」)のどちらか一方を抽出できている。
- 1点: 配達員や依頼主に触れているが、氏名・名称であることが不明確である(例:「配達員の情報」など)。
- 0点: それ以外(配達予定時刻、配達車両、届け先顧客名など)、または無解答。
- 2点: 通知すべき具体的な情報(名称など)として適切に表現されている。
- 1点: 意味は通じるが、表現にやや不自然な点がある。
- 0点: 意味が通じない、または著しく論理性を欠く。
解説
【問題の本文・図表】から、配達予定情報として届け先顧客に通知するべき追加情報を確認します。
- 〔改善後の配達システムの新機能〕の(2)配達予定情報通知機能において、「配達先の営業所を出発したタイミングで,配達予定時刻とある情報を配達予定情報として届け先顧客に通知する。」とあります。
- これに対応する〔宅配便サービスの改善要望〕をみると、(1)依頼主からの要望に「依頼主が誰なのかを届け先顧客に通知してほしい。」とあり、(2)届け先顧客からの要望に「配達員として誰が来るのかが分かるようにしてほしい。」と記載されています。
これら2つの要望を満たすため、配達予定時刻と共に通知すべき情報は「依頼主名」および「配達員の氏名」の二つであることが分かります(1つ目と2つ目は順不同)。
高得点のポイント
- 改善要望から配達員の氏名または依頼主名を正確に抽出していること
- 10字以内の文字数制限を満たしていること
改善要望を満たすために通知する,本文中の下線①の情報とは何か。二つ挙げ,それぞれ10字以内で答えよ。(2つ目)
模範解答
配達員の氏名
依頼主名
採点基準
- 3点: 1つ目と異なるもう一方(1つ目が配達員の氏名なら依頼主名、依頼主名なら配達員の氏名)を抽出できている。
- 1点: 1つ目と異なる内容で、配達員や依頼主に触れているが、氏名・名称であることが不明確である。
- 0点: 1つ目と同じ情報を答えている、それ以外、または無解答。
- 2点: 通知すべき具体的な情報(名称など)として適切に表現されている。
- 1点: 意味は通じるが、表現にやや不自然な点がある。
- 0点: 1つ目と同じ情報を答えている場合もこの段階。または意味が通じない、著しく論理性を欠く。
解説
【問題の本文・図表】から、配達予定情報として届け先顧客に通知するべき追加情報を確認します。
- 〔改善後の配達システムの新機能〕の(2)配達予定情報通知機能において、「配達先の営業所を出発したタイミングで,配達予定時刻とある情報を配達予定情報として届け先顧客に通知する。」とあります。
- これに対応する〔宅配便サービスの改善要望〕をみると、(1)依頼主からの要望に「依頼主が誰なのかを届け先顧客に通知してほしい。」とあり、(2)届け先顧客からの要望に「配達員として誰が来るのかが分かるようにしてほしい。」と記載されています。
これら2つの要望を満たすため、配達予定時刻と共に通知すべき情報は「依頼主名」および「配達員の氏名」の二つであることが分かります(1つ目と2つ目は順不同)。
高得点のポイント
- 1つ目と異なるもう一方の情報(依頼主名または配達員の氏名)を正確に抽出していること
- 10字以内の文字数制限を満たしていること
本文中の空欄aに入れる適切な内容を20字以内で述べよ。
模範解答
配達希望日が当日
採点基準
- 5点: 「配達希望日が当日」であることを正確に抜き出して解答できている。複合条件として成立することを正しく理解している。
- 2点: 関連する記述を抜き出しているが、文脈に沿った修正(「再配達」から「配達」への変更など)が不十分である、または表現に過不足がある。
- 0点: 不正確な抜き出しである、または「配達完了」「不在連絡済」など複合条件として成立しないものを誤って解答している。
解説
【問題の本文・図表】から、配達条件の変更を受け付けないケース(空欄a、空欄b)の条件を確認します。
- 〔改善後の配達システムの新機能〕の(5)配達条件変更機能では、「受取場所を配達先の営業所以外へ変更する場合は,配達日を翌日以降に指定してもらう。また,aの場合,かつbの場合においては,配達条件の変更を受け付けない。」とあります。
- 〔現在の業務の概要〕の(4)再配達受付業務における受付の制約を確認すると、「ただし,再配達希望日が当日で,かつ再配達希望時間帯の受付締切時刻経過後は,再配達希望は受け付けない。」という運用ルールが記載されています。
新しい機能である「配達条件の変更」についても、既存の「再配達受付」と同様の業務ルールが適用されると考えられます。したがって、空欄aおよびbには「配達希望日が当日」および「配達希望時間帯の受付締切時刻経過後」が入ります。
※本文中の「再配達希望日」「再配達希望時間帯」を、新機能の文脈に合わせて「配達希望日」「配達希望時間帯」として解答します。
高得点のポイント
- 現在の再配達受付業務の制約から、配達希望日が当日である条件を適切に抜き出し、新機能の文脈に沿って解答していること
- 20字以内の文字数制限を満たしていること
本文中の空欄bに入れる適切な内容を20字以内で述べよ。
模範解答
配達希望時間帯の受付締切時刻経過後
採点基準
- 5点: 「配達希望時間帯の受付締切時刻経過後」であることを正確に抜き出して解答できている。複合条件として成立することを正しく理解している。
- 2点: 関連する記述を抜き出しているが、文脈に沿った修正(「再配達」から「配達」への変更など)が不十分である、または表現に過不足がある。
- 0点: 不正確な抜き出しである、または「配達完了」「不在連絡済」など複合条件として成立しないものを誤って解答している。
解説
【問題の本文・図表】から、配達条件の変更を受け付けないもう一つの条件(空欄b)を確認します。
- 既存の〔現在の業務の概要〕(4)再配達受付業務には、「再配達希望日が当日で,かつ再配達希望時間帯の受付締切時刻経過後は,再配達希望は受け付けない。」とあります。
- この業務上の制約は、〔改善後の配達システムの新機能〕における(5)配達条件変更機能においても適用される複合条件となります。
したがって、空欄aの「配達希望日が当日」に対するもう一つの条件として、空欄bには「配達希望時間帯の受付締切時刻経過後」が入ります。
高得点のポイント
- 現在の再配達受付業務の制約から、配達希望時間帯の受付締切時刻経過後である条件を適切に抜き出し、新機能の文脈に沿って解答していること
- 20字以内の文字数制限を満たしていること
設問1(1)は,正答率がやや低かった。配達予定時刻を計算するために,配達員が配達端末を用いて配達システムに連携している情報を問う問題であったが,配達端末を用いて連携していない情報を誤って解答した受験者が多かった。一般論で解答するのではなく,本文中の記述及び設問の内容から,配達システムにどのような情報を連携する必要があるのかを理解して,正答を導き出してほしい。設問1(3)は,正答率がやや低かった。配達条件の変更を受け付けられない場合の条件を問う問題であったが,配達状況が“配達完了”や“不在連絡済”など,成立しない条件を誤って解答した受験者が多かった。本文中の記述から,複合条件としては成立しないことに気付いてほしい。システムアーキテクトは現行業務を踏まえた上で,システム改善後の機能を設計することを心掛けてほしい。
設問2
〔配達システム改善後の配達業務の概要〕について,(1)〜(3)に答えよ。
配達員が,配達状況を入力するケースを追加することで実現できる改善要望は何か。30字以内で述べよ。
模範解答
不在連絡票を確認しなくとも再配達依頼ができること
採点基準
- 3点: 不在連絡票を確認しなくとも再配達依頼ができるという改善要望の内容を正確に捉えている。
- 1点: 関連する要望について言及しているが、内容が不十分である。
- 0点: 内容を把握できていない、または誤った要望を解答している。
- 2点: 改善される要望として、自然な日本語で論理的に構成されている。
- 1点: 意味は通じるが、文の繋がりにやや不自然な点がある。
- 0点: 意味が通じない、または論理性を欠く。
解説
【問題の本文・図表】から、配達員が配達状況を入力するケースを追加することでどの改善要望が満たされるかを確認します。
- 〔配達システム改善後の配達業務の概要〕には、新しく追加される入力ケースとして「不在連絡票を投かんした場合は,配達員が,配達状況を“不在連絡済”にする。」とあります。
- また、〔改善後の配達システムの新機能〕の(3)不在連絡票通知機能には、「配達員が不在連絡票を投かんし,配達状況を“不在連絡済”にしたタイミングで,不在連絡票の内容を届け先顧客に通知する。」と記載されています。
- この通知機能によって、〔宅配便サービスの改善要望〕の(2)届け先顧客にある「帰宅して不在連絡票を確認しなくても再配達依頼できるようにしてほしい。」という要望が実現されます。
したがって、この運用追加によって実現できる改善要望は「不在連絡票を確認しなくとも再配達依頼ができること」となります。
高得点のポイント
- 不在連絡票を確認しなくともという前提が含まれていること
- 再配達依頼ができるという要望の実現内容が明記されていること
- 30字以内の文字数制限を満たしていること
受取場所を配達員の担当区域外に指定された場合に,配達状況の変更を,配達員自身が実施している理由は何か。30字以内で述べよ。
模範解答
各配達員の担当区域は配達システムに登録されていないから
採点基準
- 3点: 配達員の担当区域がシステムに登録されていないという制約を正確に捉えている。
- 1点: 制約について言及しているが、内容が不十分である。
- 0点: 制約を把握できていない、または理由として誤っている。
- 2点: 理由を問う問題に対して、「〜から」「〜ため」などの適切な文末表現を用いて論理的に構成されている。
- 1点: 意味は通じるが、理由としての文脈・表現にやや不自然な点がある。
- 0点: 意味が通じない、または論理性を欠く。
解説
【問題の本文・図表】から、受取場所が配達員の担当区域外に指定された場合にシステムではなく配達員が判断する理由を確認します。
- 〔現在の業務の概要〕の(3)配達業務において、「各配達員の担当区域は,営業所ごとに管理されており,配達システムには登録されていない。配達員は自分の担当区域を把握しており,担当区域外に配達することはない。」と明記されています。
- 配達システム上に担当区域の情報が登録されていないため、変更された受取場所が担当区域内か区域外かをシステムが自動判定することは不可能です。
したがって、配達員が自らの知識に基づき、配達状況を“担当区域外”に変更する入力作業を実施する必要があります。
高得点のポイント
- 担当区域(の情報)が配達システムに登録されていないという事実が明記されていること
- 30字以内の文字数制限を満たしていること
本文中の空欄cに入れる適切な配達状況を答えよ。
模範解答
営業所倉庫保管
採点基準
- 6点: 「営業所倉庫保管」であることを正確に抜き出して解答できている。
- 3点: 関連する配達状況を挙げているが、不要な文字が含まれているなど正確な抜き出しではない。
- 0点: 不正確な抜き出しである、または全く別の配達状況を解答している。
解説
【問題の本文・図表】から、空欄cに入る配達状況を確認します。
- 〔配達システム改善後の配達業務の概要〕の最後の項目に、「配達員が配達状況を“担当区域外”にした場合又は配達システムが配達状況を“c”に変更していた場合には,営業所に帰還した際に,これまでの配達業務では行わなかった作業を実施する。」とあります。
- これまでの配達業務で行わなかった作業とは何かを調べると、〔現在の業務の概要〕(3)配達業務には「1便目,2便目の配達業務完了後は配達車両から荷物を降ろさない。3便目の配達業務完了後に配達車両から荷物を降ろし,営業所倉庫に保管する。」とあります。
- 一方、〔改善後の配達システムの新機能〕(5)配達条件変更機能には、「変更後の受取場所として配達先の営業所が指定された場合は,配達状況を“営業所倉庫保管”として,営業所帰還時に荷物を降ろすことを配達員に指示する。」と記載されています。
- 帰還の都度(1便目や2便目であっても)荷物を降ろすのは、これまでの業務にはなかった新しい作業です。
したがって、新しい作業が発生するもう一つの条件である空欄cの配達状況は「営業所倉庫保管」となります。
高得点のポイント
- 既存の配達業務と改善後の配達業務の差異を読み取り、営業所倉庫保管であることを正確に抜き出していること
また,この配達状況に変更された場合に現在行っていない作業を配達員が営業所で行う必要がある。どのような作業を行うのか,作業内容を35字以内で述べよ。
模範解答
当日の配達業務完了前に荷物を降ろし,営業所倉庫に保管する作業
採点基準
- 2点: 「配達業務完了前(営業所帰還時)」に「荷物を降ろし保管する」という新しい作業内容を正確に捉えている。
- 1点: 作業内容について言及しているが、タイミングの記述が不足しているなど内容が不十分である。
- 0点: 作業内容を把握できていない、または誤った作業を解答している。
- 2点: 行うべき作業の内容として、自然な日本語で論理的に構成されている。
- 1点: 意味は通じるが、文の繋がりにやや不自然な点がある。
- 0点: 意味が通じない、または論理性を欠く。
解説
【問題の本文・図表】から、配達状況が“営業所倉庫保管”等に変更された場合に営業所で行う新しい作業の内容を確認します。
- 〔現在の業務の概要〕の(3)配達業務では、「1便目,2便目の配達業務完了後は配達車両から荷物を降ろさない。3便目の配達業務完了後に配達車両から荷物を降ろし,営業所倉庫に保管する。」というルールでした。
- しかし、〔改善後の配達システムの新機能〕の(5)配達条件変更機能には、「変更後の受取場所として配達先の営業所が指定された場合は,配達状況を“営業所倉庫保管”として,営業所帰還時に荷物を降ろすことを配達員に指示する。」とあります。
- すなわち、最終便(3便目)の終了を待たず、1便目や2便目から帰還したタイミングであっても、該当する荷物を車両から降ろして倉庫に保管する運用に変更されています。
したがって、現在行っていないが新しく行う必要がある作業は、「当日の配達業務完了前に荷物を降ろし,営業所倉庫に保管する作業」となります。(または「営業所帰還時に配達車両から荷物を降ろし、営業所倉庫に保管する作業」など)
高得点のポイント
- 当日の配達業務完了前(または営業所帰還時)というタイミングが明記されていること
- 荷物を降ろし、営業所倉庫に保管するという具体的な作業内容が記述されていること
- 35字以内の文字数制限を満たしていること