令和3年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問3

ハッシュ関数の性質の一つである衝突発見困難性に関する記述のうち,適切なものはどれか。

解答・解説

正解: エ. 衝突発見困難性とは,ハッシュ値が一致する二つのメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる,発見の困難性のことである。

ハッシュ関数が備えるべきセキュリティ上の重要な性質には、主に以下の3つがあります。

  • 原像計算困難性(第一原像計算困難性):あるハッシュ値が与えられたとき、そのハッシュ値を出力する元のメッセージを求めることが困難であるという性質です。
  • 第二原像計算困難性:あるメッセージが与えられたとき、そのメッセージと同じハッシュ値を出力する別のメッセージを求めることが困難であるという性質です。
  • 衝突発見困難性:同じハッシュ値を出力する、任意の2つの異なるメッセージの組を見つけることが困難であるという性質です。

設問では衝突発見困難性について問われているため、ハッシュ値が一致する2つのメッセージの発見の困難性について述べているエが適切です。

各選択肢の解説

  • ア:誤り。SHA-256 において衝突を発見するために必要な最大の計算量は、誕生日のパラドックスを考慮すると約 21282^{128} 回の演算となります。「256の2乗」ではありません。
  • イ:誤り。「元のメッセージの発見に要する」計算量に関する性質は、原像計算困難性(第一原像計算困難性)の説明です。衝突発見困難性についての記述ではありません。
  • ウ:誤り。「ハッシュ値が与えられたときに,元のメッセージの発見に要する」計算量についての性質は、原像計算困難性(第一原像計算困難性)の説明です。
  • エ:正解。「ハッシュ値が一致する二つのメッセージの発見に要する」計算量についての性質であり、衝突発見困難性の正しい説明です。

Spineチーム