令和5年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前 II 問題 問4

ハッシュ関数の性質の一つである衝突発見困難性に関する記述のうち,適切なものはどれか。

解答・解説

正解: エ. 衝突発見困難性とは,ハッシュ値が一致する二つの元のメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる,発見の困難性のことである。

ハッシュ関数には、主に以下のセキュリティ上の性質(要件)が求められます。

  • 原像計算困難性(一方向性): 与えられたハッシュ値から、元のメッセージを逆算することが困難であること。
  • 第2原像計算困難性(弱衝突耐性): あるメッセージが与えられたとき、それと同じハッシュ値を持つ別のメッセージを見つけることが困難であること。
  • 衝突発見困難性(強衝突耐性): 同じハッシュ値となる、任意の異なる2つのメッセージのペアを見つけることが困難であること。

本問で問われている「衝突発見困難性」は、同じハッシュ値を出力する2つの異なる入力を見つけることの難しさを示しています。したがって、エが適切な記述となります。

各選択肢の解説

  • ア: 誤り。ハッシュ関数の衝突探索において、誕生日のパラドックスを考慮すると、SHA-256(256ビットのハッシュ値)での衝突を見つけるための計算量は約 21282^{128} 回となります。計算量の記述も「256の2乗」となっており誤りです。
  • イ: 誤り。「ハッシュ値の元のメッセージの発見」についての記述であるため、これは衝突発見困難性ではなく 原像計算困難性(一方向性) の説明です。
  • ウ: 誤り。「ハッシュ値が与えられたときに、元のメッセージの発見に要する」困難性の説明であり、これも 原像計算困難性(一方向性) に関する記述です。
  • エ: 正解。同じハッシュ値となる2つのメッセージのペアを見つけることの困難性を説明しており、衝突発見困難性 の適切な記述です。

Spineチーム