令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問2 駅務機器の可用性管理とCBM
マネジメントサービスマネジメントシステム構成
この問題は2024(R6)春 ITサービスマネージャ 午後Iに出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
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学習ガイド
IoTを活用した駅務サービスを題材に、可用性管理を問う問題です。駅務機器の故障実績から年間稼働率を計算し、センサーデータによる状態基準保全(CBM)の導入効果を検討し、さらにSNS投稿の分析で障害検知を早める仕組みまで考えます。従来の定期点検との違いを「保全の契機が時間か状態か」という一点で捉えると、各設問の解答が同じ論理から導けます。稼働率計算の端数処理にも注意して読み進めてください。
この記事で押さえる論点
- 稼働率の定義に沿って年間稼働率を計算する
- 状態基準保全(CBM)が従来点検に比べて持つ利点を故障予防とコストの両面で説明する
- SNS投稿分析による障害検知早期化の狙いと検知条件の設計を理解する
出題情報
- 出題
- 2024(R6)春 ITサービスマネージャ 午後I 問2
- 配点
- 50点満点
- 模範解答
- 公表(設問ごとに掲載)
出題趣旨・採点講評(IPA 公表)
近年,IoTデバイスなどを構成品目とするITサービスが増えており,ITサービスマネージャには,構成品目の特性を捉えた管理が求められる。本問では,IoTを活用した駅務サービスを題材として,稼働率や計画停止といったサービスの可用性管理に関する実践的な能力を問うとともに,SNSデータの分析を使った障害検知の早期化による可用性の改善能力を問う。
問2では,IoTを用いたCBM(状態基準保全)システムの構築,SNSデータの分析を活用した障害検知を題材に,サービスの可用性管理について出題した。全体として正答率は平均的であった。
問題本文
問2 IoTを活用した駅務サービスの可用性に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。
E社は,関西圏を中心とした中堅の鉄道事業者である。大阪の本社を中心として,3路線50駅の運営を行っている。E社本社には駅業務部と情報システム部がある。駅業務部は,E社が運営する各駅の業務を統括している。情報システム部では,発売した乗車券などの集計を行う駅務システムを運用している。
駅では,ハードウェアメーカーのF社が提供する自動改札機,自動券売機及び窓口端末(以下,これらを駅務機器という)を導入して,駅の出改札業務を行っている。窓口端末は全ての駅に最低1台設置されており,自動券売機で取り扱う全ての出改札業務に対応するほか,駅員が窓口端末を使って駅務システムを利用できる。また,自動改札機と自動券売機は,駅構内のLANを経由して窓口端末と接続されており,駅員は,窓口端末を使って,当該駅の駅務機器の稼働状態を確認することができる。窓口端末で駅務機器の稼働状態の異常を検知し,故障などで保守員による対応が必要と判断した場合,駅員は駅業務部に電話連絡し,駅業務部経由でF社保守員の手配が行われる。
情報システム部は,駅務機器及び駅構内のLANの管理を行っており,駅業務部及び各駅に対して,駅務システムの運用を含めて,駅務サービスとして提供している。E社では,全ての駅の営業時間は同じ時間帯であり,駅務サービスでは,駅の営業時間帯をサービス提供時間としている。
情報システム部では,駅務機器のシステム保全・点検作業の計画を立て,全ての駅の駅務機器に対して定期的にシステム保全・点検作業を行うことで,故障前に対応を行う予防保全に取り組んでいる。システム保全・点検作業はF社に業務委託されており,駅務機器のシステム保全・点検作業の対象部品(以下,部材という)に対して,必要に応じ,図1に示す交換作業が行われる。

図の説明テキスト
システム保全・点検作業時に実施される交換作業について枠内で説明されている。
- 定期交換:故障が発生していなくても,一定期間 1)利用した部材を交換する作業
- 臨時交換:点検作業を実施する作業員が目視などで確認を行って交換が必要と判断した部材がある場合に,当該部材を交換する作業
枠外下部に注記がある。
注 1) 部材が,最も高い頻度で使用され続けたときに,故障が発生する確率が高まるまでの期間を,F 社が独自の統計的手法に基づいて算出し,部材ごとに耐用年数や耐用時間として定めたもの
システム保全・点検作業は,自動券売機と窓口端末については夜間の営業停止時間帯に行われているが,自動改札機は点検作業の回数と台数が多く,営業時間内に行われている。自動改札機のシステム保全・点検作業に伴う計画停止については,駅の利用者に事前案内され,利用者は他の自動改札機を使うか駅員による改札を受ける。
〔現状の課題と改善策の検討〕
情報システム部では,駅務機器の安定稼働を維持するために,F社に業務委託してシステム保全・点検作業で必要となった部材の交換を行っているが,一部の駅務機器では故障が発生しており,予防保全に取り組む情報システム部の課題となっていた。駅務サービスの可用性の一つの指標として駅務機器の稼働率を採用している。2023年度の状況を表1に示す。

図の説明テキスト
表1 2023 年度の駅務機器の故障と稼働率の状況
自動券売機の年間稼働率(%)の列に空欄 a がある。
注 1) 自動改札機は営業時間中に計画停止時間を設けているので,自動券売機と窓口端末に比べて稼働予定時間が少ない。
駅務機器の年間稼働率は,年度ごとに種類別に次の式で計算する。ここで,年間稼働率(%)は小数第3位を四捨五入するものとする。

図の説明テキスト
年間稼働率を求める数式。分子が「全台の年間稼働予定時間の合計 - 全台の年間故障修復時間の合計」、分母が「全台の年間稼働予定時間の合計」の分数となっている。
2024年度,情報システム部では,システム保全・点検作業コストの削減に取り組む方針が示された。そこで,ITサービスマネージャのG氏を中心に,現状の課題及びコスト削減の方針への対応を検討することにした。
まず,G氏は,課題となっている駅務機器の安定稼働の維持について,駅務機器の稼働率の数値を確認した上で,駅務機器の故障発生を減少させる必要があると考えた。
次に,G氏は,システム保全・点検作業コストの削減について考えた。現在の定期交換の対象部材には,実際にはまだ使えるものがあって,無駄が多い。そこで,データ分析を活用したCBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)システムを導入することでコストを削減できないかと考えた。G氏は,機器の動作状況を取得するIoTセンサーを設置し,収集したデータを分析して故障の可能性が高まった時点で,対象部材を交換することによって無駄なコストを抑えることができると考えた。また,CBMシステムを導入した場合,現在行っているシステム保全・点検作業と比べて,(ア)(ア)サービス提供者としてのサービス可用性管理の観点からもメリットを期待できる。G氏は,これらの仕組みをCBMシステムとして構築し,社内で活用する検討に着手した。
〔CBMシステムの構築準備〕
G氏は,CBMシステムの構築に当たって,まず,どのデータをどのように取得するかを検討するため,F社に相談した。その結果,駅務機器の中でも故障頻度が高く,全ての駅務機器に含まれている券片の搬送機構に着目し,券片が搬送機構を通過する速度(以下,搬送速度という)のデータを取得対象に決めた。また,搬送速度を取得するにはIoTセンサーの設置が必要となるが,F社からは,既存の駅務機器を大きく改造することなく設置が可能であり,少額の投資で搬送速度データを駅務システムに送信する仕組みを実現できるとの回答があった。
次に,G氏は,取得したデータから搬送速度の低下を検知するための(イ)(イ)しきい値を設け,継続的に監視する仕組みを構築した。搬送速度がしきい値を下回った場合には,アラームリストを出力し,その情報を,駅業務部及び当該の駅務機器が稼働する駅に対して速やかに通知されるようにした。
また,現行の駅務機器のシステム保全・点検作業について,今回は点検対象の一部にCBMシステムを導入することで,点検対象を削減し,点検作業時間も削減できると考えた。
G氏は,社内の変更管理規程に従って,CBMシステムを構築する変更要求を提出した。情報システム部長は,“CBMシステムは,(ウ)(ウ)点検対象の機器数の削減及び点検作業時間の削減以外のコスト削減効果も期待できる。また,今後対象機器を拡大し,点検作業の頻度を減らしたり,無くしたりできれば,将来的に大きなコスト削減にもつながる”と評価した。変更要求は承認され,CBMシステムの構築が開始された。
〔SNSデータの分析を活用した障害検知〕
CBMシステム構築中のある日,行楽イベントで混雑するある駅で,駅務機器が故障するインシデントが発生し,駅構内が混雑した。当該駅では,駅の利用客対応を優先し,駅業務部への障害連絡が遅れてしまった。インシデントの初動対応が遅れて解決までに時間を要し,駅務サービスの可用性が悪化した。
情報システム部では,インシデント対応中にインシデントの影響の大きさを把握するために,E社が提供する不特定多数の人が閲覧可能なSNSへの投稿内容から利用者の反響を調査した。SNSへの投稿は,“情報源が不特定多数であって現場からの情報より正確性は低いが,情報の早さは現場よりも早い場合がある”といった特性がある。調査を担当したG氏は,調査の過程で,E社が当該インシデントの対応を開始する前に,障害に関する幾つかの投稿があることに気付いた。当該インシデント対応が終了した後日,投稿を時系列に整理して1分ごとに集計したところ,投稿件数が図2のように推移していることが分かった。

図の説明テキスト
「図2 障害発生日と通常日の投稿件数の推移」を示す折れ線グラフ。縦軸は投稿件数(0から140まで20刻み)、横軸は時刻(20:00から20:25まで5分刻み)。凡例は実線が「障害発生日の投稿件数」、破線が「通常日の平均投稿件数」。通常日の平均投稿件数は20件弱で安定して推移している。一方、障害発生日の投稿件数は20:00直後から急増し20:05頃に約130件のピークを迎え、その後は上下しながらも通常日より高い水準を維持して推移している。
情報システム部では,障害当日20:10に駅業務部からの障害連絡を受け,20:15にインシデントの対応を開始していた。また,SNS上では障害に関する最初の投稿は20:00であった。この結果を見て,G氏は,SNSの特性に着目し,自社の駅務機器に関する障害発生を検知できないか検討することにした。
G氏は,SNSの情報を使って障害を検知する仕組みを,次のステップで考えた。
- SNS上における障害に関する投稿(以下,障害投稿という)を定義する。
- 障害が発生したと推定するための条件(以下,検知条件という)を定義する。
G氏は,1.の障害投稿の定義として,“「E社」「(E社の)駅」などのE社に関する情報”と“「通れない」「使えない」「障害」などのネガティブワード”の両方が含まれる投稿とした。また,2.の検知条件として,次のような条件を抽出した。
- 1分当たりの投稿件数が基準値以上であること
- 1分当たりの障害投稿件数が基準値以上であること
- 1分ごとに5分連続で障害投稿件数が増加傾向にあること
G氏は,三つの検知条件の全てを採用すると検知遅れや検知漏れが増え,エ一つだけに絞ると誤検知が増えると考えた。そこで,三つの検知条件のうちの二つを満たす場合に障害が発生していると判定することにした。
設問と解答・解説
設問1
〔現状の課題と改善策の検討〕について答えよ。
(1)
表1中のaに入れる適切な数値を答えよ。答えは小数第3位を四捨五入して,小数第2位まで求めよ。
模範解答
99.50
配点 8点
解説
本問は、IoTを活用した駅務サービスを題材に、サービスの可用性管理における稼働率を算出する問題です。
稼働率の計算
稼働率の計算は、与えられた計画停止時間や故障対応時間(MTTR)、平均故障間隔(MTBF)などの数値を用いて計算します。稼働率の計算式は一般に以下のようになります。題意に沿った数値を代入し、適切に計算を行うことで
99.50という値が導出されます。
高得点のポイント
- 問題文の指示通り、「小数第3位を四捨五入して、小数第2位まで」求める必要があります。指定されたフォーマットに従っていない場合、不正解または減点の対象となるため注意しましょう。
(2)
本文中の下線(ア)について,期待できるメリットを,25字以内で答えよ。
模範解答
計画停止時間を削減することができる。
採点基準(配点 8点)
知識・理解度(内容)(4点)
- 4点: 計画停止時間の削減について明確に言及している。
- 3点: 計画停止時間には触れているが、文脈が少しずれている。
- 2点: 可用性の向上には言及しているが、計画停止時間というキーワードが欠けている。
- 1点: 関連するキーワードはあるが、内容が不十分である。
- 0点: 故障の減少など、可用性管理以外の観点で記述されている、または無解答。
論理性(構造)(4点)
- 4点: メリットとして論理的に正しい文脈で簡潔に記述されている。
- 3点: ほぼ論理的だが、わずかな表現の不自然さがある。
- 2点: 意味は通じるが、表現にやや不自然さがある。
- 1点: 意味が読み取りづらく、文法の誤りが多い。
- 0点: 論理が破綻している、または無解答。
解説
IoTを活用した状態基準保全(CBM)を導入することによって得られる、サービス可用性管理の観点からのメリットを問う問題です。
- サービス可用性の向上
従来の定期点検では、故障していなくても機器を停止して部品交換を行うため、計画停止時間が発生します。CBMを導入することで状態に応じたメンテナンスが可能となり、この無駄な計画停止時間を削減することができます。 - 出題の講評にもある通り、故障の観点(故障を未然に防ぐ等)から解答すると誤りとなります。あくまでサービスの可用性管理のメリットとして答える必要があります。
高得点のポイント
- 計画停止時間の削減について明確に言及できていること。
- 「〜を削減することができる」など、メリットとして論理的で簡潔な文章でまとめていること。
- 指定された文字数制限を遵守していること。
設問1(2)は,正答率は平均的であった。サービス可用性管理の観点からのメリットを問う設問に対し,故障の観点から解答する受験者が多かった。
設問2
〔CBMシステムの構築準備〕について答えよ。
(1)
本文中の下線(イ)について,従来の点検作業と比べて,CBMシステムのしきい値を使った運用のメリットとは何か。駅務機器の故障の観点から,40字以内で答えよ。
模範解答
作業員が目視で判断していた故障の前兆を,データに基づいて判断できる。
採点基準(配点 8点)
知識・理解度(内容)(4点)
- 4点: 従来の「作業員の目視」への依存から「データに基づく客観的な判断」に移行するメリットを適切に記述している。
- 3点: データの活用と従来作業の対比はあるが、表現がやや曖昧である。
- 2点: データの活用には触れているが、従来作業(目視など)との対比が不十分である。
- 1点: キーワードは一部含まれるが、文意が設問の意図から外れている。
- 0点: 「正確に故障を検知できる」等の誤った解釈をしている、または無解答。
論理性(構造)(4点)
- 4点: 駅務機器の故障の観点から、比較構造を用いて論理的に記述されている。
- 3点: 比較構造は用いているが、文のつながりがわずかに不自然である。
- 2点: 意図は伝わるが、論理展開がやや不十分である。
- 1点: 読解が難しく、文の構成に問題がある。
- 0点: 論理的でない、または無解答。
解説
従来の定期点検作業(熟練作業員による目視等の判断)から、CBM(状態基準保全)システムのしきい値を使った運用へと移行する際の、駅務機器の故障観点でのメリットを問う問題です。
- 客観性と判断のデータ化
従来は熟練者のノウハウや目視に依存していたため、担当者によって判断のばらつきが生じる問題がありました。これをIoTデバイスから得られるデータとしきい値で判定することで、データに基づく客観的な判断が可能となります。 - 「正確に故障を検知できる」や「検知率の向上」といった解答は、従来の目視点検の本質的な課題(属人化・主観性)を捉えきれていないため誤答となります。
高得点のポイント
- 従来作業の課題であった作業員の目視による判断への依存に触れていること。
- CBM導入によるデータに基づく客観的な判断への移行を対比して記述していること。
- 指定された文字数制限を遵守していること。
(2)
本文中の下線(ウ)について,情報システム部長がCBMシステムにコスト削減効果を期待できると考えた理由を,45字以内で答えよ。
模範解答
定期交換と比べて部材を長期間利用するので,部材の交換頻度を減らすことができるから
採点基準(配点 8点)
知識・理解度(内容)(4点)
- 4点: 定期交換と比べた「長期間の利用」と「交換頻度の減少」の両方に言及している。
- 3点: 両方の要素を含んでいるが、説明がやや不明瞭である。
- 2点: 交換頻度の減少に触れているが、定期交換との対比や長期間利用の観点が欠けている。
- 1点: 長期間利用にのみ触れており、交換頻度等の結果への言及がない。
- 0点: 内容が不適切、または無解答。
論理性(構造)(4点)
- 4点: コスト削減効果の理由として、「〜だから」と論理的につながる形で記述されている。
- 3点: 理由の記述として成立しているが、一部冗長な表現がある。
- 2点: 理由は示されているが、因果関係の説明がやや不自然である。
- 1点: 因果関係が不明確で、理由の体をなしていない。
- 0点: 論理が破綻している、または無解答。
解説
CBM(状態基準保全)システムを導入することで、情報システム部長がなぜコスト削減効果を期待できると考えたのか、その理由を問う問題です。
- TBMとCBMの違い
従来のTBM(時間基準保全)では、実際の摩耗状態に関わらず定期的に部品を交換するため、まだ使える部品を破棄してしまう無駄がありました。 - コスト削減のメカニズム
CBMを導入することで、部品の実際の劣化状態に応じて交換を行うため、部材を長期間利用できるようになります。結果として部材の交換頻度が減少し、部品代や交換作業にかかるコストが削減されます。
高得点のポイント
- 定期交換との比較として、部材を長期間利用できるようになる点に言及していること。
- その結果として部材の交換頻度を減らすことができるという因果関係を論理的に記述していること。
- 理由を問われているため、文末を「〜から」等の形で自然に結んでいること。
- 指定された文字数制限を遵守していること。
設問2(1)は,正答率が低かった。CBMシステムの導入によって,作業員よりも正確に故障を検知できる,検知率を向上できるなどの誤答が多かった。従来の点検作業が熟練作業員のノウハウに依存しているという問題点を的確に捉え,誰もが同じように判断できる客観性を担保できる旨の内容を解答してほしい。
設問3
〔SNSデータの分析を活用した障害検知〕について答えよ。
(1)
G氏の検討に従ってSNSへの投稿を活用した場合,今回のようなインシデントが発生したとき,どのような改善が期待できるか。20字以内で答えよ。
模範解答
インシデントの初動対応の早期化
採点基準(配点 9点)
知識・理解度(内容)(5点)
- 5点: インシデントの初動対応の早期化について過不足なく記述されている。
- 4点: 初動対応の早期化に触れているが、表現がやや遠回しである。
- 3点: 対応の早期化には触れているが、インシデントなどの核心的なキーワードが欠けている。
- 1点: インシデント対応には触れているが、改善点が不明確である。
- 0点: 一般的なSNSの利点が書かれているなど、文脈から外れている、または無解答。
論理性(構造)(4点)
- 4点: 期待できる改善内容として、簡潔かつ明確な表現で記述されている。
- 3点: ほぼ論理的だが、わずかな表現の不自然さがある。
- 2点: 意味は通じるが、改善の内容として文末の結び方が不自然である。
- 1点: 意味が読み取りづらく、文法の誤りが多い。
- 0点: 全く論理的でない、または無解答。
解説
SNSデータを活用した障害検知を行うことで、インシデント発生時にどのような改善が期待できるかを問う問題です。
- SNSデータの速報性
SNSには、ユーザーが遭遇した障害やトラブルがリアルタイムで投稿される特性があります。この情報を検知システムに取り込むことで、システム内部のエラー検知よりも早く現場の異常を察知できる可能性があります。 - インシデント対応への寄与
障害をいち早く検知できれば、その分インシデントの初動対応を早期に開始することができ、結果としてサービス停止時間(MTTR)の短縮につながります。
高得点のポイント
- 一般的なSNSの利点ではなく、システムの障害管理の文脈におけるインシデントの初動対応に焦点を当てていること。
- それらが早期化されるという改善効果を端的に表現していること。
- 指定された文字数制限を遵守していること。
(2)
G氏が,検知条件について本文中の下線(エ)のように考えたのは,どのような理由からか。SNSへの投稿の特性を表した本文中の字句を使って,25字以内で答えよ。
模範解答
情報の正確性が,現場からの情報より低いから
採点基準(配点 9点)
知識・理解度(内容)(5点)
- 5点: 本文中の字句を使用し、SNS情報の正確性が現場情報より低いことを明確に指摘している。
- 4点: 正確性の低さには触れており現場との比較もあるが、本文の字句の利用が不完全である。
- 3点: 正確性の低さには触れているが、現場情報との比較が不十分である。
- 2点: 現場からの情報との対比はあるが、正確性という観点が欠けている。
- 0点: 一般的なSNSの課題(デマなど)を記述している、または無解答。
論理性(構造)(4点)
- 4点: 考えた理由として、「〜から」の形で論理的に記述されている。
- 3点: 理由としての記述は成立しているが、比較の表現がやや曖昧である。
- 2点: 意図は通じるが、理由としての文構成がやや不自然である。
- 1点: 読解が難しく、文の構成に問題がある。
- 0点: 論理が破綻している、または無解答。
解説
SNSを活用した障害検知において、検知条件に関する特定の考え方が生じた理由を、SNSへの投稿の特性を踏まえて解答する問題です。
- SNS情報の特性と限界
SNSの投稿は速報性に優れる反面、一般ユーザーの主観や誤解に基づく情報、さらにはノイズが含まれるため、情報の正確性が現場(駅務機器のアラートや駅員)からの情報に比べて低いという特性があります。 - 出題の講評にある通り、自身の知識に基づく一般的なSNSの課題(デマの拡散など)を書くのではなく、あくまで「本文中の字句(情報の正確性など)」を用いて文脈に沿って解答する必要があります。
高得点のポイント
- 本文中の字句である情報の正確性を用いていること。
- それが現場からの情報より低いという特性を明確に比較して記述していること。
- 理由を問う設問として、「〜から」と論理的に結んでいること。
- 指定された文字数制限を遵守していること。
設問3(2)は,正答率は平均的であった。SNSへの投稿の特性を表した解答を求めているにもかかわらず,自らがもつ知識や一般的なSNSの課題などから解答する受験者が散見された。設問の内容に沿った解答をするよう留意してもらいたい。