令和2年度 宅地建物取引士資格試験(12月実施) 問6

権利関係賃貸借(民法)

この問題は2020(R2)12月に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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AはBにA所有の甲建物を令和2年7月1日に賃貸し、BはAの承諾を得てCに適法に甲建物を転貸し、Cが甲建物に居住している場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

解答・解説を読む

正解: 選択肢1

正解の根拠

賃貸人A賃借人Bが賃貸借契約を合意解除した場合、原則として賃貸人は転借人Cにその合意解除をもって対抗することができません。
しかし、判例によれば、賃貸人が賃借人の債務不履行による解除権を有していた場合には、賃貸借契約が合意解除されたとしても、例外的に賃貸人はその解除をもって転借人に対抗することができます(最判平9.2.25)。
本肢では、「解除の当時Bの債務不履行による解除権を有していたとしても、合意解除したことをもってCに対抗することはできない」としているため、誤りとなります。

各選択肢の解説

  • 選択肢1(正解)
    上記の通り、債務不履行による解除権を有している状態での合意解除については、例外的に転借人Cに対抗できるため誤った記述です。
  • 選択肢2
    賃貸借契約の終了に伴う損害賠償請求権(用法義務違反等による損害賠償)は、賃貸人が建物の返還を受けた時から1年以内に行使しなければなりません(民法600条1項、621条)。転借人Cの用法違反による損害についても同様です。したがって、正しい記述です。
  • 選択肢3
    賃貸不動産が譲渡され、その不動産の賃借権が引渡しなどの対抗要件を備えている場合、原則として賃貸人の地位は譲受人に移転します(民法605条の2第1項)。本肢では、適法に転貸されCが居住しているため、特段の合意がない限り賃貸人たる地位は譲受人Dに移転します。したがって、正しい記述です。
  • 選択肢4
    適法な転貸借において、転借人は賃貸人に対して直接に義務を負います(民法613条1項前段)。その義務は賃借人Bの債務の範囲を限度とします。また、転借人Cは賃借人Bに対して賃料を前払いしたとしても、それをもって賃貸人Aに対抗することはできません(民法613条1項後段)。したがって、正しい記述です。