令和4年度 春期 ITストラテジスト試験 午前II 問5
マネジメント調達・契約
ベンダX社に対して,表に示すように要件定義フェーズから運用テストフェーズまでを委託したい。X社との契約に当たって,“情報システム・モデル取引・契約書<第二版>”に照らし,各フェーズの契約形態を整理した。a~dの契約形態のうち,準委任型が適切であるとされるものはどれか。

図の説明テキスト
| 要件定義 | システム外部設計 | システム内部設計 | ソフトウェア設計, プログラミング, ソフトウェアテスト | システム結合 | システムテスト | 運用テスト |
|---|---|---|---|---|---|---|
| a | 準委任型又は請負型 | b | 請負型 | c | 準委任型又は請負型 | d |
解答・解説
正解: イ. a, d
正解の理由
経済産業省が策定した「情報システム・モデル取引・契約書<第二版>」では、システム開発プロセスの各フェーズにおいて、業務の性質や成果物の明確さに応じて適切な契約形態を提示しています。
a (要件定義)
要件定義は、ユーザ企業が主体となってどのようなシステムを作るかを決定するフェーズです。この段階ではシステムの仕様が未確定であり、完成すべき成果物を事前に明確に定義することが困難です。そのため、ベンダは専門的知見からユーザを支援する立場となるため、準委任型の契約が適切とされています。b (システム内部設計) および c (システム結合)
要件定義やシステム外部設計を経てシステムの仕様が確定した後のフェーズ(システム内部設計、ソフトウェア設計・プログラミング、システム結合など)では、作成すべき成果物(プログラムや詳細な設計書)が明確になります。したがって、仕事の完成(システムの構築)を目的とする請負型の契約が適切とされています。d (運用テスト)
運用テストは、開発が完了したシステムに対して、ユーザ企業が主体となって実際の業務要件を満たしているかを確認するフェーズです。ベンダはテスト環境の提供や不具合発生時の調査、ユーザからの問い合わせ対応など、ユーザのテスト実施を支援する役割を担います。そのため、準委任型の契約が適切とされています。
以上より、表中の「a」と「d」において準委任型が適切とされるため、正解はイです。
各選択肢の解説
- ア (a, b): b(システム内部設計)は、仕様に基づきプログラムを作成するための詳細な設計を行う工程であり、成果物の完成を約束する請負型が適切であるため誤りです。
- イ (a, d): 正解です。要件定義(a)と運用テスト(d)は、ともにユーザが主体となる工程であり、ベンダはそれを支援する役割を担うため準委任型が適切です。
- ウ (b, c): b(システム内部設計)および c(システム結合)は、いずれも仕様が確定した後の開発工程であり、成果物の完成を約束する請負型が適切であるため誤りです。
- エ (b, d): b(システム内部設計)は請負型が適切であるため誤りです。