令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午後II 問3 社会環境の急変に勝ち抜く組込み・IoT製品の製品戦略(論文)
この問題は2023(R5)春 ITストラテジスト 午後IIに出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
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学習ガイド
社会環境の急変に対応する革新的な組込み・IoT製品の戦略を論じる午後II問題です。四つのアプローチ型から採用した型と理由を示し、動向調査、技術情報の収集、提案、製品化の課題を具体化します。取組の評価まで設問間で対応させる論文構成を解説します。設問アからウまで同じ事例と因果関係を保ち、一般論に流れず、実施内容と評価を具体的に書き切るための構成を示します。
この記事で押さえる論点
- 組込みシステム・IoT製品の概要と企画の経緯を、用途・ターゲット市場・社会環境の急変と結び付けて明確に述べる
- 技術主導型・ニーズ主導型・類似品型・商品コンセプト型のうち選んだアプローチと、その理由を論述する
- 行動が制限された環境下での市場・競合他社の動向調査と最新技術情報の収集、ステークホルダへの提案、製品化の課題と解決策を設問イで一貫させる
- 調査結果の寄与、提案の評価、解決策の妥当性を設問ウで評価として書き切る
出題情報
- 出題
- 2023(R5)春 ITストラテジスト 午後II 問3
- 配点
- 100点満点
- 模範解答
- 未公表(採点基準と解説から解答の方向性を読み取る)
出題趣旨・採点講評(IPA 公表)
近年の社会環境の急変といった環境下で競合他社に勝ち抜くために,組込みシステムのITストラテジストには,変動する市場のニーズに適合し,さらに社会への新たな価値を提供する革新的な製品を投入する製品戦略を立案する能力が求められている。本問は,急変する市場に対応する製品戦略を題材として,市場調査・情報収集,製品化の立案と課題解決内容,プレゼンテーションの内容についてプロダクトイノベーションの手法の視点で具体的に論述することを求めている。論述を通じて,組込みシステムのITストラテジストに必要な分析力,提案力,マネジメント力などを評価する。
問3では,多くの論述は具体性があり,革新的な製品企画を立案するに当たって,プロダクトイノベーションによるアプローチを行った経験のある受験者には,論述しやすかったと思われる。一方で,対象とする製品の概要が不明瞭な論述,提案に対しての評価が述べられていない論述も散見された。組込みシステムのITストラテジストは,製品企画を立案する際には,アプローチによる市場・競合他社の動向調査結果,収集した最新の技術情報を基にした製品戦略を実践する能力を養ってほしい。
問題本文
組込みシステム・IoT製品の社会環境の急変に勝ち抜くための革新的な製品戦略について
近年,新型コロナウイルス感染症拡大による新しい生活様式,行動変容,さらには少子化による労働力低下の問題など,社会環境が急変している。そのような環境下で競合他社との競争に勝ち抜くためには,変動する市場のニーズに適合し,加えて社会に新たな価値を提供する革新的な製品を投入する製品戦略が重要である。
革新的な組込みシステム・IoT製品の例として,コンビニエンスストアの冷蔵室内の過酷な作業をロボットとAIによって無人化する“飲料自動補充システム”,海上の生け簀に代わり,IoTを活用し,陸上で省力化した“海老養殖システム”などがある。
革新的な製品戦略には,プロダクトイノベーションの考え方があり,そのアプローチには“技術主導型”,“ニーズ主導型”,“類似品型”,“商品コンセプト型”がある。これらのアプローチによって製品を企画する際には,テレワークなど,行動が制限された環境でも,市場・競合他社の動向調査,最新の技術情報の収集は必要である。さらに,製品企画に対してステークホルダから承諾を得るために,プレゼンテーションなどによる提案も重要である。
組込みシステムのITストラテジストは,製品企画を立案するに当たり,市場・競合他社の動向調査結果及び収集した最新の技術情報などを基に,市場のニーズに適合する製品であるかを吟味する必要がある。また,製品化の過程においても早期の製品化などに鑑みて課題を抽出し,解決策を策定しておくことも重要である。
あなたの経験と考えに基づいて,設問ア~設問ウに従って論述せよ。
設問と解答・解説
設問ア
あなたが携わった組込みシステム・IoT製品の概要と企画の経緯,プロダクトイノベーションでのアプローチした型とその理由について,800字以内で述べよ。
模範解答
模範解答は公表されていません。下の採点基準と解説から、解答に求められる要素を読み取ってください。
採点基準(配点 34点)
知識・理解度(内容)(18点)
- 18点: 製品概要、企画経緯、イノベーション型とその理由が、プロダクトイノベーションの手法に基づき非常に具体的に明確に記述されている。
- 13点: 製品概要、企画経緯、イノベーション型とその理由が概ね具体的に記述されている。
- 9点: 記述内容の一部に具体性を欠く部分があるか、イノベーション手法との関連がやや弱い。
- 4点: 記述が抽象的であり、製品概要やイノベーションの型が不明瞭である。
- 0点: 題意に沿った記述がない。
論理性(構造)(16点)
- 16点: 背景(経緯)からアプローチ型の選択理由に至る論理構成が一貫しており、極めて説得力がある。
- 12点: 論理構成が概ね一貫している。
- 8点: 理由付けなどで一部論理の飛躍が見られる。
- 4点: 全体的に論理展開に一貫性が乏しい。
- 0点: 論理破綻しているか、必要な要素が欠落している。
解説
高得点のポイント
- 携わった組込みシステム・IoT製品の概要を、用途や対象市場を含めて具体的に示すこと。
- 社会環境の変化や市場ニーズを踏まえ、企画に至った経緯を説明すること。
- 採用したアプローチを、本文に示された 技術主導型・ニーズ主導型・類似品型・商品コンセプト型 のいずれかで明示し、その型を選んだ理由を企画の経緯と結び付けて説明すること。
設問イ
設問アで述べたアプローチした型において,どのように市場・競合他社の動向調査,最新の技術情報の収集を実施して検討したか,ステークホルダへは,どのように提案し,承諾されたか,製品化の過程でどのような課題を抽出し,その解決策を策定したか,800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。
模範解答
模範解答は公表されていません。下の採点基準と解説から、解答に求められる要素を読み取ってください。
採点基準(配点 33点)
知識・理解度(内容)(17点)
- 17点: 調査・情報収集の手法、ステークホルダへの提案、課題と解決策が、ITストラテジストの視点から非常に具体的に記述されている。
- 13点: 調査から課題解決までの内容が概ね具体的に記述されている。
- 8点: 記述内容の一部に具体性を欠く部分がある。
- 4点: 記述が抽象的であるか、複数の要求事項(提案プロセスや課題抽出など)の記述が不十分である。
- 0点: 題意に沿った記述がない。
説得力(考察)(16点)
- 16点: 情報収集から提案、課題抽出から解決に至るマネジメントや分析の過程が、極めて実践的かつ説得力を持って考察されている。
- 12点: 実践的かつ説得力のある考察が概ねできている。
- 8点: 課題解決等の考察がやや表層的である。
- 4点: 分析力やマネジメント力に関する考察の説得力に乏しい。
- 0点: 考察が含まれていない。
解説
高得点のポイント
- 設問アで選択したアプローチの型に基づき、市場・競合他社の動向調査および最新技術情報の収集がどのように実施・検討されたかが具体的に記述されていること。
- ステークホルダへの提案内容とそのプロセスが明確であり、承諾を得るまでの交渉や調整が論理的に述べられていること。
- 製品化において直面した課題がITストラテジストの視点から適切に抽出され、その解決策が実現可能かつ効果的であることが示されていること。
設問ウ
設問イで述べた調査結果,収集した情報は,どのように寄与したか,また,ステークホルダへの提案の評価,製品化の過程で抽出した課題の解決策に対する妥当性の評価について,600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。
模範解答
模範解答は公表されていません。下の採点基準と解説から、解答に求められる要素を読み取ってください。
採点基準(配点 33点)
説得力(考察)(17点)
- 17点: 情報の寄与、提案の評価、解決策の妥当性の評価が、客観的事実に基づいて深く洞察され、極めて説得力を持って記述されている。
- 13点: 概ね説得力のある評価や考察が記述されている。
- 8点: 評価の記述がやや浅い、または主観的な内容に留まっている。
- 4点: 提案や解決策に対する評価の記述が不十分、あるいは不明瞭である。
- 0点: 評価に関する記述が全くない。
論理性(構造)(16点)
- 16点: 設問ア・イの内容との整合性が完全にとれており、製品戦略の総括としての論理展開が明快である。
- 12点: 前半の設問内容との整合性や論理展開が概ねとれている。
- 8点: 前半の設問内容との整合性が一部とれていないか、論理展開に飛躍がある。
- 4点: 整合性や論理展開に大きな破綻が見られる。
- 0点: 論理構成が全くない。
解説
高得点のポイント
- 設問イで述べた調査結果や収集情報が、製品企画や戦略の成功にどのように寄与したかが論理的に説明されていること。
- ステークホルダに対する提案の評価が、客観的な基準やフィードバックを交えて具体的に述べられていること。
- 製品化の過程で抽出した課題に対する解決策の妥当性について、結果や今後の教訓を含めた深い洞察に基づき評価されていること。