IPA スコープ・WBS — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

プロジェクトで作るものと、そのためにする作業の境目を文書と分解図に書き出し、計画の後も実績や変更と照らし合わせ続ける分野です。同じ変更の場面でも、作業の範囲そのものを動かす活動と、期限や予算の側で吸収する活動とでは、属するマネジメントが別です。

2. 実際の出題のされ方

WBSの目的や適切な記述を選ぶ問題、提示された項目や事例からスコープおよびその管理活動に該当するものを選ぶ問題が出ています。成果物として定義した画面・帳票と実際に作った数の差を確かめる活動がどのマネジメントに当たるか、WBSに添える補助文書の目的、新機能の追加が認可された後の活動を問う問題は、ITパスポートにあります。

PMBOKガイド第7版の用語で、WBSの最下位の作業の呼び名や、プロジェクト・スコープ記述書に書く項目を選ぶ問題が応用情報技術者の午前に出ています。同じ区分には、スコープの管理に当たる活動を事例から選ぶ問題と、対象群“スコープ”に入るプロセスを選ぶ問題もあります。

JIS Q 21500:2018のプロセスを問う形は、プロジェクトマネージャの午前IIにあり、計画のプロセス群に属するものと、管理のプロセス群でWBSを主要なインプットとするものを選ばせます。同じ区分にはスコープクリープの原因になり得る事例を選ぶ問題もあり、ITサービスマネージャの午前IIには、プロジェクトスコープのクリープの説明を選ぶ問題と、要求事項の収集でアイデアに点数を投票して絞る技法を選ぶ問題が出ています。

3. 学習のポイント

スコープの境目を書き留めるのは、作るものと作らないものを並べた文書です。プロジェクト・スコープ記述書に対応しない範囲まで書いておくと、後から出た要望が範囲の内か外かを、その記述に照らして判断できます。

範囲の変更が承認されると、最初に書き換わるのは作業の分解であるWBSで、ほかのマネジメントはその新しい分解を受け取って見積りや計画を直します。

スコープクリープは、範囲を広げる変更が見積りの見直しと承認を経ないまま積み重なることで起きます。

4. 間違えやすいところ

WBSの説明を選ぶ問題では、主要な成果物の予定開始日と予定終了日を書いたものとする誤答肢がありました。日付を並べて期間を示すのは、ガントチャートなどのスケジュール表の役目です。

WBSを作る目的を選ぶ問題では、作業の順序関係を明らかにして重点的に見る経路をつかむとする誤答肢がありました。作業のつながりと最長の経路を読み取るのは、アローダイアグラムで描く日程計画の側の仕事です。

WBSの作り方に関する問題では、「全てのプロジェクトにおいて,WBSは成果物と作業内容を同じ階層まで詳細化する」とする誤答肢がありました。詳細化の深さは作業の複雑さや管理のしやすさに応じて調整されるものであり、すべての枝を同じ階層にそろえる必要はありません。

スコープの対象を選ぶ問題では、プロジェクトの要求事項を顧客が記載した文書をスコープの対象に含める誤った記述がありました。顧客が要求事項を記した文書はスコープを定義するための前提となるインプット情報であり、プロジェクト活動によって生み出される成果物や作業そのものではありません。

スコープのマネジメントの失敗事例を選ぶ問題では、作業に要る期間を短く見込みすぎて予定どおりに終わらなかった事例が、記述の一つにありました。期間の見込み違いは、日程を立てる側の失敗です。

JIS Q 21500:2018の管理プロセス群のうちWBSを主要なインプットとするものを選ぶ問題では、「変更の管理」とする誤答肢がありました。変更の管理が主に受け取るのは、変更要求とプロジェクト計画です。

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