IPA プロジェクト計画 — 頻出論点と過去問

この分野の学び方

1. この分野の全体像

プロジェクト計画は、期限のある取り組みを正式に立ち上げ、作業の範囲と体制、工数と費用の見積りを決めて、実行と管理の基準を作る段階です。プロジェクトの認可や全体の枠組みを固めた上で、作るべき成果物と作業を分解し、さらに個々の作業に対する工数やコストを算出して計画のベースラインへとつなげます。

WBSの役割や生産性からの工数の計算を確かめるITパスポートの問いに比べ、応用情報技術者の午前とプロジェクトマネージャの午前IIの問いは、JIS Q 21500やPMBOKガイドに基づくプロセスの目的、責任分担の表の読み取り、要員の追加を伴う人件費と期間の算出まで具体的になります。計画の段階で決めた範囲と費用は基準として固定され、実行中の変更は承認の手続を経てから計画に戻されます。

2. 配下の論点の案内

  • 統合・立ち上げ・体制: プロジェクトを認可する文書や全体計画の枠組み、推進体制と役割分担を扱います。すべての管理活動の出発点となる論点であり、応用情報技術者の午前やプロジェクトマネージャの午前IIでは、JIS Q 21500のプロセス群の関係やガバナンスの責任主体、RACIチャートの役割の組合せと表の見直しを選ばせる問題が出ています。

  • スコープ・WBS: 作成する成果物と実施すべき作業の境界を定義し、管理可能な単位へ段階的に分解して維持する活動を扱います。後続の工数見積りや日程作成の根拠となる論点であり、ITパスポートではWBSやスコープマネジメントの活動・失敗事例の判定、ITサービスマネージャの午前IIではスコープクリープの説明や、要求事項を集める技法の名前を選ぶ問題が出題されています。

3. 学習の順序の提案

「統合・立ち上げ・体制」で扱う認可の文書と計画書は、「スコープ・WBS」で作業を洗い出す範囲の外枠を与え、範囲の変更を誰が認めるかもここで定まります。WBSで作業が分かれてはじめて、作業ごとの工数を積み上げる見積りや、工程ごとの生産性と要員の割当てから工数・人件費を求める計算の前提がそろいます。

受ける区分 先に学ぶ論点 次に学ぶ論点・内容
ITパスポート スコープ・WBS / 統合・立ち上げ・体制 概算見積りの考え方、工程別の生産性から開発全体の工数を求める計算
応用情報技術者 / 高度試験の午前I 統合・立ち上げ・体制 / スコープ・WBS メンバの増員に伴う引継ぎ期間の人件費や、上級技術者の追加による期間短縮の計算
プロジェクトマネージャ / ITサービスマネージャ(午前II) 統合・立ち上げ・体制(プロジェクトマネージャ) / スコープ・WBS(プロジェクトマネージャ・ITサービスマネージャ) 開発規模と生産性の関係式や、要員投入計画に基づく機材レンタル費用の算出、ボトムアップ見積り

午後の事例問題では、応用情報技術者とプロジェクトマネージャで、新規事業やSaaS・生成AIの導入、法改正への対応を題材に、組織の標準の進め方をプロジェクトに合わせて修整する計画、不確かさを見込んだコストの見積り、部門をまたぐステークホルダーとの役割分担の合意が問われ、多段階契約で工程ごとに見積る大問もありました。

4. 分野をまたいで間違えやすいところ

「スコープ・WBS」で扱う作業範囲の書き直しと、リスクマネジメントの分野で扱う変更要求の審議は、前者が変更を認めた後の作業で、後者が認めるかどうかを決める手続という前後の関係にあります。変更管理委員会で認可された後の活動を選ぶ問題で誤答肢になっていた、書き直した作業の一覧から日程を組んで完了時期を示す作業は、範囲が確定した後に進捗管理の側で行うものです。

体制や役割の定義と、チームの育成・動機付けは、ステークホルダー・要員分野との境界になります。JIS Q 21500におけるプロジェクト組織の定義やRACIチャートによる責任の割当ては、プロジェクト計画の枠組みとして統合・立ち上げ・体制で扱います。これに対し、実行段階でメンバーのスキルを高める研修や、自律的なチームへ移行するためのリーダーシップの発揮は、要員やチームのマネジメントの領域です。

類似プロジェクトを参考に概算を出す方法を選ぶ問題は、この分野と開発プロセスの分野の両方に入っています。見積り技法の手順は開発プロセスの分野でも学びますが、この分野で確かめるのは、計画の中でいつどの方法を使い、出した工数を要員の割当てや人件費にどう結び付けるかです。

プロジェクト計画の論点別の過去問

統合・立ち上げ・体制25問 スコープ・WBS23問

プロジェクト計画の理解度チェック

プロジェクト計画の過去問一覧

この分野の午後問題(記述式・読み物)

プロジェクト計画の用語

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