令和6年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午後 I 問題 問3 マネジメント標準のテーラリング
マネジメントプロジェクト計画リスクマネジメントステークホルダー・要員
この問題は2024(R6)秋 プロジェクトマネージャ 午後Iに出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
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学習ガイド
ネット専業銀行の立上げプロジェクトを舞台に、組織のマネジメント標準を個々のプロジェクトに合わせて修整(テーラリング)する判断を問う問題です。サービス開始日が動かせない制約の下で要求事項を最大限取り込む変更管理プロセスの再設計と、若手リーダー育成を組み込んだチームマネジメントの修整という2本柱で構成されます。この記事では、標準のままでは何が不足するのかを起点に各修整の意図を解説します。
この記事で押さえる論点
- 標準の変更管理プロセスを目的に合わせて修整する考え方を理解する
- サービス開始日厳守という制約下での要求事項取込みの設計を説明する
- 若手リーダー育成のためのチームマネジメント修整と支援型リーダーシップの役割を述べる
出題情報
- 出題
- 2024(R6)秋 プロジェクトマネージャ 午後I 問3
- 配点
- 50点満点
- 模範解答
- 公表(設問ごとに掲載)
出題趣旨・採点講評(IPA 公表)
システム開発プロジェクトにおいて,プロジェクトマネージャ(PM)は,プロジェクトマネジメントの対象に関するマネジメント方法を定義してプロジェクト計画書を作成する。その際,組織で定められたマネジメント標準や過去のプロジェクトの教訓を参照することは効率的であるが,個々のプロジェクトの独自性を考慮して修整(テーラリング)することも求められる。本問では,サービス開始日厳守のネット専業銀行の立ち上げに伴うシステム構築プロジェクトを題材として,要求事項のスコープへの取込みに最大限柔軟に対応することを目的とする変更管理プロセスの修整,及び若手リーダーの育成を目的とするチームのマネジメント計画の修整について,PMとしての実践的な能力を問う。
問3では,サービス開始日厳守のネット専業銀行の立ち上げに伴うシステム構築プロジェクトを題材に,変更管理プロセスの修整やチームのマネジメント計画の修整について出題した。全体として正答率は平均的であった。
問題本文
問3 プロジェクト計画の修整(テーラリング)に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。
A銀行は,中堅の地方銀行である。近年,地盤である地域の人口減少や高齢化で,収益は年々減少傾向にある。この状況に危機感をもったA銀行は,グループ会社として新たなネット専業銀行(以下,H銀行という)を設立して,全ての取引をスマートフォン向けアプリケーションソフトウェア(以下,スマホアプリという)で完結させるサービスを1年後に提供することを決定した。高金利の新商品や,ポイント還元などの付加サービスを打ち出し,日本全国の顧客をターゲットに事業を展開することにした。システム開発を含む銀行業務の立ち上げに必要なメンバーが,若手の行員を中心にA銀行からH銀行に出向した。
H銀行は,1年という短期間で銀行業務を開始することが必達目標なので,勘定系システムは,ITベンダーY社が提供するサービス(以下,Yサービスという)を利用する。Yサービスは複数の銀行が共同で利用しており,A銀行でも利用している。また,新商品や付加サービスを提供するフロントシステム及びスマホアプリ(以下,新システムという)は,H銀行システム部がY社の支援を受けて開発し,YサービスのAPIで連携する。新システムの開発プロジェクト(以下,Hプロジェクトという)が立ち上げられ,H銀行システム部のI課長がプロジェクトマネージャ(PM)に任命された。Yサービスの利用範囲は確定し,サービス導入はY社が担当することで合意した。一方,新システムへの要求事項は,H銀行企画部が各業務部門と共同で市場ニーズを調査しながら順次確定する。どの要求事項を,必達目標である1年後に実現するか,つまり,Hプロジェクトのスコープとなる要求事項(以下,開発項目という)は,H銀行として順次判断しながら確定させることになった。
〔プロジェクト計画の検討〕
I課長は,開発項目を順次判断しながらHプロジェクトを進めるには適応型開発アプローチが適合と考えたが,A銀行グループではノウハウが不足しており,適応型開発アプローチを適用するプロジェクト(以下,適応型プロジェクトという)のマネジメント標準が定まっていない。A銀行では,開発項目の変動が少ない予測型開発アプローチを適用したプロジェクトのマネジメント標準(以下,A銀行マネジメント標準という)が規定されていて,原則としてA銀行マネジメント標準にのっとってプロジェクトを進めていくことが求められている。そこでI課長は,期限厳守のHプロジェクトでは,メンバーが習熟しているA銀行マネジメント標準を基に,適応型開発アプローチの要素を加味して修正を行い,Hプロジェクトに適用することにした。
H銀行システム部は,部長,I課長と一部のベテラン行員を除くと若手の行員が多い。また,H銀行では,Hプロジェクト完了後も適応型プロジェクトが継続して立ち上げられることが見込まれており,適応型プロジェクトをマネジメントできる若手のリーダー育成がH銀行システム部の喫緊の課題である。I課長は,リーダー育成にも十分に配慮してプロジェクト計画を作成することにした。Hプロジェクトでは適応型開発アプローチの要素を加味してA銀行マネジメント標準を修正するので,リーダーには適応型プロジェクトのマネジメントと,その実現に適したリーダーシップの両方を習得してもらうことを育成の目標とした。プロジェクトチームの編成において,Hプロジェクトでは若手でモチベーションが高く自発的に仕事に取り組む姿勢をもつメンバーを積極的にリーダーに登用することにした。また,マネジメントに当たっては,支援型リーダーシップの習得が適していると考えた。
〔開発項目の定義プロセスの検討〕
I課長は,H銀行企画部とHプロジェクトの進め方について協議した。H銀行企画部は,“既に取り決めたとおり,要求事項は最新の状況において優先度を付けて順次判断し,開発項目の更新を行っていく。予算は,戦略的な事業として,上限はあるが一定の余裕をもって確保しているので,スケジュールは厳守しつつ予算内で要求事項の取込みに最大限柔軟に対応してほしい。”とのことであった。
I課長は,このように開発項目を順次更新していくに当たって,A銀行マネジメント標準の予測型開発アプローチを前提としたスコープ定義プロセスは適さないことから,スコープに関わる現状の変更管理プロセスを参考にしてHプロジェクトの開発項目の定義プロセスを検討することにした。A銀行マネジメント標準の変更管理プロセスは次のとおりである。
- 変更を要求する部門が,スコープの変更要求を,変更管理委員会(以下,CCBという)に提示する。
- A銀行システム部が,変更要求に基づく影響を調査し,変更を実施する際のリスクや課題,追加コストなどを整理する。
- A銀行システム部の影響調査結果に基づき,CCBが変更要求を承認又は否認する。
これまで,このプロセスの運用では変更の効果が不明確だったり,他の部門の変更要求と相反したりして,A銀行システム部では,変更要求を提出した部門や他部門とのやり取りが何度か発生することが多かった。
I課長は,開発項目の定義プロセスにおいて,H銀行のシステム部長,企画部長,企画部のメンバー,及びI課長から成る開発項目定義委員会(以下,DDBという)を設置して適宜開催し,開発項目に取り込む要求事項の優先度の付与や開発項目の入替えなどの開発項目の更新を決定することにした。その上で,①A銀行マネジメント標準の変更管理プロセスを次のように修正して,開発項目の定義プロセスとした。
- ②要求事項の判定基準を設定し,各業務部門の要求事項がHプロジェクトに提示できる基準を満たしているかどうかをH銀行企画部で判定する。
- 判定基準を満たしている要求事項は,H銀行企画部がHプロジェクトに提示する。
- Hプロジェクトでは,新たに提示された要求事項について,その要求事項を開発項目に取り込む際の課題,追加コストを整理する。その上で,要求事項の取込みに伴う開発項目の更新によるスケジュール遅延リスクの発生確率のレベルを高,中,低の3段階で,Hプロジェクト全体の作業状況や計画における余裕度に照らして評価する。各レベルのスケジュール遅延リスクの発生確率は,レベル高が60%以上,レベル中が30%以上~60%未満,レベル低が30%未満である。
- Hプロジェクトでは,レベル低の要求事項はPMによる承認で開発項目に取り込む。レベル高及び中の要求事項の場合は,開発項目の更新をDDBに付議する。ただしレベル高及び中の要求事項であってもDDBの③ある決定によって,スケジュール遅延リスクの発生確率を再評価してレベル低である30%未満に軽減できれば,PMによる承認でその要求事項の追加に伴う開発項目の更新を実施できる。
I課長は,④プロジェクトの進捗に伴って要求事項の取込みは困難となっていくことを含めて,開発項目の定義プロセスについてDDBのメンバーに合意を取った。
〔チームのマネジメント計画の作成〕
A銀行マネジメント標準のチームのマネジメントでは,PMとリーダー間の明確な役割と責任の分担,及びこれらに対応した指示・報告に基づいたプロセスが規定されており,課題の解決方法やメンバーの活動を明確に指示し,指導を行うことを重視している。I課長は,⑤H銀行システム部の喫緊の課題の解決に,このようなチームのマネジメントは適さないと考えた。そこで,過去のプロジェクトの教訓を参照して,A銀行における若手リーダーを登用した際の次の失敗事例を確認した。
- PMが適切な情報共有やフォローをせず一方的に指示をした結果,若手リーダーのモチベーションを下げてしまった。
- リーダーに登用された責任感から,メンバーの活動を細かく指示したり,過度にメンバーの課題解決に介入したりした結果,チームとしてのパフォーマンスが低下して,進捗が遅れてしまうことがあった。
- 進捗に遅れがあるにもかかわらず,リーダー以上が参加する週次進捗会議で現実の状況を報告すると皆の前で叱責されると考え,問題なしと報告を上げていた。その結果,遅延が表面化したときには状況が深刻になっており,対策の遅れとともに多くの時間とコストを費やすことがあった。
I課長はこれらの教訓から,A銀行マネジメント標準のチームのマネジメントのプロセスを次のように修正して,チームのマネジメントの計画を作成した。
- 他社で適応型プロジェクトを経験して⑥支援型リーダーシップを習得してきたベテラン行員を若手リーダーの育成役としてアサインする。
- ⑦H銀行の必達目標を達成するために,メンバーの動機付けや自律的な課題解決の促進などについて,育成役のベテラン行員が若手リーダーを後方で支援する。
- 進捗の遅れは,メンバーの問題ではなくチーム全体の問題として全員で解決に当たることを行動の基本原則とし,原因究明するための問題の共有と早期解決に向けた計画の作成をリーダーの責務とする。その上で,⑧リーダー以上が参加する週次進捗会議とは別に,チーム全員が参加する朝会を毎朝実施し,“昨日の進捗”,“今日の予定”,“障壁となっている事項や不安要素”を簡潔に報告してもらうことにする。
I課長が修正したプロセスを反映したプロジェクト計画書は,H銀行内で合意が得られ,Hプロジェクトが開始されることになった。
設問と解答・解説
設問 1
〔開発項目の定義プロセスの検討〕について答えよ。
(1)
本文中の下線①について,I課長が,A銀行マネジメント標準の変更管理プロセスを修正して,開発項目の定義プロセスとした目的は何か。25字以内で答えよ。
模範解答
要求事項の取込みに最大限柔軟に対応するため
採点基準(配点 7点)
知識・理解度(内容)(4点)
- 4点: 要求事項の取込みに対して最大限柔軟に対応する目的であることが明確に示されている。
- 2点: 柔軟な対応への言及はあるが、対象が要求事項の取込みであることが明確でない。
- 0点: 目的が読み取れない、または全く異なる内容である。
論理性(構造)(3点)
- 3点: 「〜するため」といった適切な結びで、意味が通る自然な文章で構成されている。
- 1点: 意味は通じるが、文の繋がりにやや不自然さがある。
- 0点: 文章として破綻している。
解説
正解の根拠
本プロジェクトは、サービス開始日厳守のネット専業銀行立ち上げであり、プロジェクトマネージャには個々のプロジェクトの独自性を考慮したマネジメントの修整(テーラリング)が求められます。
従来の変更管理プロセスをそのまま適用するのではなく、ビジネス環境の変化に合わせ、要求事項の取込みに最大限柔軟に対応するために開発項目の定義プロセスとして修正しました。
高得点のポイント
要求事項の取込みについて言及していること。
最大限柔軟に対応するという目的が明確に示されていること。
規定の文字数以内に収め、「〜するため」という適切な文末で記述されていること。
(2)
本文中の下線②について,要求事項の判定基準を設定し,各業務部門の要求事項がHプロジェクトに提示できる基準を満たしているかどうかをH銀行企画部で判定することで,Hプロジェクトが得られる効果は何か。35字以内で答えよ。
模範解答
要求事項を提出した業務部門への確認などのやり取りを減らす効果
採点基準(配点 6点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: 業務部門への確認などのやり取りを減らす効果であることが明確に記述されている。
- 1点: 業務部門とのやり取りについて触れているが、それを減らす効果であることが不明瞭である。
- 0点: 効果についての記述が不適切である。
論理性(構造)(3点)
- 3点: 「〜効果」という結びを含め、論理的かつ自然な文章となっている。
- 1点: 文意は取れるが、論理展開や結びの表現に不自然さがある。
- 0点: 文章の構造が破綻している。
解説
正解の根拠
各業務部門からの要求事項をそのままHプロジェクトに持ち込むと、確認や調整の手間が増大します。
H銀行企画部が事前に要求基準を満たしているかを判定することで、業務部門への確認などのやり取りを減らす効果が期待できます。
これにより、プロジェクトチームは本来の開発作業に集中できるようになります。
高得点のポイント
業務部門への確認のやり取りに関する内容が含まれていること。
やり取りを減らす効果(コミュニケーションコストの削減)が示されていること。
(3)
本文中の下線③について,スケジュール遅延リスクの発生確率を30%未満に軽減するためのDDBのある決定とは何か。25字以内で答えよ。
模範解答
開発項目内のほかの要求事項を外す決定
採点基準(配点 6点)
知識・理解度(内容)(4点)
- 4点: ほかの要求事項を外す(入れ替える)という決定であることが明確に記述されている。
- 2点: 要求事項の変更には触れているが、外す決定であることが明確でない。または予算の追加投入など不適切な手段に言及している。
- 0点: 内容が全く見当違いである。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 「〜決定」という形式で、因果関係が論理的に記述されている。
- 1点: 論理展開にやや飛躍がある。
- 0点: 論理が破綻している。
解説
正解の根拠
Hプロジェクトは、スケジュールを厳守しつつ予算内で柔軟に対応する方針です。
スケジュール遅延の発生確率を30%未満に抑えるためには、安易な予算の追加投入ではなく、優先度を考慮して開発項目内のほかの要求事項を外す(入れ替える)という決定が重要です。
高得点のポイント
ほかの要求事項を外す(入れ替える)という具体的な決定内容が記述されていること。
予算の追加など、プロジェクトの方針に反する誤った手段が含まれていないこと。
(4)
本文中の下線④について,I課長が,開発項目の定義プロセスについてDDBのメンバーに合意を取る際に,プロジェクトの進捗に伴って要求事項の取込みが困難となっていくことを含めた理由は何か。35字以内で答えよ。
模範解答
要求事項を受け入れ続けることでスケジュール遅延したくないから
採点基準(配点 6点)
知識・理解度(内容)(4点)
- 4点: 要求事項を受け入れ続けることでスケジュール遅延につながる理由が明確に記述されている。
- 2点: スケジュール遅延には言及しているが、要求事項の受け入れが原因であることが読み取りにくい。
- 0点: 理由が読み取れない。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 「〜から」等の理由を示す結びがあり、自然な文章で構成されている。
- 1点: 理由は推測できるが、文章の構造がやや不自然である。
- 0点: 文章として破綻している。
解説
正解の根拠
プロジェクトが進むにつれて設計や実装が進むため、後工程での要求事項の追加・変更は手戻りや作業量の増加を招きます。
これにより、要求事項を受け入れ続けることでスケジュールが遅延するというリスクが高まるため、DDBメンバーへの事前の合意形成が必要となります。
高得点のポイント
要求事項を受け入れ続けることのリスクに言及していること。
結果としてスケジュールの遅延を避けたいという理由が明示されていること。
設問1(3)は,正答率が平均的であった。スケジュール遅延の発生確率を30%未満にするために,一般的な手法として予算の追加投入について着目した解答が散見された。Hプロジェクトは,スケジュールを厳守しつつ,優先度を考慮しながら予算内で最大限柔軟に対応する方針であること,及び一定の余裕をもって予算を確保していることから,予算の追加よりも,柔軟な開発項目の入替えが重要になってくることを理解して解答してほしい。
設問 2
〔チームのマネジメント計画の作成〕について答えよ。
(1)
本文中の下線⑤について,I課長が,H銀行システム部の喫緊の課題の解決に,A銀行マネジメント標準のチームのマネジメントは適さないと考えたのはなぜか。30字以内で答えよ。
模範解答
支援型リーダーの育成に適さないマネジメントだから
採点基準(配点 7点)
知識・理解度(内容)(4点)
- 4点: 支援型リーダーの育成に適さないマネジメントであることが明確に示されている。
- 2点: 育成に適さない点には触れているが、支援型リーダーというキーワードが不足している。
- 0点: 理由が読み取れない、または不適切である。
論理性(構造)(3点)
- 3点: 「〜だから」といった理由を示す適切な結びで、意味が通る自然な文章である。
- 1点: 意味は通じるが、文の繋がりにやや不自然さがある。
- 0点: 文章として破綻している。
解説
正解の根拠
本プロジェクトにおけるチームのマネジメント計画の修整は、若手リーダーの育成を主な目的としています。
従来のA銀行マネジメント標準におけるチームマネジメントは、トップダウン型など別のアプローチを前提としており、今回求める支援型リーダーの育成には適さないため、独自のマネジメント計画が必要だと判断されました。
高得点のポイント
支援型リーダーの育成というキーワードが含まれていること。
既存の標準がそれに適さないマネジメントであることを理由として挙げていること。
(2)
本文中の下線⑥について,支援型リーダーシップを習得してきたベテラン行員を若手リーダーの育成役としてアサインしたのは,登用した若手リーダーにどのような姿勢があるからか。25字以内で答えよ。
模範解答
モチベーションが高く自発的に仕事に取り組む姿勢
採点基準(配点 6点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: モチベーションが高く自発的に仕事に取り組む姿勢であることが明確に記述されている。
- 1点: 意欲の高さには触れているが、自発性に関する言及が不足している。
- 0点: 若手リーダーの姿勢に関する記述として不適切である。
論理性(構造)(3点)
- 3点: 「〜姿勢」という形で適切に結ばれ、自然な文章で構成されている。
- 1点: 意味は通じるが、文の構造に不自然さがある。
- 0点: 文章として破綻している。
解説
正解の根拠
支援型リーダーシップは、メンバーの自主性や主体性を引き出すマネジメント手法です。
育成役をアサインされた若手リーダーには、指示待ちではなくモチベーションが高く自発的に仕事に取り組む姿勢があるため、支援型のアプローチが有効に機能すると判断されました。
高得点のポイント
若手リーダーのモチベーションの高さに言及していること。
自発的(主体的)に仕事に取り組む姿勢が記述されていること。
(3)
本文中の下線⑦について,I課長が,このような内容について育成役のベテラン行員に若手リーダーを後方で支援してもらうことにしたのは,Hプロジェクトに対するどのような効果を期待したからか。30字以内で答えよ。
模範解答
チームのパフォーマンス低下による進捗の遅れを防ぐ効果
採点基準(配点 6点)
知識・理解度(内容)(4点)
- 4点: チームのパフォーマンス低下による進捗の遅れを防ぐ効果であることが明確に記述されている。
- 2点: 進捗の遅れを防ぐ点には触れているが、パフォーマンス低下という要因が抜けている。または適応型マネジメントの習得など本質からやや逸れた解答。
- 0点: 効果の記述として不適切である。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 「〜効果」という形で適切に結ばれ、因果関係が論理的である。
- 1点: 論理展開にやや飛躍がある。
- 0点: 論理が破綻している。
解説
正解の根拠
H銀行の必達目標は1年後の銀行業務の開始であり、これを実現するためには過去の教訓からチームのパフォーマンスを最大化することが不可欠です。
ベテラン行員が若手リーダーを後方支援することで、マネジメントの不慣れによるチームのパフォーマンス低下を防ぎ、結果として進捗の遅れを防ぐ効果が期待できます。
高得点のポイント
チームのパフォーマンス低下というリスク要因に言及していること。
それによる進捗の遅れを防ぐという具体的な効果が示されていること。
単なる適応型マネジメントの習得など、目的に直結しない記述になっていないこと。
(4)
本文中の下線⑧について,I課長は,週次進捗会議とは別に朝会を実施することで,スケジュール遅延リスクに対して具体的にどのような効果を得たいと考えたのか。30字以内で答えよ。
模範解答
問題が大きくなる前に原因を把握して早期に解決を図る効果
採点基準(配点 6点)
知識・理解度(内容)(4点)
- 4点: 問題が大きくなる前に原因を把握して早期に解決を図る効果であることが明確に示されている。
- 2点: 早期の解決には触れているが、原因の把握など具体的なプロセスが不足している。
- 0点: 効果についての記述が不適切である。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 「〜効果」という結びを含め、論理的かつ自然な文章となっている。
- 1点: 文意は取れるが、論理展開に不自然さがある。
- 0点: 文章の構造が破綻している。
解説
正解の根拠
スケジュール遅延リスクへの対応策として、週次進捗会議よりも高頻度な確認が必要です。
朝会を実施することで、日々の状況や課題を素早く共有し、問題が大きくなる前に原因を把握して早期に解決を図ることが可能になります。
高得点のポイント
問題が大きくなる前(早期)に対処するというタイミングが示されていること。
原因を把握して解決を図る効果が明確に記述されていること。
設問2(3)は,正答率がやや低かった。適応型マネジメントができるリーダー育成について着目した解答が多かった。問われている“H銀行の必達目標”は1年後の銀行業務の開始であり,これを実現するためには,過去の教訓からチームのパフォーマンスを最大化することが重要であることを理解してほしい。