「リスクマネジメント」の過去問(マネジメント・17問+午後14大問)
1. この分野は何か
リスクマネジメント分野は、プロジェクトの目標達成に影響を与える不確実な事象(リスク)を事前に特定し、その影響を最小限に抑える(または好機を最大限に活かす)ための管理プロセスに関する領域です。
PMBOKやJIS Q 21500(プロジェクトマネジメントの手引)の枠組みに基づき、リスクの洗い出しから、発生確率と影響度に基づく優先順位付け(定性的・定量的リスク分析)、事前に対策を講じる「リスク対応計画」の策定、そしてプロジェクト実行中の継続的な「リスクの監視・管理」といった一連の流れについて学びます。
2. 実際の出題のされ方
午前問題では、リスクマネジメントのプロセスごとの目的や、対応策の分類を問う知識問題が頻出します。
- リスクプロセスの目的: 「JIS Q 21500によれば、プロセス“リスクの管理”の目的はどれか」といったように、「特定」「対応」「管理(監視)」などの各プロセスがそれぞれ何のために行われるのかを問う問題が出題されます。
- リスク対応策の分類: ネガティブなリスク(脅威)に対する4つの対応戦略(回避、転嫁、軽減、受容)について、具体的な対応例(例えば、「損害保険に加入する」=「転嫁/移転」)を示して分類させる問題は定番中の定番です。
- リスク分析手法: 発生確率と影響度のマトリックスを用いて優先順位をつける「定性的リスク分析」や、デシジョンツリー解析や感度分析を用いて金額などで数値化する「定量的リスク分析」の特徴を問う問題も見られます。
3. 学習のポイント
この分野は、抽象的な概念を具体的なプロジェクトの事例(スケジュール遅延、コスト超過など)に置き換えて理解することが重要です。
- 4つの対応戦略の整理:
- 回避:リスクの原因そのものを取り除く(例:未経験の技術の採用をやめる)。
- 転嫁(移転):契約や保険によって、リスク対応の責任や金銭的影響の一部を第三者へ移す。ただし、外部委託するだけで全てのリスクが移るわけではない。
- 軽減(低減):発生確率や影響度を許容範囲まで下げる(例:追加のテストを実施する)。
- 受容:リスクを認識した上で、事前の追加対策を採らない、または予備費やコンティンジェンシー計画を用意する。
この4分類は必ず暗記し、どんなシナリオが出題されても分類できるようにしましょう。
- プロセスの時系列: リスクは一度洗い出して終わりではなく、「特定」→「分析」→「対応計画」→「監視(管理)」のサイクルで継続的に行われるものであることを念頭に置いてください。
- ポジティブ・リスク(好機): リスクはネガティブなものだけでなく、「予定より早く終わるかもしれない」といったポジティブなリスク(好機)も存在します。好機に対する対応戦略(活用、共有、強化、受容)も合わせて確認しておくと万全です。
4. 間違えやすいところ
リスクの「回避」と「軽減(低減)」を混同してしまうミスが非常に多いです。例えば、「テストを追加して品質不良の発生確率や影響を下げる」というのは「軽減」であり、脅威へのエクスポージャーを取り除く「回避」ではありません。回避は「不確実性の高い機能の実装を取りやめる」など、計画自体を変更して脅威を除く措置であることを明確に区別してください。
また、リスクマネジメント計画の策定(どうやってリスク管理を進めるかのルール決め)と、個別のリスク対応計画(特定のリスクにどう対処するかの具体策)の違いも試験で問われやすいため、用語の定義を正確に捉えるよう注意しましょう。
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この分野の午後問題(記述式・読み物)
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