平成元年度宅地建物取引主任者資格試験 問8

請負契約における請負人の担保責任に関する次の記述のうち, 民法の規定及び判例によれば, 正しいものはどれか。

解答・解説

正解: 1. 完成した目的物に瑕疵があり, 請負人が修補義務を負う場合において, その修補が可能なものであっても, 注文者は, 瑕疵の修補に代えて, 直ちに損害賠償の請求をすることができる。

正解は 1 です。

※本問は、民法改正前(旧民法)の「請負人の瑕疵担保責任」に関する規定および判例に基づく出題です。

正解の根拠

旧民法および判例(最判平9.2.14)において、完成した目的物に瑕疵があり請負人が修補義務を負う場合、その修補が可能であっても、注文者は 瑕疵の修補に代えて、直ちに損害賠償の請求をすることができる とされています。したがって、選択肢1は正しい記述です。

各選択肢の解説

  • 選択肢1(正しい)
    上記「正解の根拠」の通り、注文者は瑕疵の修補を求めることなく、直ちにこれに代わる損害賠償を請求することが認められています。

  • 選択肢2(誤り)
    完成した目的物に重大な瑕疵がある場合でも、注文者は瑕疵の修補や損害賠償の請求を することができます。修補や損害賠償の請求ができないとする本肢は誤りです。

  • 選択肢3(誤り)
    旧民法において、建物その他の土地の工作物が瑕疵により滅失または毀損した場合、注文者は、その 滅失または毀損の時から1年以内 に瑕疵の修補または損害賠償の請求をしなければならないとされていました(旧民法638条2項)。「2年以内」とする本肢は誤りです。

  • 選択肢4(誤り)
    旧民法では、完成した目的物が「建物その他土地の工作物」である場合、重大な瑕疵があって契約の目的を達することができなくても、契約の解除をすることはできない と規定されていました(旧民法635条ただし書)。したがって、解除ができるとする本肢は誤りです。

現行法での扱い(2026年4月1日時点)

2020年4月1日施行の民法改正(債権法改正)により、旧法では不可とされていた建物の請負契約の解除が可能となりました。そのため選択肢4は現行法で正しいです。一方、選択肢1は問題文だけでは正誤が決まらず、現行法では正解が一つに定まりません。

Spineチーム