宅建 平成2年度 試験 問12

不動産の賃貸借に関する次の記述のうち、民法、借地法及び借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。

解答・解説

正解: 3. 建物の所有を目的とする土地の賃貸借において、当該建物が借地人の失火により滅失したときは、賃貸人は、解約の申入れをすることができる。

正解の根拠

借地法(旧法)においては、借地上の建物が滅失したとしても、それだけで借地権が直ちに消滅するわけではありません。借地人の失火により建物が滅失した場合であっても、賃貸借の存続期間中であれば借地権は存続し、賃貸人はこれを理由に直ちに解約の申入れをすることはできません。したがって、この記述は誤りとなります。

各選択肢の解説

  • 選択肢1: 正しい。建物の賃貸借において、目的物である建物が全部滅失した場合、賃貸借の目的を達成できなくなるため、民法の規定により賃貸借契約は終了します。これは第三者の放火による全部滅失であっても同様です。
  • 選択肢2: 正しい。本問は旧「借家法」および当時の民法に基づく出題です。旧借家法には存続期間の上限に関する特別の規定がなく、民法(改正前の旧民法604条)の規定が適用されたため、存続期間は20年を超えることができないとされていました。(※現行の借地借家法および現行民法の下では、この上限制限は撤廃または延長されています)
  • 選択肢3: 誤り。正解の根拠で述べたとおり、建物の滅失により直ちに賃貸人が解約の申入れをすることはできません。
  • 選択肢4: 正しい。借地法(旧法)の規定によれば、存続期間の定めがない非堅固建物の借地権は、建物が朽廃したときに消滅するとされていました。(※現行の借地借家法では「朽廃」による借地権消滅の制度は廃止されています)

現行法での扱い(2026年4月1日時点)

出題当時は選択肢3のみが誤りでした。しかし、1992年8月1日施行の借地借家法の制定により借地権の朽廃消滅制度が廃止され、現在では選択肢4は誤りとなります。また、2000年3月1日施行の良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法による借地借家法の改正で建物賃貸借の存続期間の上限が撤廃されたため、選択肢2も誤りとなり、現行法での正解は複数になります。

Spineチーム