平成2年度 試験 問11
権利関係相続
この問題は1990年度(H2)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
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Aが死亡し、相続人として、妻Bと嫡出子C・D・Eがいる。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。
解答・解説を読む
正解: 選択肢2
本問は、相続に関する民法の規定についての理解を問う問題です。誤っている記述を選択します。
正解の根拠
正解は 2 です。
被相続人による遺贈が他の相続人の遺留分を侵害している場合であっても、その遺贈が当然に無効(効力を生じない)となるわけではありません。遺留分を侵害された相続人(遺留分権利者)は、受遺者に対して遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求すること(遺留分侵害額請求権)ができるにとどまります(民法1046条)。したがって、「効力を生じない」とする記述は誤りとなります。
各選択肢の解説
- 選択肢1(正しい)
相続放棄をした者は、その相続に関しては初めから相続人とならなかったものとみなされます(民法939条)。Cが放棄した場合、相続人は配偶者Bと子D、Eの3人となります。配偶者Bの法定相続分は2分の1のままで変わりませんが、子であるDとEの相続分は残りの2分の1を等分するため、各自 から へと増えることになります。 - 選択肢2(誤り)
上記の通り、遺留分を侵害する遺贈であっても当然に無効とはならず、遺留分権利者からの遺留分侵害額請求の対象となるにとどまります。 - 選択肢3(正しい)
直系尊属のみが相続人である場合を除き、全体の遺留分の割合は被相続人の財産の2分の1です(民法1042条1項2号)。各相続人の遺留分額は、これに各自の法定相続分を乗じて算定します。子Eの法定相続分は であるため、Eの遺留分は (12分の1)となります。 - 選択肢4(正しい)
遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けることで被相続人の生前に行うことができます(民法1049条1項)。ただし、遺留分の放棄と相続の放棄は別物であり、共同相続人の一人が遺留分を放棄しても、その者は相続人としての地位を失わず、引き続き相続人となることができます(民法1049条2項)。