平成8年度 宅地建物取引主任者資格試験 問40

宅地建物取引業者が3,000万円の宅地の売買の媒介契約を締結しようとする場合において、当該業者が宅地の購入をしようとしている依頼者に対して行った次の説明のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

解答・解説

正解: 1. 事務所ごとに従業者名簿を備えていますので、ご希望なら閲覧してください。今お見せした私の従業者証明書の番号も記載されています。

正解は 1 です。宅地建物取引業法に基づく説明として最も適切なものは選択肢1となります。

各選択肢の解説

  • 1: 適切。宅地建物取引業者は、事務所ごとに従業者名簿を備え、取引の関係者から請求があったときは閲覧に供する義務があります(宅建業法第48条第3項・第4項)。また、従業者証明書の番号も名簿の記載事項とされています(同法施行規則第17条の2)。

  • 2: 不適切。宅地建物取引業者は、業務に関して、将来の環境や交通その他の利便、代金の額などについて断定的判断を提供する行為が禁止されています(宅建業法第47条の2第1項)。「2倍程度になることは確実です」という説明はこれに違反します。

  • 3: 不適切。購入の媒介であっても、宅地建物取引業者は依頼者と媒介契約を締結したときは、遅滞なく媒介契約書を作成し、交付する義務があります(宅建業法第34条の2第1項)。作成を省略することはできません。

  • 4: 不適切。以下は現行の税率による計算です。売買金額3,0003,000万円の宅地の媒介報酬の限度額(税抜)は、3,000万円×3%+6万円=96万円3,000万円 \times 3\% + 6万円 = 96万円となります。課税事業者の場合は消費税を含めて105.6105.6万円となり上限内ですが、免税事業者の場合は消費税相当額を含めた上限が99.8499.84万円(96万円×1.0496万円 \times 1.04)となり、100100万円を受領すると業法違反となります。確実な適法性が担保されていないため、「最も適切」とは言えません。

現行法での扱い(2026年4月1日時点)

2019年10月1日施行の「消費税率の変更に伴う報酬額の告示(昭和45年建設省告示第1552号)と解釈・運用の考え方の改正」により、関連する規定が変更されました。出題当時は誤りであった選択肢 4は、現行法では問題文に書かれている事実だけでは正誤が決まりません。なお、現行法での正解は選択肢 1となります。

Spineチーム