平成14年度 宅地建物取引主任者資格試験 問11
権利関係不法行為
この問題は2002年度(H14)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
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Aの被用者Bと, Cの被用者Dが, A及びCの事業の執行につき, 共同してEに対し不法行為をし, A, B, C及びDが, Eに対し損害賠償債務を負担した場合に関する次の記述のうち, 民法の規定及び判例によれば, 誤っているものはどれか。
解答・解説を読む
正解: 選択肢1
本問は、共同不法行為と使用者責任が競合する場合の法律関係についての理解を問う問題です。
被用者BとDが共同不法行為を行った場合、BとDは被害者Eに対して不真正連帯債務を負います(民法719条)。そして、それぞれの使用者であるAとCも、Eに対して使用者責任に基づく損害賠償債務を負い、これら全員の債務も不真正連帯債務の関係に立ちます。
正解の根拠
選択肢1が誤りであり、本問の正解です。
共同不法行為における各加害者、およびその使用者は、被害者に対して連帯して責任を負うため、被害者の損害全額を賠償する義務を負います。内部的な加害割合を理由に、被害者からの請求を拒むことはできません。
各選択肢の解説
選択肢1(誤り)
共同不法行為者(B・D)およびその使用者(A・C)が負担する損害賠償債務は不真正連帯債務です。したがって、Aは被害者Eから損害全額の賠償を請求された場合、BとDの加害割合(内部的な負担割合)に関わらず、全額について支払う責任を負います(最判平10.9.10)。よって、「損害の6割に相当する金額について賠償の支払をする責任を負う」とする本肢は誤りです。選択肢2(正しい)
共同不法行為者の使用者の一方(A)が自己の負担部分を超えて被害者Eに損害を賠償したときは、共同不法行為者の他の使用者(C)に対し、その被用者(D)の過失割合に応じた負担部分の限度で求償することができます(最判平3.10.25)。選択肢3(正しい)
使用者が使用者責任に基づき損害賠償をした場合、被用者に対して求償権を行使することができます(民法715条3項)。ただし、その全額について求償できるわけではなく、事業の性格や被用者の労働条件などを考慮し、「損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度」においてのみ求償が認められます(最判昭51.7.8)。選択肢4(正しい)
共同不法行為者の一方(D)が自己の負担部分を超えて損害を賠償したときは、他の共同不法行為者の使用者(A)に対しても、Aの負担部分(Bの過失割合に基づく部分)の限度で求償することができます。連帯債務者の1人による弁済は他の債務者に対しても効力を生じ、求償関係が生じるためです(最判平10.9.10)。