令和5年度 宅地建物取引士資格試験 問5

権利関係民法総則

この問題は2023年度(R5)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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従来の住所又は居所を去った者(以下この問において「不在者」という。)の財産の管理に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、この問において「管理人」とは、不在者の財産の管理人をいうものとする。

解答・解説を読む

正解: 選択肢4

正解は 選択肢4 です。

不在者の財産管理に関する民法の規定において、家庭裁判所に選任された財産管理人は、財産の保存行為を単独で行うことができます。しかし、その権限を超える行為(不動産の売却など)を行う場合は、家庭裁判所の許可が必要となります。

各選択肢の解説

  • 選択肢1:誤り
    不在者が管理人を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができます(民法第25条1項)。この処分は「不在者の生死が7年間明らかでない場合」に限らず、不在者が単に行方不明になり財産管理の必要性が生じた時点から請求可能です。

  • 選択肢2:誤り
    不在者が管理人を置いた場合でも、その不在者の生死が明らかでなくなったときは、家庭裁判所は利害関係人又は検察官の請求により、管理人を改任することができます(民法第26条)。

  • 選択肢3:誤り
    第一審の敗訴判決に対して控訴を提起することは、財産の現状を維持するための 保存行為 に該当するとされています(大判昭和13年3月11日)。したがって、管理人は家庭裁判所の許可を得ることなく、単独で控訴を提起することができます。

  • 選択肢4:正しい
    家庭裁判所により選任された管理人の権限は、原則として保存行為やその性質を変えない範囲での利用・改良行為に限られます(民法第28条、第103条)。自宅の修理は 保存行為 に該当するため単独で行うことができます。一方、自宅の売却は権限を超える 処分行為 であるため、事前に 家庭裁判所の許可 を得る必要があります。