「品質マネジメント」の過去問(マネジメント・9問+午後3大問)
1. この分野は何か
品質マネジメント分野は、プロジェクトの成果物(ソフトウェアやシステム)が、ステークホルダーの要求事項を満たすように管理・保証するためのプロセスに関する領域です。
開発プロセスの各工程における品質計画の立案から始まり、テスト工程で見つかったバグの件数推移によるソフトウェア信頼性の評価、品質管理に用いる図解ツール(QC七つ道具・新QC七つ道具)、そしてバグ追跡(トラッキング)システムを用いた継続的な品質改善の手法について学びます。
2. 実際の出題のされ方
午前問題では、品質管理ツールの目的を問う問題や、ソフトウェア特有の品質評価指標に関する問題が出題されます。
- ソフトウェア信頼度成長モデル: テスト工程において累積バグ発見数の推移をグラフ化した「ゴンペルツ曲線」などの信頼度成長モデルを提示し、テスト工程が十分に収束した(バグが出尽くした)と判定する根拠を問う問題が定番です。
- 品質管理の図解ツール: 収集したデータを親和性によってグループ化して問題の全体像を捉える「親和図」など、各ツールの特徴や用途を選択させる問題が出題されます。
- 品質の定量的評価: ソフトウェアの「保守性」や「信頼性」といった品質特性を定量的に評価する指標の対応を問う問題や、バグトラッキングシステム(BTS)の目的を問う問題が出題されます。例えば、修正1件当たりの平均修正時間は保守性、成果物量当たりの誤り件数は欠陥密度を見る指標です。
3. 学習のポイント
図やグラフの「見た目」とその「目的」をリンクさせて覚えることが得点への近道です。
- ゴンペルツ曲線の見方: テスト開始直後はバグがあまり見つからず(緩やか)、中盤で一気に見つかり(急上昇)、終盤になると新たなバグが見つかりにくくなる(水平に近づく)というS字カーブの特性を理解しましょう。曲線が寝てきたことはバグ発見の収束を判断する根拠の一つですが、テストの消化状況や品質目標も併せて確認します。
- QC・新QC七つ道具の整理:
- パレート図:棒グラフと折れ線グラフを組み合わせ、重点的に対策すべき項目(上位の少数)を特定する。
- 特性要因図:問題の原因を深掘りする(フィッシュボーン)。
- 親和図(新QC):混沌としたアイデアや意見をグループ分けして整理する。
このように、「何をしたいときに使う図か」というキーワードで整理して暗記してください。
- 品質レビューの手法: コードの品質を高めるためのレビュー手法(インスペクション、ウォークスルー、ピアデスクチェックなど)の違い(モデレータの有無や公式・非公式の違い)もよく問われるため、合わせて確認しておきましょう。
4. 間違えやすいところ
品質管理ツールの「パレート図」と「ヒストグラム」の用途を混同するケースがよく見られます。ヒストグラムはデータの「ばらつき(分布)」を見るための単純な棒グラフであるのに対し、パレート図は「項目別の出現頻度(棒グラフ)とその累積比率(折れ線グラフ)」を同時に表し、「ABC分析」のように重点対策項目を絞り込むために使われます。目的の違いを明確に区別してください。
また、ゴンペルツ曲線において「曲線が水平になった=完全にバグがゼロになった」と誤解しやすいですが、実際には「予定していたテストケースが完了し、新たなバグが発見されにくくなった」状態を示している点にも留意しましょう。
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