令和5年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問題 問15

ストラテジ法務・標準調達・契約

この問題は2023(R5)秋 システム監査技術者 午前IIに出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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A社は,B社にソフトウェアの開発を委託し,それを稼働させるためのサーバとクライアントPCを購入したところ,目的物となる納品物が,契約内容に適合しない事実を知った。民法の契約不適合責任に関する記述として,適切なものはどれか。ただし,A社とB社の間で契約不適合責任に関する特約は合意されていないものとする。

解答・解説を読む

正解: 選択肢

民法における契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)に関する問題です。2020年4月に施行された改正民法により、目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない場合における買主(注文者)の権利が整理されました。

正解は「イ」です。契約不適合があった場合、買主(A社)は以下の権利を行使することができます。

  • 履行の追完請求権(目的物の修補、代替物の引渡し、不足分の引渡し)
  • 代金減額請求権(追完請求をしたにもかかわらず追完されない場合など)
  • 契約の解除権
  • 損害賠償請求権

各選択肢の解説

  • ア:誤り
    買主が履行の追完の方法(修補、代替物の引渡しなど)を指定して請求した場合でも、売主(B社)は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができます(民法第562条第1項ただし書)。したがって、必ず従う必要があるわけではありません。

  • イ:正しい
    記述の通り、買主であるA社は、契約不適合の程度に応じて「履行の追完請求」「代金減額請求」「契約の解除」「損害賠償請求」を行う権利を有します。代金減額請求は、原則として相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に追完がない場合に認められます(民法第563条第1項)。

  • ウ:誤り
    買主が契約不適合(種類又は品質に関するもの)を理由として売主に責任を追及するためには、不適合を知った時から1年以内に、その旨を売主に通知しなければなりません(民法第566条)。「引渡しから1年以内」ではありません。また、1年以内にしなければならないのは「通知」であり、「請求」自体は消滅時効にかかるまで行うことが可能です。

  • エ:誤り
    改正民法により、契約不適合を理由とする損害賠償請求は、債務不履行の一般原則に基づいて行われることになりました。したがって、売主(B社)に帰責事由(故意・過失など)がない場合には、損害賠償を請求することはできません(民法第415条第1項ただし書)。無過失責任ではありません。