令和7年度 春期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問1 購買パッケージのフィット&ギャップ分析
テクノロジシステム開発技術
この問題は2025(R7)春 システムアーキテクト 午後Iに出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
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学習ガイド
市役所の消耗品購買を集中化し、購買パッケージを導入する場面を扱ったシステムアーキテクトの問題です。パッケージの標準機能一覧と業務要件を突き合わせ、そのまま使うと支障が出る機能を理由つきで特定するフィット&ギャップ分析が中心になります。予算年度末の統制のような公共組織特有の事情が判断材料になるのが特徴で、この記事では機能と業務ルールの照合手順を型として示しながら各設問を解いていきます。
この記事で押さえる論点
- パッケージ機能と業務要件の適合・不適合を判定する
- 業務上支障を来す機能をその理由とともに特定する
- 個別要件(納入指示・在庫管理)の目的を業務の文脈で説明する
出題情報
- 出題
- 2025(R7)春 システムアーキテクト 午後I 問1
- 配点
- 50点満点
- 模範解答
- 公表(設問ごとに掲載)
出題趣旨・採点講評(IPA 公表)
近年,デジタルトランスフォーメーションの取組などにおいて,システムアーキテクトが業務改革とシステムの導入に同時に取り組む機会が多くなっている。新しい業務モデルへの移行に当たっては,法令や社内の規則,諸事情による制約も多く,システムアーキテクトは,システムの導入に際して様々な制約を踏まえた設計を工夫しながら行う必要がある。本問では,消耗品の集中購買化とそれに伴う業務システムの導入を題材として,ソフトウェアパッケージとのフィット&ギャップの分析や運用上の制約などを考慮して必要な機能要件を整理する能力を問う。
問1では,消耗品の集中購買化とそれに伴う業務システムの導入を題材に,フィット&ギャップの分析と機能要件の整理について出題した。全体として正答率は平均的であった。
問題本文
問1 消耗品の集中購買化とそれに伴う業務システムの新規構築に関する次の記述を読んで、設問に答えよ。
A市は、近隣市町村との市町村合併を経て広い面積を有する自治体である。職員の多くは本庁舎に勤務しているが、面積の広い自治体であることから、合併前の庁舎を支所として現在も残しているほか、市税事務所、まちづくりセンターなどの数十の施設が地域内に点在している。また、同じ部門でも職員によってふだん勤務する施設が異なる場合がある。
〔消耗品の購買業務の現状と課題〕
物品や委託業務の調達及び契約手続きは、A市の条例、規則及び要綱(以下、A市規定類という)で決まっており、調達額が少額である文房具、コピー用紙、乾電池などの消耗品については、各部門が必要なタイミングで直接調達できる。ただし、少額であってもA市規定類に基づき、次に示す手続を行う必要があるので、調達の頻度が高い部門では事務負担が大きくなっている。
- 消耗品調達に係る支出伺の起案を行い、部門長の決裁を得る。
- 調達額が少額の場合、A市の見積合わせの手続にのっとり、複数の事業者から見積りを取得し、最も安価な見積額を提出した事業者を契約先候補として選定する。調達額が一定額以上になる場合は、入札を行い、契約先候補を選定する。
- 選定した事業者との契約に係る起案を行い、部門長及び契約課の決裁を得る。
- 事業者と注文書及び注文請書、又は契約書の取り交わしを行う。
- 事業者から物品が納入されたら、検収を行う。
- 事業者から請求書を受け取り、請求額などが正しいことを確認する。
- 事業者への支払に関する起案を行い、部門長の決裁を得て、請求書とともに支払伝票を会計課に提出する。
事業者への支払関連の事務は会計課で行う必要があり、各部門からの支払伝票が多く回ってくるので、確認と支払手続が相当な事務負担になっている。
〔消耗品の集中購買化の検討〕
A市では,業務改革の取組の一環として,各部門で実施している消耗品の購買に係る業務について,各部門で直接調達せず,A市全体で集中化を目指すことにした。消耗品の集中購買化の目的として,各部門及び会計課の事務負担の軽減に加えて,一括調達による価格の低減と,使用量の適正化も目指す。
消耗品の購買に係る業務の運用を次のように見直すことにした。ただし,調達,契約及び支払手続に関するA市規定類の改正は行わず,当面は従来どおりのルールに基づくことにした。
- 前年度の調達実績に基づき,1年間でどの程度の数量の消耗品を調達するのかを発注予定数量として定め,発注予定数量を指定した単価契約の入札を消耗品の物品ごとに行う。例えば,赤色ボールペン10本セットで650円といった単位当たりの価格を定めて事業者と契約する。なお,予算の都合から契約期間中の発注数の合計数量は発注予定数量を原則超過しないようにし,一方で,実際の発注数が発注予定数量の一定割合を下回る場合は,契約金額の協議を行うことにしている。
- 契約期間は,4月から翌年3月末までの単年度とする。年度始めから物品の発注ができるように,前年度中に総務課がまとめて支出伺の決裁及び入札を行い,物品ごとの仕様,単価,契約先事業者などを確定する。
- 消耗品の調達は,物品ごとに契約を行うと相当数の契約になるので,一つの契約案件の中に複数の物品の単価を設定する複数単価契約とする。例えば“黒色ボールペン10本セット,単価:600円,発注予定数量:500セット”,“赤色ボールペン10本セット,単価:650円,発注予定数量:200セット”といった内容で,契約書上に定める。複数単価契約の入札では,各物品の単価と発注予定数量を乗じた額の総額が最も低い事業者を契約先候補として選定する。
- 複数単価契約の際に,契約期間中に特定の物品の発注数の合計数量が発注予定数量よりも多くなりそうな場合は,契約上の総額を超えない範囲で,物品ごとの発注予定数量の調整ができるようにする。例えば,赤色ボールペンの使用量が想定よりも多い場合に,赤色ボールペンの発注予定数量を増やして,黒色ボールペンの発注予定数量を減らすなどの調整を行う。
- A市は消耗品が必要になるタイミングで,物品ごとの発注数などを指定した納入指示を事業者に対して行う。
- 事業者はA市からの納入指示に基づき,“納入指示から5営業日以内”といった契約に定められた納入期間内に指定された施設に納入する。なお,納入指示は契約期間中複数回実施されるが,納入はA市規定類に基づき契約期間内に完了させる必要がある。
- 消耗品の各部門への払出しについては,総務課がまとまった数量を納入指示し,総務課に一括納入させて一元的に在庫管理を行い,各部門が必要なタイミングで必要量を持ち出す方式と,各部門が必要なタイミングで納入指示し,事業者が直接各部門の施設に納入する方式を比較検討した。検討した結果,事業者が直接各部門の施設に納入する方式で進めることにした。
- 上記方式に基づき,納入された消耗品の仕様,数量などを各部門で確認し,納入後1週間以内に検収を行う。
- 事業者は毎月初めに,前月の検収実績に基づきA市総務課宛てに請求書を発行する。総務課は,受領した請求書の請求内容を確認し,問題がなければ支払の起案を行い,会計課が支払う。
〔機能要件の整理〕
消耗品の集中購買化を進めるに当たり,各部門が納入指示を行い,それを事業者に通知し,A市と事業者が出荷,納入,検収などのステータス及び実績を確認できる業務システム(以下,管理システムという)の新規構築を検討することにした。管理システムは,A市が契約するクラウドサービス上で運用し,A市とA市の契約先事業者がインターネット経由で共同利用する形態とする。
総務課,会計課及びデジタル推進課のメンバーによるプロジェクトチームを立ち上げ,民間企業向けの購買関連のSaaS,ソフトウェアパッケージなど(以下,購買PKGという)を調査した。調査した結果,購買PKGが一般的に有する主要機能を表1のとおり整理し,それらを参考に,A市として管理システムに求める個別要件を具体的に検討することにした。

図の説明テキスト
| 機能分類 | 機能名 | 機能概要 |
|---|---|---|
| 注文部門向け | 商品カタログ機能 | 商品の仕様,注文単位,販売単価などの情報を商品カタログとして,検索・参照ができる。 |
| 注文部門向け | 商品カタログ注文機能 | 商品カタログから商品を選択し,数量を指定し,商品を注文できる。 |
| 注文部門向け | 相見積取得及びスポット注文機能 | 商品カタログに登録されていない商品について,複数のサプライヤーに対して一括で相見積依頼を実施し,サプライヤーからの見積回答を確認し,指定するサプライヤーに対して注文できる。 |
| 注文部門向け | 検収結果登録機能 | 商品の納入を確認し,検収結果を登録できる。 |
| 注文部門向け | ワークフロー機能 | 注文の際に,部門長の承認・差戻しができる。 |
| 購買部門向け | 購買ステータス管理機能 | 部門別及び商品別の注文商品の出荷待ち,出荷済,納入済,検収済のステータスを確認できる。 |
| 購買部門向け | 予算管理機能 | 部門ごとの予算を設定できる。実績に基づき予算の消化状況を管理し,予算を超過する場合は,アラートを表示して注文を制限できる。 |
| 購買部門向け | データ集計機能 | 商品,サプライヤー,年月,部門及びステータス別の合計数量,合計金額を集計できる。 |
| 購買部門向け | 外部システム連携機能 | 会計システム向けに支払に関するデータを出力できる。 |
| 購買部門向け | サプライヤー情報登録機能 | サプライヤーの社名,担当者名,担当者連絡先を登録できる。 |
| サプライヤー向け | 注文受付処理機能 | 納入予定日を含めた注文受付処理ができる。 |
| サプライヤー向け | 出荷登録機能 | 注文商品の出荷状況を登録できる。 |
| サプライヤー向け | 注文ステータス管理機能 | 自社宛ての注文商品の出荷待ち,出荷済,納入済,検収済のステータスを確認できる。 |
| サプライヤー向け | 帳票出力機能 | 注文請書,納品書をPDFで発行できる。 |
| サプライヤー向け | 商品カタログ登録機能 | 商品ごとに仕様,注文単位,販売単価などを設定できる。 |
| サプライヤー向け | 商品単価変更機能 | 商品の販売単価の変更ができる。 |
| サプライヤー向け | 在庫管理機能 | 商品ごとに注文可能な在庫数を登録し,実績に基づき,在庫数を自動更新する。在庫がなくなったら商品カタログ注文機能からの注文を制限できる。 |
購買PKGの主要機能のうち,注文部門向け機能は各部門の担当者に,購買部門向け機能は総務課の担当者に,サプライヤー向け機能は事業者に利用させることにした。ただし,サプライヤー向けの機能に位置付けられている商品カタログ登録機能と在庫管理機能については,事業者ではなく総務課で利用することができることを,購買PKGを選定する際の条件にした。また,A市の消耗品の購買業務で利用すると業務上支障を来す機能もあるので,特定の機能を利用できないように制限できることも選定条件にした。
〔管理システムに求める個別要件〕
プロジェクトチームの中で購買PKGの利用を検討したところ,A市の集中購買化後の運用を想定した場合に,主要機能に加えて次に示す機能が必要という意見が挙がった。
- 消耗品の各部門への払出し方法に基づき,商品カタログ注文機能を利用して納入指示する際に,注文内容にある指定ができるようにしたい。
- 商品カタログ注文機能について,ある理由で年度末間際の一定期間は,各部門で利用できないようにしたい。
- 在庫管理機能をある用途で利用できるようにしたい。その際,ある状況のときに,物品ごとの在庫数の増減ができるようにしたい。
上記の意見に対して,標準機能又は簡易な設定で満たすことができる購買PKGを選定し,できる限りカスタマイズをしないで対応する方針とした。
設問と解答・解説
設問1
〔消耗品の集中購買化の検討〕について,総務課が事業者から受領した請求書の請求内容を確認する際に,表1のどの機能を利用し,請求金額が何と一致することを確認するのか。
(1)
表1中の機能名を一つ挙げよ。
模範解答
データ集計機能
採点基準(配点 5点)
正確性(内容)(5点)
- 5点: 「データ集計機能」と正確に解答している。
- 2点: 軽微な誤字脱字があるが、指定された機能であることが明確にわかる。
- 0点: 誤答または無解答。
解説
総務課が請求内容を確認する業務において、システム上で金額を集計し突合する機能について問われています。
表1に挙げられている機能のうち、請求金額など複数のデータをまとめ上げる用途に該当するのは データ集計機能 です。
高得点のポイント
- 表1の中から正確に「データ集計機能」を抜き出していること。
(2)
請求金額との一致を確認する金額を25字以内で答えよ。
模範解答
当該事業者の前月の検収済商品の合計金額
採点基準(配点 5点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: 「事業者の前月の検収済商品の合計金額」というすべての条件要素を満たして記述している。
- 2点: 「前月の」や「検収済」など条件の一部が欠落しているが、概ね妥当な金額を示している。
- 1点: 事業者の請求額に関連するものであることはわかるが、集計の条件に関する記述が不十分である。
- 0点: 誤答または無解答。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 指定文字数内で、文脈として正しい日本語で構成されている。
- 1点: 意味は通じるが、文のつながりや表現にやや不自然な点がある。
- 0点: 意味不明、または論理が完全に破綻している。
解説
データ集計機能を用いて請求書の金額と突き合わせる対象について問われています。
問題文の状況から、事業者が請求する金額は、前月に納品され検収が完了した商品の代金となります。したがって、一致を確認すべき金額は 当該事業者の前月の検収済商品の合計金額 です。条件の一部(「前月の」「検収済みの」など)が抜け落ちないようにまとめる必要があります。
高得点のポイント
- 「当該事業者」の金額であることが示されていること。
- 対象期間が「前月」であることが示されていること。
- 単なる納品金額ではなく「検収済商品」の「合計金額」であることが明記されていること。
設問1は,機能名の正答率は高かったものの,金額の正答率は平均的であった。請求書の請求金額との一致を確認するために,どのような条件で金額を集計して確認するかを問う問題であったが,条件の一部が記載されていない解答が多かった。本文中の記述からデータ集計機能を利用した金額の集計方法をイメージして,正答を導き出してほしい。
設問2
〔機能要件の整理〕について,A市の消耗品の購買業務で利用すると業務上支障を来すと判断した機能を表1中の機能名から二つ答えよ。また,業務上支障を来すと判断した理由をそれぞれ25字以内で答えよ。
(1)
1つ目の機能名を答えよ。
模範解答
相見積取得及びスポット注文機能
採点基準(配点 5点)
正確性(内容)(5点)
- 5点: 「相見積取得及びスポット注文機能」と正確に解答している。
- 2点: 軽微な誤字脱字があるが、指定された機能であることが明確にわかる。
- 0点: 誤答または無解答。
解説
消耗品の購買において、パッケージの標準機能のままだと業務に支障が出る機能の1つ目(順不同ですが、模範解答では「相見積取得及びスポット注文機能」)を答える問題です。
A市の規定に基づき、業者や単価はあらかじめ契約で決められているため、都度相見積もりを取ったりスポットで注文したりする機能は不要であり、誤って利用されると問題が生じます。
高得点のポイント
- 表1から「相見積取得及びスポット注文機能」を正確に抜き出していること。
(2)
1つ目の機能を業務上支障を来すと判断した理由を25字以内で答えよ。
模範解答
調達は,A市規定類に基づく必要があるから
採点基準(配点 5点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: 調達がA市規定類に基づく必要があるという理由が過不足なく記述されている。
- 2点: 規定等に基づくことはわかるが、表現が曖昧または部分的な記述に留まっている。
- 1点: 関連するキーワードは含まれるが、理由として不十分である。
- 0点: 機能名は合っているが理由は的外れ、または無解答。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 指定文字数内で、理由として自然で明確な日本語になっている。
- 1点: 若干の不自然さがあるが意味は通じる。
- 0点: 意味不明、または論理が破綻している。
解説
「相見積取得及びスポット注文機能」を利用することが業務上支障を来す理由について問われています。
A市における調達は A市規定類に基づく ものであり、随意の業者から都度相見積もりを取ってスポットで調達することは規定違反となるためです。
高得点のポイント
- A市の「規定類に基づく必要がある」という制約を理由として挙げていること。
(3)
2つ目の機能名を答えよ。
模範解答
商品単価変更機能
採点基準(配点 5点)
正確性(内容)(5点)
- 5点: 「商品単価変更機能」と正確に解答している。
- 2点: 軽微な誤字脱字があるが、指定された機能であることが明確にわかる。
- 0点: 誤答または無解答。
解説
業務上支障を来す機能の2つ目(模範解答では「商品単価変更機能」)を答える問題です。
消耗品の単価は事前の契約で固定されているため、システム上で利用者が単価を変更できてしまうと、契約金額と齟齬が生じ業務に支障を来します。
高得点のポイント
- 表1から「商品単価変更機能」を正確に抜き出していること。
(4)
2つ目の機能を業務上支障を来すと判断した理由を25字以内で答えよ。
模範解答
単価は契約時に定められているから
採点基準(配点 5点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: 単価が契約時に既に定められているという理由が明確に記述されている。
- 2点: 契約に基づくことはわかるが、単価固定に関する記述がやや曖昧である。
- 1点: キーワードはあるが、理由の体をなしていない。
- 0点: 誤答または無解答。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 指定文字数内で、理由として自然で明確な日本語になっている。
- 1点: 若干の不自然さがあるが意味は通じる。
- 0点: 意味不明、または論理が破綻している。
解説
「商品単価変更機能」を利用することが業務上支障を来す理由について問われています。
A市の集中購買における商品の 単価は契約時に定められている ため、現場の担当者などがシステム上で任意の単価に変更できてしまうことは不適切です。
高得点のポイント
- 「単価」が「契約時に定められている」ため変更不可であることを明確に述べていること。
設問2は,機能名の正答率は平均的であったものの,理由については正答率がやや低かった。業務上支障を来すと判断した機能を問う問題であったが,機能名は正答であるものの,当該機能を利用することが業務上なぜ問題となるのかを,本文中の記載から正しく理解できていない解答が散見された。
設問3
〔管理システムに求める個別要件〕について答えよ。
(1)
納入指示の際に指定ができるようにしたい内容を10字以内で答えよ。
模範解答
納入する施設
採点基準(配点 5点)
正確性(内容)(5点)
- 5点: 「納入する施設」と正確に解答している。
- 2点: 軽微な表現の揺れがあるが、同じ内容を指していると判断できる。
- 0点: 誤答または無解答。
解説
納入指示において指定する内容について問われています。
各部門が必要な消耗品を注文する際、それがどの場所(施設)に届けられるべきかを指定する必要があります。本文中の記述から 納入する施設 を指定できるようにすることが要件となります。
高得点のポイント
- 「納入する施設」を過不足なく簡潔に解答していること。
(2)
商品カタログ注文機能について,各部門が年度末間際の一定期間利用できないようにしたい理由を40字以内で答えよ。
模範解答
A市規定類に基づき,納入が年度内の契約期間内に完了される必要があるから
採点基準(配点 5点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: A市規定類に基づき、年度内の契約期間内に納入・完了させる必要がある点が過不足なく記述されている。
- 2点: 「契約期間内に完了」または「A市規定類」のいずれかの要素が欠けているが、要点は押さえている。
- 1点: 発注予定数量の調整や検収に関する誤った理由が混在しているが、年度内処理の必要性には触れている。
- 0点: 発注数量調整のみなど、全く異なる理由を挙げている、または無解答。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 理由として論理的で明確な文になっている。
- 1点: 文のつながりが少し不自然だが意味は通じる。
- 0点: 論理が破綻している。
解説
年度末間際に商品カタログ注文機能を利用できないようにする運用上の理由を問う問題です。
A市の規定類では、納入が年度内の契約期間内に完了される必要がある という制約があります。年度末ぎりぎりに発注すると、納入や検収が次年度にずれ込む恐れがあるため、一定期間前からシステムでの注文を停止する必要があります。
高得点のポイント
- 「A市規定類に基づき」という大前提に触れていること。
- 「年度内の契約期間内に完了」させる必要があることを理由として明記していること。
(3)
在庫管理機能を利用する用途は何か。30字以内で答えよ。
模範解答
契約上の発注予定数量の範囲内かどうかを管理する。
採点基準(配点 5点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: 発注予定数量の範囲内かどうかを管理するという目的が正確に記述されている。
- 2点: 予定数量の管理であることはわかるが、表現が不十分である。
- 1点: 在庫管理の転用に関する言及はあるが、目的が不明確である。
- 0点: 本来の物品在庫の管理など、見当外れの回答または無解答。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 簡潔でわかりやすい用途の説明になっている。
- 1点: 少し冗長、または表現に曖昧さがある。
- 0点: 意味不明、または論理が破綻している。
解説
在庫管理機能を仮想的に利用する用途について問われています。
A市における消耗品の集中購買では、実際の倉庫在庫ではなく、契約上の発注予定数量 を上限(仮想的な在庫)とみなして管理します。つまり、各部門からの注文がこの予定数量の範囲内に収まっているかを管理するために在庫管理機能を転用します。
高得点のポイント
- 在庫管理機能を「契約上の発注予定数量の範囲内かどうか」を管理するために用いることを記述していること。
(4)
どのような状況のときに,物品ごとの在庫数の増減ができるようにしたいか。40字以内で答えよ。
模範解答
契約上の総額を超えない範囲で,物品ごとの発注予定数量を調整したいとき
採点基準(配点 5点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: 契約上の総額を超えない範囲で、発注予定数量を調整したいときという状況が正確に記述されている。
- 2点: 調整したい状況は記述されているが、「総額を超えない範囲」等の重要な制約条件が欠けている。
- 1点: 断片的なキーワードのみで状況が伝わらない。
- 0点: 誤答または無解答。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 状況を説明する文として論理的に構成されている。
- 1点: 文脈がやや不自然だが意図は伝わる。
- 0点: 意味不明、または論理が破綻している。
解説
システム上で物品ごとの「在庫数(=発注予定数量)」を増減させる状況について問われています。
ある物品の予定数量が不足し、他の物品に余力がある場合など、契約上の総額を超えない範囲で、物品ごとの発注予定数量を調整したいとき に仮想在庫数の増減処理を行います。
高得点のポイント
- 「契約上の総額を超えない範囲」という制約条件を明記していること。
- 「物品ごとの発注予定数量を調整したい」状況であることを記述していること。
設問3(2)は,正答率が低かった。A市規定類の改正を行わないことによる運用上の制約を問う問題であったが,発注予定数量の調整や検収に関することを理由としている解答が散見された。本文中に記載されているA市規定類に基づく運用上の制約を正しく理解した上で,正答を導き出してほしい。