令和7年度 春期 システムアーキテクト試験 午後II 問2 現新システムの差異を踏まえたデータ移行(論文)

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この問題は2025(R7)春 システムアーキテクト 午後IIに出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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学習ガイド

システム刷新に伴うデータ移行を、現行と新システムの差異を軸に論じる問題です。解答例は公表されないので、講評から合格答案の条件を読み取ります。移行のタイミングや手順は多くの受験者が書けていた一方、現新システムの仕様やデータ構造の差異を明確にせず、実施したことの羅列に終わる答案が課題とされました。どんな差異があり、それゆえどんな変換・検証が必要だったかという因果を明示する構成が必須です。

この記事で押さえる論点

  • 現行と新システムの仕様・データ構造の差異を明確に述べる
  • データマッピングや変換ルールなど差異への対応方法を論述する
  • 移行タイミングと実施方法を作業時間・品質の観点で選択する

問題本文

現行システムと新システム間の差異を踏まえたデータ移行について

情報システムの刷新や企業統合などを背景にして,現行システムの取引先や仕訳などの重要なデータを新システムに移行することが多い。その際システムアーキテクトは,現行システムから新システムへのデータ移行方法を設計し,移行計画を立案する。

データ移行方法の設計では,現行システムのデータの意味や値のバリエーションなどを調査する。調査した結果から判明した現行システムと新システム(以下,現新システムという)の仕様やデータ構造などの差異を踏まえた,データマッピングやデータ変換ルールの策定,さらにデータクレンジングなどを検討する。現新システムのデータのもち方や粒度に差異がある場合,例えば次のように移行データの仕様や特性に応じてシステム面及び業務面での移行方法を検討する。

  • 複数の現行システムに同じ取引先のデータが存在する場合,データの更新頻度が最も高いシステムのデータを移行元システムとして移行する。
  • 仕訳データを移行する場合,勘定科目を統合するのであればバッチ処理で金額を合算し,分割するのであれば分割後の勘定科目ごとの金額を画面から入力する。
  • 売上データを税込金額で保有している現行システムと税抜金額で保有している現行システムがある場合,税抜金額にそろえて移行する。

移行計画の立案では,適切な移行タイミングを検討することが重要である。さらに,移行日に全てのデータを一括して移行する方法や,事前に一部のデータを移行し,その後の差分を蓄積して移行日に反映する方法など,実施方法を検討することも重要である。その際,作業時間や作業品質などの観点を含めた移行計画の検討が必要である。

あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って記述せよ。

設問と解答・解説

設問ア

あなたが携わったデータ移行について,対象とする業務及び情報システムの概要,データ移行が必要となった背景について,400字以上800字以内で述べよ。

模範解答

模範解答は公表されていません。下の採点基準と解説から、解答に求められる要素を読み取ってください。

採点基準(配点 34点)

知識・理解度(内容)(20点)

  • 20: 対象とする業務及び情報システムの概要とデータ移行が必要となった背景が、システムアーキテクトの視点から具体的に過不足なく述べられている。
  • 15: 対象とする業務及び情報システムの概要とデータ移行が必要となった背景が、概ね明確に述べられている。
  • 10: 対象とする業務及び情報システムの概要とデータ移行が必要となった背景が記述されているが、具体性や詳細さにやや欠ける。
  • 5: 業務・システムの概要や背景の記述が断片的であり、全体像が把握しづらい。
  • 0: 設問で求められている概要や背景が全く記述されていない。

論理性(構造)(14点)

  • 14: 業務・システムの概要とデータ移行の背景との間に明確な論理的つながりがあり、後続の設問の前提として優れた一貫性がある。
  • 10: 業務・システムの概要とデータ移行の背景との間に論理的なつながりがあり、後続の設問の前提として適切である。
  • 7: 業務・システムの概要とデータ移行の背景との論理的なつながりが一応認められる。
  • 3: 記述内容に矛盾や論理の飛躍が見られ、一貫性が乏しい。
  • 0: 論理的な構成が全くなされておらず、内容が破綻している。

解説

設問の目的と背景

情報システムの刷新や企業統合などに伴って新システムを構築する際、システムアーキテクトには現行システムからの円滑なデータ移行計画を立案する能力が求められます。本問では、受験者がこれまでに携わったデータ移行の事例を通じて、対象業務・情報システムの全体像と、なぜデータ移行が必要になったのかという背景を明確に論述できるかを確認します。

高得点のポイント

  • 業務及び情報システムの概要: 対象となる業務範囲やシステムの役割が第三者にもわかりやすく具体的に説明されていること。
  • データ移行の背景: システム刷新や統合など、データ移行を必要とした理由が論理的に説明されており、後続の設問(差異や移行方法の検討)の前提として一貫性があること。

設問イ

設問アで述べたデータ移行において,現新システムにはどのような仕様やデータ構造などの差異があったか。その差異を踏まえたシステム面及び業務面での移行方法を,800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。

模範解答

模範解答は公表されていません。下の採点基準と解説から、解答に求められる要素を読み取ってください。

採点基準(配点 33点)

知識・理解度(内容)(15点)

  • 15: 現新システム間の仕様やデータ構造などの差異が極めて明確かつ具体的に記述されている。
  • 11: 現新システム間の仕様やデータ構造などの差異が概ね明確に記述されている。
  • 7: 現新システム間の差異が記述されているが、具体性にやや欠ける。
  • 3: 現新システム間の差異に関する記述が曖昧であり、不十分である。
  • 0: 現新システム間の差異に関する記述が全くない。

説得力(考察)(18点)

  • 18: 明示した差異を踏まえ、システム面(データマッピング等)および業務面での具体的な移行方法が、実践的かつ非常に高い説得力をもって論述されている。
  • 14: 差異を踏まえたシステム面および業務面での移行方法が適切に論述されており、説得力がある。
  • 9: システム面および業務面での移行方法が記述されているが、差異との関連付けや考察の深さにやや欠ける。
  • 4: 移行方法が単なる実施事項の列挙にとどまっており、考察や説得力が乏しい。
  • 0: 移行方法について有効な考察が全く記述されていない。

解説

設問の目的と背景

本問では、現行システムと新システム間の仕様やデータ構造の差異を正しく把握し、それに基づいた具体的な対応策(データマッピングや変換ルールの策定など)を検討できる能力を評価します。実施した事項の単なる羅列ではなく、移行データの仕様や特性に応じたシステム面・業務面双方からのアプローチが求められます。

高得点のポイント

  • 差異の明確化: 現行システムと新システムの間で生じている仕様・データ構造の違いが具体的に指摘されていること。
  • システム面での移行方法: データ変換ルールの策定やマッピングの手法が実践的に述べられていること。
  • 業務面での移行方法: システム面の対応に伴って発生する業務プロセスへの影響や、業務部門と連携した対応策が説得力を持って論述されていること。

設問ウ

設問アで述べたデータ移行において,データの移行タイミングと実施方法を,移行計画を検討した観点を踏まえて,600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。

模範解答

模範解答は公表されていません。下の採点基準と解説から、解答に求められる要素を読み取ってください。

採点基準(配点 33点)

知識・理解度(内容)(15点)

  • 15: 作業時間や作業品質など、移行計画を検討した観点がシステムアーキテクトの視点から明確かつ多角的に示されている。
  • 11: 移行計画を検討した観点が適切かつ概ね明確に示されている。
  • 7: 移行計画を検討した観点が記述されているが、視点が限定的であるなどやや具体性に欠ける。
  • 3: 移行計画を検討した観点の記述が不十分または曖昧である。
  • 0: 移行計画を検討した観点が全く記述されていない。

説得力(考察)(18点)

  • 18: 提示した検討観点に基づき、データの移行タイミングと実施方法が非常に妥当かつ具体的に論述されており、高い説得力がある。
  • 14: 検討観点に基づいたデータの移行タイミングと実施方法が適切に論述されており、説得力がある。
  • 9: 移行タイミングと実施方法が記述されているが、検討観点との結びつきや考察の深さにやや欠ける。
  • 4: 実施したタイミングや方法の単なる記述にとどまり、検討の経緯や考察が乏しい。
  • 0: 移行タイミングと実施方法についての具体的な記述や有効な考察が全くない。

解説

設問の目的と背景

移行計画の立案においては、作業時間や作業品質などの制約事項を考慮し、最適な移行タイミングと実施方法を選択することが不可欠です。本問では、システムアーキテクトとしての全体俯瞰的な観点から、いつ・どのようにデータを移行するかを論理的に検討・立案した経験が評価されます。

高得点のポイント

  • 移行計画の検討観点: 作業時間(ダウンタイムなど)や作業品質(データの正確性・整合性など)といった観点が明確に示されていること。
  • 移行タイミングと実施方法: 検討した観点に基づき、一斉移行や段階的移行などの適切なタイミングと、具体的な実施手順・方法が説得力を持って述べられていること。