昭和63年度 宅地建物取引主任者資格試験 問15
権利関係不動産登記法
不動産登記に関する次の記述のうち, 誤っているものはどれか。
※ 区分所有建物
建物の区分所有等に関する法律第2条第1項に規定する区分所有権の目的である建物をいう。
解答・解説
正解: 3. 二つの登記所の管轄区域にまたがっている一個の不動産の登記簿は, どちらの登記所においても備えられている。
正解の根拠
不動産が二つ以上の登記所の管轄区域にまたがる場合、関係登記所を監督する法務局長等(管轄が異なる法務局にまたがる場合は法務大臣)が、その不動産に関する登記の事務をつかさどる管轄登記所を指定します。
したがって、複数の登記所のどちらにも登記記録が備えられるわけではなく、指定された一方の登記所でのみ取り扱われます。
各選択肢の解説
- 1. 正しい
登記記録は、不動産の物理的状況を記録する表題部と、権利関係を記録する権利部に区分されます。さらに権利部は、所有権に関する事項を記録する甲区と、所有権以外の権利に関する事項を記録する乙区に分けられます。本肢の記述は正しい内容です。 - 2. 正しい
誰でも、手数料(および送付の場合は郵送料)を納付して、登記事項証明書(旧法下の登記簿謄本)の交付や送付を請求することができます。 - 3. 誤り
上記「正解の根拠」の通り、管轄がまたがる不動産については、管轄指定を受けた一つの登記所においてのみ登記記録が備えられます。どちらの登記所にも備えられているとする本肢は誤りです。 - 4. 正しい
出題当時の不動産登記法では、区分所有建物については、一棟の建物全体で1つの登記用紙が備えられ、その内容は「一棟の建物の表題部」と、「各専有部分ごとの表題部・甲区・乙区」で構成されていました。本肢の記述は正しい内容です。
現行法での扱い(2026年4月1日時点)
2005年3月7日施行の不動産登記法の全部改正により、登記の仕組みが変更されました。出題当時は、一棟の区分建物に属する全部について一つの登記用紙を備えていました。現行法では、区分建物も専有部分ごとに登記記録が作成されるため、一棟全体に一つの用紙を備える仕組みはありません。これにより選択肢4も誤りとなり、現行法では正解が複数になります。