平成9年度 宅地建物取引主任者資格試験 問4
権利関係時効
この問題は1997年度(H9)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
本ページの問題文・選択肢は、原本の体裁を Web 表示用に正規化しています(改行・記号・表組みの調整)。設問の趣旨および正解に影響する変更は加えていません。
AがBに対して有する100万円の貸金債権の消滅時効に関する次の記述のうち, 民法の規定及び判例によれば, 正しいものはどれか。
解答・解説を読む
正解: 選択肢3
正解の根拠
正解は 選択肢3 です。
物上保証人(自己の財産を他人の債務の担保に供した者)は、被担保債権が消滅することによって直接利益を受ける者に該当します。そのため、民法の規定上、消滅時効を援用することができる正当な利益を有する者(民法145条)に当たります。したがって、物上保証人Cは、Aの有する債権の消滅時効を援用して、Aに抵当権の抹消を求めることができます。
各選択肢の解説
選択肢1:誤り
弁済期を定めない消費貸借契約の場合、債権者は契約成立後、相当の期間を定めて返還の催告をすることができます。そのため、その相当期間が経過した時から(あるいは権利を行使することができる時から)消滅時効が進行を開始します。「いつまでも時効によって消滅することはない」という記述は誤りです。選択肢2:誤り
裁判上の和解などにより確定判決と同一の効力を有するもので確定した権利については、その消滅時効期間は原則として10年となります。しかし、和解において「1年後に支払う」と支払猶予(期限の猶予)が与えられている場合、その債権の消滅時効は和解成立の時ではなく、猶予された期限が到来した時(1年後)から進行を開始します。選択肢3:正しい
上記の「正解の根拠」で述べたとおり、物上保証人は被担保債権の消滅時効を援用して、抵当権の抹消を求めることができます。選択肢4:誤り
他の債権者(D)が行った強制執行手続に対して、抵当権者(A)が債権の届出(配当要求)をした場合、これは「催告」としての効力を有するにとどまります。そのため、時効の更新(旧法における「中断」)の効力を確定的に生じさせるには、さらに6箇月以内に裁判上の請求等の手続を行う必要があります。したがって、債権の届出をしただけでは、時効の更新(中断)の効力は生じません。