平成10年度 宅地建物取引主任者資格試験 問36

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと宅地の売買契約を締結しようとし、又は締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

解答・解説

正解: 2. 売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を売買代金の額の2割と予定した場合には、違約金を定めることはできない。

正解の根拠

宅地建物取引業者(宅建業者)が自ら売主となり、宅建業者でない者が買主となる場合のいわゆる「8種制限」に関する問題です。
宅建業法では、損害賠償額の予定と違約金を定める場合、その 合計額が売買代金の2割を超えてはならない と規定されています。本肢では損害賠償額の予定をすでに売買代金の2割と定めているため、これに加えて違約金を定めることはできません。したがって、選択肢2が正しい記述となります。

各選択肢の解説

  • 選択肢1(誤り)
    宅建業者は、受領しようとする支払金や預り金について保全措置を講ずる義務がありますが、売買代金等に充当されない預り金については、保全措置を講ずる義務の対象外となります。

  • 選択肢2(正しい)
    上記の通り、損害賠償額の予定と違約金の合計額は 売買代金の2割 が上限です。すでに損害賠償額の予定として2割を定めているため、さらに違約金を定めることはできません。

  • 選択肢3(誤り)
    クーリング・オフによる契約解除ができるかどうかは、買受けの申込みをした場所 が基準となります。本肢では、買主Bが Aの事務所 で申込みをしているため、その後どこで契約を締結したかにかかわらず、クーリング・オフによる解除はできません。

  • 選択肢4(誤り)
    宅建業者が自ら売主となる場合、宅地の瑕疵担保責任(契約不適合責任)について、「引渡しの日から2年以上」 とする特約を除き、民法の規定よりも買主に不利な特約は無効となります。引渡しの日から1年とする特約は買主に不利であるため無効です。また、損害賠償額の予定の有無は、この特約の制限に関係ありません。

Spineチーム