平成14年度 宅地建物取引主任者資格試験 問6

権利関係抵当権・担保物権

この問題は2002年度(H14)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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Aは, Bに対する貸付金債権の担保のために, 当該貸付金債権額にほぼ見合う評価額を有するB所有の更地である甲土地に抵当権を設定し, その旨の登記をした。その後, Bはこの土地上に乙建物を築造し, 自己所有とした。この場合, 民法の規定及び判例によれば, 次の記述のうち正しいものはどれか。

解答・解説を読む

正解: 選択肢4

正解は 4 です。

正解の根拠

更地に抵当権が設定された後に建物が築造された場合、抵当権者は土地とともに建物を一括して競売することができるという 一括競売 の制度が民法で定められています(民法第389条1項本文)。ただし、抵当権の効力は本来建物には及ばないため、優先弁済権は 土地の代金 についてのみ行使することができます(同項ただし書)。したがって、選択肢4の記述は正しい内容となります。

各選択肢の解説

  • 選択肢1:誤り
    抵当権は目的物の 交換価値 を把握する担保物権であり、設定者の 使用収益権 を奪うものではありません(民法第369条1項)。したがって、更地に抵当権が設定された後に設定者Bが建物を築造する行為は、原則として抵当権を侵害する行為とはならず、Aが乙建物の収去を求めることはできません。
  • 選択肢2:誤り

法定地上権(民法第388条)が成立するためには、「抵当権設定当時に土地の上に建物が存在すること」が必要です。本件では1番抵当権(A)設定時には建物が存在していません。この場合、たとえ2番抵当権(C)設定時に建物が存在していたとしても、法定地上権は成立しません。もし法定地上権の成立を認めると、更地として評価し担保を取得した1番抵当権者Aに不測の損害を与えることになるためです(判例)。

  • 選択肢3:誤り
    選択肢2と同様の理由から誤りです。1番抵当権(A)設定時に更地であった以上、後順位抵当権(D)の実行によって土地と建物の所有者が異なるに至ったとしても、法定地上権は成立しません(判例)。
  • 選択肢4:正しい
    上記の「正解の根拠」で述べた通り、民法第389条1項に規定される 一括競売 の要件を満たすため、本肢は正しい記述です。