平成12年度 宅地建物取引主任者資格試験 問3

権利関係抵当権・担保物権

この問題は2000年度(H12)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

本ページの問題文・選択肢は、原本の体裁を Web 表示用に正規化しています(改行・記号・表組みの調整)。設問の趣旨および正解に影響する変更は加えていません。

Aが, Bに賃貸している建物の賃料債権の先取特権に関する次の記述のうち, 民法の規定及び判例によれば, 誤っているものはどれか。

解答・解説を読む

正解: 選択肢3

本問は、建物の賃貸人の先取特権に関する問題であり、誤っている記述を選択するものです。正解は選択肢3です。先取特権の物上代位を行使するためには、払渡しまたは引渡し前の差押えが必要となります。

各選択肢の解説

  • 選択肢1(正しい)
    建物の賃貸人の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在します(民法311条、313条2項)。この「備え付けた動産」には、家具類などの什器だけでなく、賃借人が自己使用のために持ち込んだ時計や宝石類などの日常の携帯品も含まれます。
  • 選択肢2(正しい)
    賃借人が賃借権を譲渡または転貸した場合、賃貸人の先取特権は、譲受人または転借人の動産にも及びます(民法314条)。したがって、転貸された場合、賃貸人Aは転借人Cが建物内に所有する動産に対しても先取特権を有します。
  • 選択肢3(誤り・正解)
    先取特権は、その目的物の売却などによって債務者が受けるべき金銭等に対しても行使することができます(物上代位、民法304条1項)。ただし、この権利を行使するには、その払渡しまたは引渡しの前に差押えをしなければなりません。選択肢のように「払渡し前に差押えをしないで」行使することはできないため、この記述は誤りです。
  • 選択肢4(正しい)
    賃貸人が敷金を受け取っている場合、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有します(民法316条)。すなわち、賃料債権の額から敷金を差し引いた残額についてのみ先取特権が認められます。