令和4年度 春期 応用情報技術者試験 午後 問2 ゲーム理論を活用した設備投資・商品戦略の選択と費用構造の最適化

学習ガイド

化粧品メーカーが収益性改善に向けて事業戦略を見直す場面を取り上げています。問われるのは、固定費が利益に与える影響やゲーム理論を用いた意思決定、さらにはOEM活用による費用構造の変革です。本文前半から固定費比率の課題を把握し、表1と表2の数値をゲーム理論の枠組みに当てはめて選択すべき戦略を絞り込みます。後半の事業戦略案からは施策の狙いを丁寧に拾い上げましょう。

この記事で押さえる論点

  • 総費用に占める固定費割合の高さが営業利益の変動に及ぼす影響を説明できる
  • 不確実な景気変動の下でゲーム理論の意思決定基準を用いて設備投資案を選択できる理由を述べられる
  • 競合他社とのシェア争いにおけるナッシュ均衡の状態と中高価格帯注力の妥当性を説明できる
  • 自社製造からOEMへの切替えによる固定費削減と店舗・ECの連携効果を説明できる

問題本文

問2 化粧品製造販売会社でのゲーム理論を用いた事業戦略の検討に関する次の記述を読んで,設問1〜3に答えよ。

A社は,国内大手の化粧品製造販売会社である。国内に八つの工場をもち,自社で企画した商品の製造を行っている。販売チャネルとして,全国の都市に約30の販売子会社と約200の直営店をもち,更に加盟店契約を結んだ約2万の化粧品販売店(以下,加盟店という)がある。卸売会社を通さずに販売子会社から加盟店への流通チャネルを一本化して,販売価格を維持してきた。加盟店から加盟店料を徴収する見返りに,販売棚などの什器の無償貸出やA社の美容販売員の加盟店への派遣などのA社独自の手厚い支援を通じて,共存共栄の関係を築いてきた。化粧品販売では実際に商品を試してから購入したいという顧客ニーズが強く,A社の事業は加盟店の販売網による店舗販売が支えていた。また,各工場に隣接された物流倉庫から各店舗への配送は,外部の運送会社に従量課金制の契約で業務委託している。

A社の主な顧客層は,20〜60代の女性だが,近年は10代の若者層が増えている。取扱商品は,スキンケアを中心にヘアケア,フレグランスなど,幅広く揃えており,粗利益率の高い中高価格帯の商品が売上全体の70%以上を占めている。

〔A社の事業の状況と課題〕

A社の昨年度の売上高は7,600億円,営業利益は800億円であった。A社は,戦略的な観点から高品質なイメージとブランド力の維持に努め,工場及び直営店を自社で保有し,積極的に広告宣伝及び研究開発を行ってきた。A社では,売上高にかかわらず,これらの設備に係る費用,広告宣伝費及び研究開発費に毎年多額の費用を投入してきたので,総費用に占める固定費の割合が高い状態であった。

A社の過去3年の売上高及び営業利益は微増だったが,今年度は,売上高は横ばい,営業利益は微減の見通しである。A社は,これまで規模の経済を生かして市場シェアを拡大し,売上高を増やすことによって営業利益を増やすという事業戦略を採ってきたが,景気の見通しが不透明であることから,景気が悪化しても安定した営業利益を確保することを今後の経営の事業方針とした。①これまでの事業戦略は今後の経営の事業方針に適合しないので,主に固定費と変動費の割合の観点から費用構造を見直し,これに従った事業戦略の策定に着手した。

〔ゲーム理論を用いた事業戦略の検討〕

事業戦略の検討を指示された経営企画部は,まず固定費の中で金額が大きい自社の工場への設備投資に着目し,今後の設備投資に関して次の三つの案を挙げた。

(1) 積極案:全8工場の生産能力を拡大し,更に新工場を建設する。
(2) 現状維持案:全8工場の生産能力を現状維持する。
(3) 消極案:主要6工場の生産能力を現状維持し,それ以外の2工場を閉鎖する。

表1は,景気の見通しにおける設備投資案ごとの営業利益の予測である。それぞれの営業利益の予測は,過去の知見から信頼性の高いデータに基づいている。

表1 景気の見通しにおける設備投資案ごとの営業利益の予測
図の説明テキスト

表1 景気の見通しにおける設備投資案ごとの営業利益の予測
単位 億円

景気の見通し : 悪化 景気の見通し : 横ばい 景気の見通し : 好転
設備投資案 : 積極案 640 880 1,200
設備投資案 : 現状維持案 720 800 960
設備投資案 : 消極案 740 780 800

景気の見通しは不透明で,その予測は難しい。ここで,②設備投資案から一つの案を選択する場合の意思決定の判断材料の一つとしてゲーム理論を用いることが有効だった。この結果,A社の事業方針に従い a に基づくと,消極案が最適になることが分かった。

次に,これから最も強力な競合相手となるプレイヤーを加えたゲーム理論を用いた検討を行った。トイレタリー事業最大手B社が,3年前に化粧品事業に本格的に参入してきた。強力な既存の流通ルートを生かし,現在は低価格帯の商品に絞ってドラッグストアやコンビニエンスストアで販売して,化粧品の全価格帯を合わせた市場シェア(以下,全体市場シェアという)を伸ばしている。現在の全体市場シェアはA社が38%,B社が24%である。今後,中高価格帯の商品の市場規模は現状維持で,低価格帯の商品の市場規模が拡大すると予測しているので,両社の全体市場シェアの差は更に縮まると懸念している。

経営企画部は,これを受けて今後A社が注力すべき商品の価格帯について,次の二つの案を挙げた。ここから一つの案を選択する。

(1) A1案(中高価格帯に注力):粗利益率が高い中高価格帯の割合を更に増やす。
(2) A2案(低価格帯に注力):売上高の増加が見込める低価格帯の割合を増やす。

これに対して,B社もB1案(中高価格帯に注力)又はB2案(低価格帯に注力)から一つを選択するものとする。両社の強みをもつ市場が異なるので,中高価格帯市場で競合した場合は,A社がより有利に中高価格帯の市場シェアを獲得できる。逆に,低価格帯市場で競合した場合は,B社に優位性がある。表2は,A社とB社がそれぞれの案の下で獲得できる全体市場シェアを予測したものである。

表2 注力すべき商品の価格帯の案ごとの全体市場シェアの予測
図の説明テキスト

表2 注力すべき商品の価格帯の案ごとの全体市場シェアの予測
単位 %

全体市場シェアの予測 B社 B1案(中高価格帯に注力) B社 B2案(低価格帯に注力)
A社 A1案(中高価格帯に注力) 41 , 22 37 , 28
A社 A2案(低価格帯に注力) 36 , 24 35 , 30
注記 各欄の左側の数値は A 社の全体市場シェア,右側の数値は B 社の全体市場シェアの予測を表す。

A社とB社のそれぞれが,相手が選択する案に関係なく自社がより大きな全体市場シェアを獲得できる案を選ぶとすると,両社が選択する案の組合せは“A社はA1案を選択し,B社はB2案を選択する”ことになる。両社ともここから選択する案を変更すると全体市場シェアは減ってしまうので,あえて案を変更する理由がない。これをゲーム理論ではbの状態と呼び,A社はA1案を選択すべきであるという結果になった。“A1案とB2案”の組合せでのA社の全体市場シェアは37%で,現状よりも減少すると予測されたものの,③A社の全体の営業利益は増加する可能性が高いと考えた。

後日,経営企画部は,設備投資及び注力すべき商品の価格帯の検討結果を事業戦略案としてまとめ,経営会議で報告し,その内容についておおむね賛同を得た。一方,設備投資に関してaに基づくと消極案が最適となったことに対し,“景気好転のケースを想定して,顧客チャネルを拡充したらどうか。”という意見が出た。また,注力すべき商品の価格帯に関して中高価格帯を選択することに対し,“更に中高価格帯に注力することには同意するが,低価格帯市場はB社の独壇場になり,将来的に中高価格帯市場までも脅かされるのではないか。”という意見が出た。

〔事業戦略案の策定〕

経営企画部は,前回の経営会議での意見に従って事業戦略案を策定し,再び経営会議で報告した。

(1) 売上高重視から収益性重視への転換

  • 低価格帯中心の商品であるヘアケア分野から撤退する。
  • 主要6工場の生産能力は現状維持とし,主にヘアケア商品を生産している2工場を閉鎖する。
  • 不採算の直営店を閉鎖し,直営店数を現在の約200から半減させる。

(2) 新たな商品ラインの開発

  • 若者層向けのエントリーモデルとして低価格帯の商品を拡充する。中高価格帯の商品とは異なるブランドを作り,販売チャネルも変える。具体的には,自社製造ではなく④OEMメーカに製造を委託して需要の変動に応じて生産する。また,直営店や加盟店では販売せずに⑤ドラッグストアやコンビニエンスストアで販売し,A社の美容販売員の派遣を行わない。

(3) デジタル技術を活用した新たな事業モデルの開発

  • インターネットを介した中高価格帯の商品販売などのサービス(以下,ECサービスという)を開始する。2年後のECサービスによる売上高の割合を30%台にすることを目標にする。
  • 店舗サービスとECサービスとを連動させて,顧客との接点を増やす顧客統合システムを開発する。

新たな事業モデルにおけるECサービスでは,例えば,顧客がECサービスを利用して気になる商品があったら,顧客の同意を得てWeb上で希望する加盟店を紹介する。顧客がその加盟店に訪れるのが初めての場合でも,美容販売員は,顧客がECサービスを利用した際に登録した顧客情報を参照して的確なカウンセリングやアドバイスを行うことができるので,効果的な商品販売が期待できる。⑥この事業モデルであれば店舗サービスとECサービスとが両立できることを加盟店に理解してもらう。

経営企画部の事業戦略案は承認され,実行計画の策定に着手することになった。

設問と解答・解説

設問1

〔A社の事業の状況と課題〕について,(1),(2)に答えよ。

(1)配点 2点

A社として固定費に分類される費用を解答群の中から選び,記号で答えよ。

ア. 化粧品の原材料費
イ. 正社員の人件費
ウ. 製造ラインで作業する外注費
エ. 配送を委託する外注費

模範解答

選択肢イ: 正社員の人件費

解説

固定費 とは、売上高や生産量の増減に関わらず一定期間ごとに定額で発生する費用です。一方、変動費 は売上高や生産量に比例して増減する費用です。

各選択肢の解説

  • ア: 化粧品の原材料費は、商品の製造量に比例して増減するため、変動費に分類されます。
  • イ: 正解です。正社員の人件費は、生産量や売上高に関わらず毎月一定額が発生するため、固定費に分類されます。
  • ウ: 製造ラインで作業する外注費は、生産量に応じて発生額が変動するため、変動費に分類されます。
  • エ: 配送を委託する外注費は、本文中に「外部の運送会社に従量課金制の契約で業務委託している」とあり、配送量に応じて変動するため変動費に分類されます。
(2)配点 3点

本文中の下線①のこれまでの事業戦略が今後の経営の事業方針に適合しないのは,総費用に占める固定費の割合が高い状態が営業利益にどのような影響をもたらすからか。30字以内で述べよ。

模範解答

売上高の増減に対して営業利益の増減幅が大きくなる。

採点基準

知識・理解度(内容)2点
  • 2点: 売上高の増減に対して、営業利益の増減幅(変動)が大きくなることを明確に述べている。
  • 1点: 営業利益が大きく変動することには触れているが、売上高の増減との関係性が不明確である。
  • 0点: 内容が不適切、または無解答。
論理性(構造)1点
  • 1点: 文脈として自然な日本語で構成されている。
  • 0点: 日本語として不自然である、または文意が読み取れない。

解説

A社はこれまで、売上高の拡大により営業利益を増やす事業戦略を採ってきました。しかし、本文〔A社の事業の状況と課題〕に「総費用に占める固定費の割合が高い状態」とあるように、固定費 の割合が高い費用構造(営業レバレッジが高い状態)では、売上高が増加する局面では利益が大きく伸びる一方、景気悪化などで売上高が減少すると、固定費を回収しきれず営業利益が急激に減少するリスクがあります。
今後の「景気が悪化しても安定した営業利益を確保する」方針には適合しません。

高得点のポイント

  • 売上高の増減が営業利益の増減に大きく影響する構造であることを明示する。
  • 利益の「増減幅」や「変動」が大きくなることに触れている。

設問1(2)は,正答率がやや低かった。これまでA社は,売上高を増やすことで営業利益を増やすという事業戦略を採ってきた。売上高が増加すると,総費用に占める固定費の割合が高いので,営業利益の増加に大きくプラスに働いていた。しかし,景気が悪化すると,売上高が減少しても固定費は減らないので,逆に営業利益を減少させる方向に強く働くことを理解してほしい。

設問2

〔ゲーム理論を用いた事業戦略の検討〕について,(1)〜(3)に答えよ。

(1)配点 3点

本文中の下線②について,設備投資案の選択にゲーム理論を用いることが有効だったが,それは表1中の景気の見通し及び営業利益の予測がそれぞれどのような状態で与えられていたからか。30字以内で述べよ。

模範解答

景気の見通しの予測は難しいが営業利益は予測できる。

採点基準

知識・理解度(内容)2点
  • 2点: 景気の見通しの予測が困難であることと、営業利益が予測できることの両方に言及している。
  • 1点: 景気の見通しか、営業利益のいずれか一方の状況についてのみ言及している。
  • 0点: 内容が不適切、または無解答。
論理性(構造)1点
  • 1点: 両者の状態が対比され、自然な日本語で記述されている。
  • 0点: 日本語として不自然である、または文意が読み取れない。

解説

ゲーム理論は、将来起こり得る複数の状態が予測できるものの、それぞれの発生確率が不明な場合の意思決定に有効な手法です。
本文の〔ゲーム理論を用いた事業戦略の検討〕では、「景気の見通しは不透明で、その予測は難しい」と発生確率が不明である一方、「それぞれの営業利益の予測は、過去の知見から信頼性の高いデータに基づいている」と各状態における結果(利得)は予測可能であることが示されています。

高得点のポイント

  • 「景気の見通し」の予測が困難である(不透明である)ことを示している。
  • 「営業利益」の予測は可能である(データに基づいている)ことを示している。
(2)配点 2点

本文中の a に入れる適切な字句を解答群の中から選び,記号で答えよ。

ア. 混合戦略
イ. ナッシュ均衡
ウ. パレート最適
エ. マキシマックス原理
オ. マキシミン原理

模範解答

選択肢オ: マキシミン原理

解説

A社の今後の事業方針は「景気が悪化しても安定した営業利益を確保すること」です。表1を確認すると、最悪の事態である「景気の見通し:悪化」の場合の営業利益の予測は、積極案が640億円、現状維持案が720億円、消極案が740億円となっています。
このように、各戦略における最悪の結果(最小利得)を比較し、その中で最も良い結果(最大)をもたらす戦略を選ぶ意思決定の基準を マキシミン原理 と呼びます。この原理に基づき、悪化時の利益が最も大きい「消極案」が最適となります。

各選択肢の解説

  • ア: 混合戦略は、相手の戦略に応じて複数の戦略を一定の確率でランダムに選択する手法であり、本問のケースには該当しません。
  • イ: ナッシュ均衡は、非協力ゲームにおいて互いに最適な戦略を選択し合い、単独で戦略を変更する動機がない状態を指します。
  • ウ: パレート最適は、ある者の利益を増やすためには他の者の利益を減らさざるを得ない、全体として無駄のない状態を指します。
  • エ: マキシマックス原理は、最大利得が最も大きくなるような楽観的な戦略を選択する基準です。本問では積極案(1,200億円)を選ぶことになります。
  • オ: 正解です。
(3)配点 2点

本文中の b に入れる適切な字句を解答群の中から選び,記号で答えよ。

ア. 混合戦略
イ. ナッシュ均衡
ウ. パレート最適
エ. マキシマックス原理
オ. マキシミン原理

模範解答

選択肢イ: ナッシュ均衡

解説

本文の表2において、A社は相手(B社)の選択に関わらず「A1案」を選択する方がシェアが高く(B1案なら 41>3641 > 36、B2案なら 37>3537 > 35)、B社も相手(A社)の選択に関わらず「B2案」を選択する方がシェアが高くなります(A1案なら 28>2228 > 22、A2案なら 30>2430 > 24)。
このように、互いに相手の戦略を所与とした上で自身の利益を最大化する戦略を選んでおり、どちらのプレイヤーも単独で戦略を変更することによってこれ以上利益を増やせない安定した状態を ナッシュ均衡 と呼びます。

各選択肢の解説

  • ア: 混合戦略は、確率的に複数の戦略を混ぜて使う手法です。
  • イ: 正解です。
  • ウ: パレート最適は、資源配分において誰かの状況を悪化させずに他の誰かの状況を良くすることができない状態を指します。
  • エ: マキシマックス原理は、自らの最大利得のみに注目する意思決定基準です。
  • オ: マキシミン原理は、最悪の事態における利得を最大化する意思決定基準です。
(4)配点 3点

本文中の下線③について,このように考えた理由を,25字以内で述べよ。

模範解答

中高価格帯の商品は粗利益率が高いから

採点基準

知識・理解度(内容)2点
  • 2点: 中高価格帯の商品が、粗利益率が高いことに明確に言及している。
  • 1点: 粗利益率が高いことには触れているが、対象(中高価格帯)が不明確である。
  • 0点: 内容が不適切、または無解答。
論理性(構造)1点
  • 1点: 理由を問う設問に対し、適切な文末(〜から、等)で結ばれている、または自然な文脈である。
  • 0点: 日本語として不自然である、または文意が読み取れない。

解説

A社がA1案、B社がB2案を選択した場合、A社の全体市場シェアは現状の38%から37%に減少します。しかし、本文に「粗利益率の高い中高価格帯の商品が売上全体の70%以上を占めている」とあるように、A1案は中高価格帯の割合をさらに増やす戦略です。
売上全体のシェアが多少減少しても、粗利益率 が高い商品の割合が増えることで、全体の営業利益額は増加する可能性が高いと判断されました。

高得点のポイント

  • 中高価格帯の商品の「粗利益率が高い」という特徴に触れている。
  • そのため、シェアが減っても利益が増加するという因果関係が成立することを示す。

設問2(1)は,正答率が低かった。ゲーム理論は,将来の起こり得る状態は予測できるが,その状態の発生確率は不明である場合の意思決定に有効である。景気の見通し及び営業利益の予測の両方についての解答を求めたが,景気の見通しの不透明さだけを述べた解答が見受けられた。

設問3

〔事業戦略案の策定〕について,(1),(2)に答えよ。

(1)配点 3点

本文中の下線④及び下線⑤の施策について,固定費と変動費の割合の観点から費用構造の変化に関する共通点を,15字以内で答えよ。

模範解答

固定費の割合の減少

採点基準

知識・理解度(内容)3点
  • 3点: 固定費の割合が減少すること(または変動費の割合が増加すること)を的確に表現している。
  • 1点: 「固定費の減少」など、金額面での変化のみに言及しており、「割合」の観点が不足している。
  • 0点: 内容が不適切、または無解答。

解説

下線④の「OEMメーカに製造を委託して需要の変動に応じて生産する」こと、及び下線⑤の「直営店や加盟店では販売せずにドラッグストアやコンビニエンスストアで販売し、A社の美容販売員の派遣を行わない」ことは、自社工場や直営店の維持にかかる設備費用や、社員の人件費といった 固定費 を削減し、生産量や販売量に応じて発生する 変動費 の割合を増やす施策です。
したがって、総費用に占める固定費の割合が減少します。

高得点のポイント

  • 費用構造の変化として、「固定費」の「割合の減少」を端的に指摘している。
(2)配点 2点

本文中の下線⑥について,A社の経営企画部が新たな事業モデルにおいて店舗サービスとECサービスとが両立できると判断した化粧品販売の特性を,本文中の字句を使って25字以内で述べよ。

模範解答

顧客は実際に商品を試してから購入したい。

採点基準

知識・理解度(内容)2点
  • 2点: 顧客が実際に商品を試してから購入したいという特性を、本文の字句を用いて過不足なく述べている。
  • 1点: 顧客のニーズには触れているが、本文の字句と大きく異なる、あるいは要素に欠けがある。
  • 0点: 内容が不適切、または無解答。

解説

ECサービス(インターネット通販)の弱点として、顧客が事前に商品を試せないことが挙げられます。しかし、本文〔A社の事業の状況と課題〕の冒頭に「化粧品販売では実際に商品を試してから購入したいという顧客ニーズが強く」と記載されています。
この特性を利用し、ECサービスで商品に興味を持った顧客をWeb上で加盟店に誘導することで、顧客は実店舗で商品を試すことができ、加盟店は来店した顧客に対して美容販売員が効果的なカウンセリングを行えるため、店舗販売とECサービスを競合させずに両立させることができます。

高得点のポイント

  • 本文中の字句「実際に商品を試してから購入したい」を含めている。
  • 顧客ニーズや化粧品販売の特性として適切に表現している。

Spineチーム