令和6年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問2

ATM(現金自動預払機)が1台ずつ設置してある二つの支店を統合し,統合後の支店にはATMを1台設置する。統合後のATMの平均待ち時間を求める式はどれか。ここで,待ち時間はM/M/1の待ち行列モデルに従い,平均待ち時間にはサービス時間を含まず,ATMを1台に統合しても十分に処理できるものとする。

〔条件〕

  • (1) 統合後の平均サービス時間:TST_S
  • (2) 統合前のATMの利用率:両支店とも ρ\rho
  • (3) 統合後の利用者数:統合前の両支店の利用者数の合計
解答・解説

正解: エ. 2ρ1−2ρ×TS\frac{2\rho}{1-2\rho} \times T_S

M/M/1の待ち行列モデルにおける平均待ち時間を求める問題です。

正解の根拠

M/M/1モデルにおいて、利用率を ρ′\rho'、平均サービス時間を TST_S とすると、平均待ち時間は以下の公式で求められます。
平均待ち時間=ρ′1−ρ′×TS平均待ち時間 = \frac{\rho'}{1-\rho'} \times T_S

本問の条件から、統合後のATMの利用率 ρ′\rho' を求めます。

  • 統合前の1支店あたりの利用率が ρ\rho であるため、到着率(単位時間あたりの利用者数)を λ\lambda とすると、ρ=λ×TS\rho = \lambda \times T_S と表せます。
  • 条件(3)より「統合後の利用者数は統合前の両支店の合計」であるため、統合後の到着率は 2λ2\lambda となります。
  • したがって、統合後の利用率 ρ′\rho' は以下のようになります。
    ρ′=2λ×TS=2×(λ×TS)=2ρ\rho' = 2\lambda \times T_S = 2 \times (\lambda \times T_S) = 2\rho

この統合後の利用率 2ρ2\rho を平均待ち時間の公式に代入すると、統合後の平均待ち時間は以下の式で表されます。
統合後の平均待ち時間=2ρ1−2ρ×TS統合後の平均待ち時間 = \frac{2\rho}{1-2\rho} \times T_S

よって、エ が正解となります。

各選択肢の解説

  • ア: ρ1−ρ×TS\frac{\rho}{1-\rho} \times T_S は、利用率が ρ\rho の場合(すなわち統合前)の平均待ち時間を求める式です。
  • イ: 分子の利用率が統合前の ρ\rho のままになっており、誤りです。公式の分子には統合後の利用率 2ρ2\rho が入る必要があります。
  • ウ: 分母の利用率が統合前の ρ\rho のままになっており、誤りです。分母も統合後の利用率 2ρ2\rho を反映する必要があります。
  • エ: 正解です。統合後の利用率 2ρ2\rho を公式に正しく適用しています。

Spineチーム