IPA システム運用・ファシリティ — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

テープを何本用意し、何人で交替し、作業のミスをどう防ぎ、サーバ室の電気と空調と消火をどう整えるかという、システムを毎日動かし続けるための現場の段取りを学ぶ分野です。媒体の本数や要員の数には、データを残す期間や働ける時間の上限から決まる最小の値があります。

2. 実際の出題のされ方

バックアップ運用とシフト勤務の計算は、必要な最小数を条件から導く形で問われています。応用情報技術者の午前には、フルバックアップと差分バックアップを併用した運用の適切な記述や、オンプレミスからIaaS、PaaSへ段階的に移行したときに不要になる運用作業の組を選ぶ問題があります。また、毎月1日のフルバックアップと毎日の差分バックアップを組み合わせて、6か月前の同一日まで復元できるようにする場合の最少磁気テープ本数を求める問題は、高度試験の午前Iでも出題されました。

24時間365日の有人運用や年中無休のサービスデスクで、シフトの条件から要る最少人数を、応用情報技術者の午前とITサービスマネージャの午前IIで答えさせています。

世代管理とテープの容量の条件から二つのシステムで要る最少本数を求める問題と、エラープルーフ化の五つの原理のうちミスを未然に防ぐ原理の組を選ぶ問題の二つは、システム監査技術者の午前IIの試験問題です。

磁気テープの交換ミスの再発防止策のうち排除に当たるものを選ぶ問題がITサービスマネージャの午前IIで、移行リハーサルの目的に照らした完了の仕方を選ぶ問題がプロジェクトマネージャの午前IIで、それぞれ出ています。

データセンターの設備については、ITサービスマネージャの午前IIで、施設効率を測るPUEの計算式、冷房負荷のうち伝熱負荷を減らす策、設備の運転を監視し制御する仕組み、水損を避けたい部屋の消火設備を選ぶ問題が出ています。

3. 学習のポイント

媒体の本数は、何世代分を残すかと、新しい世代を書き終えるまで古い世代を消せないことの二つから決まります。交替勤務の人数は、一週間に埋める勤務の枠の数を、一人が一週間に入れる回数で割り、端数を切り上げて求めます。例えば、1日3交替で各シフト1人、一人が週4回までなら、枠は21で、21÷4=5.2521 \div 4 = 5.25 を切り上げて6人です。

エラープルーフ化の原理には、ミスが起きる前に働くものと、起きたあとに働くものがあります。

PUEは、データセンター全体で使った電力がIT機器の使った電力の何倍かを表し、空調や照明などで使う電力が少ないほど1.01.0に近づきます。

4. 間違えやすいところ

差分バックアップを併用した運用の記述を選ぶ問題では、復旧のときに差分のデータだけを戻せば足りるとする誤答肢がありました。差分バックアップは直近のフルバックアップからの変更分だけを記録したものであり、単独ではシステム全体のデータが揃いません。

移行リハーサルの完了の仕方を選ぶ問題では、作業中に問題が起きなかったので、予定していた切り戻しの手順を省いてリハーサルを終えたとする誤答肢がありました。切り戻しを試さずに終えると、本番で戻す必要が出たときの手順と時間が確かめられないまま残ります。

空調計画における伝熱負荷の軽減策として、日光が当たる南向きのガラス窓をむやみに大きくしないことを挙げた誤答肢がありました。窓ガラスを透過して室内に入る太陽光の熱を抑えるこの対策は、日射負荷を減らすものです。

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