IPA SLA・サービスレベル・関係管理 — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

サービスを出す側と使う側が、何をどこまで約束したかを文書に残し、その約束が守れているかを測り続けるための分野です。約束の文書であるSLAそのものと、それを作って守り続ける活動には、それぞれ別の名前が付いています。

2. 実際の出題のされ方

サービス品質の合意文書とそれを維持・改善する管理活動の呼び分けや、合意を交わす当事者の組合せが空欄補充や用語選択の形で問われています。ヘルプデスクの対応時間の拡大を合意するときに使う文書と、SLM(サービスレベル管理)の適切な説明を選ぶ問いは、どちらもITパスポートのものです。

サービスレベル管理の活動、JIS Q 20000-1が定めるサービスレベル目標のレビューの時期、ITILのサービス・ポートフォリオの説明を選ぶ問題は、応用情報技術者の午前で出題されています。同じ区分には、SaaSの四つの従量課金の案から利益の最も大きい案を選び、その年間利益を求める計算問題もあります。

評価・選定すべき他の関係者の組合せ、SLAについて適切な記述、事業関係管理で実施すべき活動を、JIS Q 20000-1やJIS Q 20000-2に照らして選ぶ問題は、ITサービスマネージャの午前IIに出題例があります。また、ITILのサービス・カタログ管理プラクティスの目的や、サービス・ポートフォリオとサービス・カタログの関係を選ぶ問題も出題されています。SLAを作るときに重要成功要因・重要業績評価指標・サービスレベル項目を検討する順序を選ぶ問題は、システム監査技術者の午前IIで出ています。

プロジェクトマネージャと情報処理安全確保支援士の午前IIには、逓減課金方式(漸減課金方式)のグラフを選ぶ問題があります。

3. 学習のポイント

サービス・ポートフォリオとサービス・カタログは、どの段階のサービスまでを載せるかで範囲が違い、カタログはポートフォリオの一部です。

事業関係管理はサービスを受け取る側との関係を、供給者管理はサービスの部品を出してくれる側との取決めを受け持ちます。

逓減課金方式は、使う量が増えるほど一単位あたりの料金が下がっていく課金の方式です。また、複数の課金案から年間利益を比較する計算では、各方式の月間売上(単価×月間利用量\text{単価} \times \text{月間利用量})を12倍して年間売上を求め、そこから年間運用費用を差し引きます。例えば、単価900円/件で月間1,000件の利用なら月間売上は90万円、年間売上は1,080万円で、年間の運用費用が800万円なら年間利益は280万円です。

4. 間違えやすいところ

SLAを交わす二者を空欄に入れる問題では、システム開発を発注する側と受託する側の組とする誤答肢がありました。発注者と受託者は、システムを作る契約を結ぶ当事者の呼び方です。

SLMの説明を選ぶ問題では、顧客と共通の認識を得てSLAを作ることが活動の最終目的だとする誤答肢がありました。SLAを作るのは、合意を形にする途中の一段階です。

サービスレベル管理の活動を選ぶ問題で、「サービスの提供に必要な予算に応じて, 適切な資金を確保する」とする誤答肢がありました。これは、サービスの予算業務及び会計業務の側の活動です。

サービス・ポートフォリオの説明を選ぶ問題では、検討中や廃止済みのものを含めず、稼働中か展開可能なサービスだけを載せたものとする誤答肢がありました。その範囲に当たるのは、ポートフォリオの一部であるサービス・カタログです。

逓減課金方式のグラフを選ぶ問題では、利用量が増えるほど料金が右下がりに減っていくグラフが誤答肢にありました。そのグラフでは、たくさん使うほど支払う総額まで少なくなります。

SLA・サービスレベル・関係管理の理解度チェック

SLA・サービスレベル・関係管理の過去問一覧

SLA・サービスレベル・関係管理の用語

サービスマネジメントのほかの論点

SMS の要求事項・評価・改善23問 インシデント・問題・変更管理・サービスデスク27問 サービス可用性・容量・継続42問 システム運用・ファシリティ18問