平成3年度宅地建物取引主任者資格試験 問11
権利関係売買
AがBからBの所有地を買い受ける契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、Aがその善意悪意に関係なく契約を解除することができるものは、どれか。
解答・解説
正解: 2. その土地の全部が他人のものであって、BがAに権利を移転することができないとき。
正解の根拠
本問は、売買契約における売主の担保責任(改正前民法)に関する問題です。
買主が 善意・悪意に関係なく(目的物が他人のものであることを知っていたか否かにかかわらず) 契約を解除できるのは、全部他人物売買 の場合です。
売主が目的物の全部の所有権を取得して買主に移転することができない場合、買主は悪意であっても契約を解除することができます。したがって、選択肢2が正解となります。
各選択肢の解説
1. 誤り
一部他人物売買 において、売主が権利を取得して買主に移転することができず、残りの部分だけでは買主が買わなかったであろう場合には、買主は契約を解除することができます。しかし、この解除権が認められるのは 善意の買主 に限られます。2. 正しい
全部他人物売買 において、売主が権利を取得して買主に移転することができない場合、買主は 善意・悪意に関係なく 契約を解除することができます。3. 誤り
目的物に 隠れた瑕疵 があり、契約の目的を達成することができない場合、買主は契約の解除をすることができます(瑕疵担保責任)。しかし、この解除が認められるのは、買主がその瑕疵について 善意無過失 である場合に限られます。悪意の買主は解除できません。4. 誤り
数量指示売買 において数量が不足していた場合、残存部分のみであれば買主がこれを買い受けなかったときは、買主は契約の解除をすることができます。しかし、この解除が認められるのは 善意の買主 に限られます。悪意の買主には解除権は認められません。
※注意:本解説は出題当時の改正前民法に基づいています。
現行法での扱い(2026年4月1日時点)
出題当時は全部他人物の売買のみ、買主の善意・悪意に関係なく契約を解除できました。2020年4月施行の民法改正で契約不適合責任に一本化され、一部他人物や数量不足も善意・悪意に関係なく解除でき、選択肢 1と選択肢 4は正しいです。選択肢 3は買主が不具合を知っていた事情により不適合に当たらないことがあり、問題文だけでは正誤が決まりません。現行法での正解は複数(1、2、4)です。