平成8年度 宅地建物取引主任者資格試験 問43

宅地建物取引業者である法人A(甲県知事免許)の事務所において, 専任の取引主任者で成年者であるもの(以下この問において「専任主任者」という。)に1名の不足が生じた場合に関する次の記述のうち, 宅地建物取引業法の規定によれば, 正しいものはどれか。

解答・解説

正解: 4. 宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の能力を有する20才未満の者(婚姻はしていない。)である取引主任者Eは, Aの役員であるときを除き, 専任主任者となることができない。

宅地建物取引業法において、事務所に設置する専任の取引主任者(現在の宅地建物取引士)に関する要件や変更の手続きについての理解を問う問題です。

正解は 4 です。

正解の根拠

宅地建物取引業法では、事務所等に置くべき専任の取引主任者は、原則として 成年者 でなければなりません。ただし、営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者については、その者が宅地建物取引業者である 法人の役員 である場合に限り、成年者とみなされて専任の取引主任者になることができます。したがって、役員であるときを除き、未成年者は専任の取引主任者になることはできません。

各選択肢の解説

  • 1. 誤り
    新たに専任の取引主任者を設置した場合、宅地建物取引業者名簿の変更の届出を 30日以内 に行う必要があります。ただし、名簿の登載事項とされているのは専任の取引主任者の 氏名 のみであり、住所 は登載事項ではないため届け出る必要はありません。

  • 2. 誤り
    取引主任者証(宅建士証)の書換え交付申請が必要となるのは、主任者の 氏名 または 住所 に変更があった場合です。単に専任の取引主任者に就任したという理由だけでは、書換え交付申請を行う必要はありません。

  • 3. 誤り
    専任の取引主任者の氏名は宅建業者名簿の登載事項です。社内の役員が新たに専任の取引主任者として業務に従事することになった場合でも、名簿上の専任の取引主任者に変更が生じるため、30日以内 に免許権者(甲県知事)へ変更の届出を行う必要があります。

  • 4. 出題当時は正しい
    営業に関し成年者と同一の能力を有する未成年者であっても、原則として専任の取引主任者になることはできません。例外として、法人の 役員 である場合にのみ、成年者とみなされて専任の取引主任者になることができます。

現行法での扱い(2026年4月1日時点)

出題当時は成年が20歳であり、20歳未満の未婚者は役員の場合を除き専任主任者になれず、選択肢 4は正しい記述でした。2022年4月1日施行の民法の一部を改正する法律により成年は18歳となりました。現在では18歳・19歳なら役員でなくても専任になれますが、18歳未満ではなれません。そのため、「20才未満」という条件だけでは選択肢 4の正誤が決まらず、正解も一つに定まりません。

Spineチーム