平成27年度 宅地建物取引士資格試験 問1

権利関係債権総論

この問題は2015年度(H27)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

本ページの問題文・選択肢は、原本の体裁を Web 表示用に正規化しています(改行・記号・表組みの調整)。設問の趣旨および正解に影響する変更は加えていません。

次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。

解答・解説を読む

正解: 選択肢4

本問は、民法において明文で規定されている事項を問う問題です。(※本解説は、出題当時の改正前民法を前提としつつ、現行民法の取り扱いにも触れて説明します。)

過失相殺に関する規定(選択肢4)は、民法第418条に明文で定められています。債務不履行に関して債権者に過失があった場合、裁判所はこれを考慮して損害賠償の責任及びその額を定めるというルールは、条文として明確に規定されています。

各選択肢の解説

  1. 選択肢1:誤り
    人の生命や身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効についての特則は、改正前民法には明文の規定がありませんでした。なお、現行民法では第167条に規定されており、権利を行使できる時から20年間行使しないときは時効により消滅する旨が明文化されています。

  2. 選択肢2:誤り
    事業のために負担した貸金債務の保証契約について、公正証書による保証意思の表示を要する(効力を生じない)という厳格な規定は、改正前民法には存在しませんでした。現行民法では、個人の保証人を保護するために第465条の6として新設されています。

  3. 選択肢3:誤り
    併存的(重畳的)債務引受については、改正前民法には明文の規定がなく、長年の判例法理によって認められて運用されていました。現行民法では第470条において、その要件や効果が初めて明文化されました。

  4. 選択肢4:正しい

過失相殺についての記述であり、民法に規定されています。債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は損害賠償の責任及びその額を定める際に考慮しなければなりません。なお、現行の民法第418条では「債務の不履行又はこれによる損害の発生若しくは拡大に関して」と、損害の発生・拡大についての過失も含まれることがより明確に規定されています。