令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前II 問19

アローダイアグラムで表される日程のプロジェクトにおいて,現在のクリティカルパスは作業 A,D,I,J である。作業 D を 2 日,作業 J を 1 日短縮するとき,作業 F の総余裕日数は何日減少するか。ここで,総余裕日数とは,当該作業に先行する作業が遅れなしに完了したとき,総所要日数を増加させることなく,当該作業が遅れてもよい日数である。

アローダイアグラム
図の説明テキスト

アローダイアグラム(PERT図)。
開始ノードから作業A(所要日数3)、B(3)、C(7)が分岐する。
・Aの完了ノードから作業D(4)が開始する。
・Bの完了ノードから作業E(3)と作業F(6)が開始する。
・Cの完了ノードから作業G(4)と作業H(7)が開始する。
・DとEの完了ノード(合流)から作業I(6)が開始する。
・I、F、Gの完了ノード(合流)から作業J(4)が開始する。
・JとHは終了ノードに合流する。
・ダミー作業はない。
図の右下には凡例があり、矢印の上が「作業名」、下が「所要日数」であることが示されている。

解答・解説

正解: ア. 1

アローダイアグラムとクリティカルパス

  • クリティカルパス とは、プロジェクトの開始から終了までの最長経路であり、プロジェクト全体の 総所要日数 を決定します。
  • 総余裕日数 は、ある作業を遅らせてもプロジェクト全体の遅延につながらない日数のことで、「全体の総所要日数 - その作業を通る最長経路の所要日数」で計算されます。

総余裕日数の変化の考え方

特定の作業を短縮した場合の総余裕日数の変化は、以下の式で整理できます。

  1. 変更前の総余裕日数 = (元の総所要日数) - (元の作業Fを通る最長経路の日数)
  2. 変更後の総余裕日数 = (新しい総所要日数) - (新しい作業Fを通る最長経路の日数)
  3. 減少日数 = (総所要日数の短縮日数) - (作業Fを通る経路の短縮日数)

本問での適用

図の各経路の所要日数は、A-D-I-J が 1717 日、B-E-I-J が 1616 日、C-G-J が 1515 日、C-H が 1414 日、B-F-J が 1313 日で、作業Fの総余裕日数は 17−13=417 - 13 = 4 日です。

  • 元のクリティカルパスは A-D-I-J であり、作業Dを2日、作業Jを1日短縮すると、この経路自体は計 3日 短縮されます。
  • しかし、アローダイアグラム上の 別の経路(Dを含まずJを含む B-E-I-J。短縮後は 1515 日)が新たなクリティカルパスとして浮上するため、プロジェクト全体の 総所要日数の短縮は2日 に留まります。
  • 一方、作業Fを通る経路には作業Dが含まれていないため、短縮されるのは作業Jの 1日分 のみです(B-F-J は 1212 日となり、総余裕日数は 15−12=315 - 12 = 3 日)。
  • したがって、作業Fの総余裕日数の減少分は 2日(全体の短縮) - 1日(Fの経路の短縮) = 1日 となります。

各選択肢の解説

  • ア: 正解。上記のとおり、全体の短縮日数(2日)と作業Fの経路の短縮日数(1日)の差分から、総余裕日数は1日減少します。
  • イ: 誤り。プロジェクト全体の短縮日数(2日)をそのまま解答としたか、作業Fの経路自体の短縮を考慮しなかった場合の誤りです。
  • ウ: 誤り。作業Dと作業Jの短縮日数の合計(3日)をそのまま減少日数と捉えた場合の誤答です。
  • エ: 誤り。計算過程において加減算を取り違えた、あるいは無関係な作業の所要日数を誤って足し合わせた場合の誤答です。

Spineチーム