令和4年度 春期 ITストラテジスト試験 午後Ⅰ 問4 電力制御システム会社による局地気象予測システムの事業化と協業戦略

学習ガイド

電力制御システムを手掛ける企業が、親会社と連携して新規事業となる局地気象予測システムの開発と市場展開を模索するストーリーです。高密度な観測の実証手法や法規制への対応、機器保守のコスト最適化、親会社の強みを生かした協業体制が問われます。国のエネルギー計画や気象災害の動向といった外部環境と、グループ各社の保有資源を照らし合わせ、本文に明記された事業戦略の意図を正確に読み取ることが解答の鍵となります。

この記事で押さえる論点

  • 再生可能エネルギーの普及や激甚化する気象災害に伴う局地予測の事業機会を説明できる
  • 気象業務法の規制や測器検定の要件を踏まえた開発・組織体制の整備方針を述べられる
  • 親会社の保有インフラや保守能力を活用して開発・運用コストを抑制する協業構造を説明できる
  • 外部システム連携によって電力融通の効率化という業界全体の要請に応える戦略を説明できる

問題本文

問4 AIを利用した気象予測システムに関する次の記述を読んで,設問1〜3に答えよ。

C社は,電力会社向け監視制御システムの製造メーカである。親会社である電力会社D社向けに,発電所,変電所などを遠方から監視し,刻々と変わる電力需要に見合う電力を必要な地域に供給できるように遠方から制御するための,発変電遠方監視制御システムを納入してきた。

C社の発変電遠方監視制御システムは,D社管内を網羅するD社所有の有線及び専用無線通信ネットワークを利用している。

現在のD社の設備更新によってC社の当面の売上は期待できるが,C社は,将来を見越し,何らかの手段で売上を維持することが必要となっている。

D社は,電力自由化によって電力の販売価格が下がり,販売電力量も減少してきている。このためD社は,災害時を想定した保守体制,地域に根ざした営業力の強みを生かした新たな事業を模索している。

〔電力市場の状況〕

国は,3年ごとに見直す“エネルギー基本計画”を次のとおりまとめた。

  • 2030年度に向けて,電源構成における,太陽光,風力,水力などの再生可能エネルギーの割合を“36%〜38%”と,前回の計画“22%〜24%”から引き上げる。
  • 2030年度に向けて,温室効果ガスを2013年度に比べて46%削減する。

この基本計画は,電力会社が,主力電源として再生可能エネルギーへの切替えを急ぐ必要があることを示している。

〔電力事業における気象予測の必要性〕

蓄電池の技術が発達した現在でも,電力は貯めることが難しいエネルギーとされ,常時需要に見合った電力を発電して供給する技術が重要である。

電力の需要は,気候・気象と密接に関連しており,特に気温は発電計画の重要な要素として扱われてきた。今後,電源構成における再生可能エネルギーの割合が大きくなると,電力の供給においても気象の影響をより大きく受けるようになる。

そこで,気象の変化を予測して,再生可能エネルギーの発電出力の変動を相殺するように,火力発電などの発電出力を遅滞なく制御する必要がある。

さらに,電力会社間での電力の融通量を計算する情報システムにおいて,今後は,電力の融通量の算出に気象要素を含めることで,全国規模の効率化を図ることが求められている。

〔気象災害の激甚化〕

近年,地球温暖化が進んだことで,気象災害が激甚化するようになり,自治体による地域防災をはじめ,公共インフラ,交通機関,イベント事業,小売業など,地域企業で,局地的な気象に対する課題が大きくなってきている。

中でも“ゲリラ豪雨”と呼ばれる局地的な激しい降雨には,都市型の気象と考えられているものもある。都市開発によって土地の起伏や構成要素(田畑,森,工場,ビル,家屋,道路,鉄道など)が変化し,都市型の気象は,頻繁に変わる土地の起伏や構成要素と密接に関係する。

〔局地的な気象を予測するシステムの検討〕

C社のITストラテジストであるE氏は,再生可能エネルギーの発電出力の変動を地域ごとに予測する技術の重要性が高まると考え,気象予報士でもあるシステムアーキテクトのF氏に,現在の気象予測技術の調査と,太陽光発電や風力発電などにおける局地的な気象を予測するシステム(以下,局地気象予測システムという)の検討を依頼した。

F氏は,局地気象に詳しい大学教授の文献も参考にして,E氏に調査結果及び検討結果を次のように報告した。

(1) 現在の気象予測技術の調査結果

  • 気温,風向,風速などの地上の気象データを約 17 キロメートル間隔で 10 分ごとに自動計測して,ラジオゾンデ,レーダ,気象衛星画像などの上空の気象データと併せて,スーパーコンピュータで今後の変化を一日数回算出することで,気象予測をしている。
  • 台風,梅雨前線,高気圧・低気圧など,水平スケールが大きく寿命が長い気象については,現在の気象予測技術で予測可能である。
  • 竜巻,積乱雲,局地的豪雨など,水平スケールが小さく寿命が短い気象については,現在の気象予測技術で場所と時間を特定した予測は一般化されていない。
  • 観測成果を発表するための気象観測に使用する気象データ(気温,風向,風速,気圧,湿度,日射量,降水量など)の計測器(以下,気象測器という)には,検定に合格したものを使用しなければならない。
  • 気象測器を販売しているメーカは多いが,検定に合格した気象測器を販売しているメーカは数社に限られており,いずれの気象測器も高価である。

(2) 局地気象予測システムの検討結果

  • 気象測器を 1 キロメートル間隔程度の高密度で多数設置して,10 秒ごとの短周期で気象データを連続的に収集し,既存の上空の気象データと併せて AIで分析することで,場所と時間を特定した局地的な気象予測は,理論上可能と言われている。
  • 局地的な気象予測の実証例は,確認できなかった。
  • 局地的な気象は,土地の起伏や構成要素に影響を受けるので,局地気象予測システムは,搭載した地理情報システム(以下,GISという)と連動させる必要がある。
  • 気象測器の台数は,1 キロメートル間隔程度の高密度で設置すると D社管内で数万台に上ると想定される。
  • 気象測器は,故障に対する修理対応や交換を伴う定期的な保守が必要となる。
  • C社だけで,気象データを収集して分析するアプリケーションソフトウェアの開発は可能だが,気象測器の開発は難しい。
  • 気象測器の設置に当たっては,周囲の環境を考慮するとともに,電源と通信手段を確保する必要がある。

〔システムの開発方針〕

E氏は,あらかじめ,50 台程度の限定した数量の気象測器を使用して,局地気象予測システムの実効性を確認する必要があると考えた。また,実効性を確認する時点では,検定に合格した気象測器を用いなくてもよいと考えた。

E氏は,C社で気象データを収集して分析するアプリケーションソフトウェアを開発することを前提に,F氏に,局地気象予測システムが気象業務法をはじめとする法制度に抵触することがないか調査を依頼した。

〔市場展開の検討〕

E氏は,まずD社の再生可能エネルギー発電所の設置箇所周辺に気象測器を高密度で多数設置することを想定して気象測器の台数を 3,000台と試算した。

気象測器 3,000台の購入を条件に,検定に合格した製品を販売するX社と,検定に合格した製品をもたないZ社に,製品価格と,予備器の保有,保守交換作業及び製品修理を含む 10年間の保守費の見積りを依頼した。

見積りの結果は,Z社が新規開発する検定合格品の価格は,X社の検定合格品の約半額と魅力的だった。しかし,Z社の製品修理価格は安価だが,10年間の保守契約の価格は,別メーカに予備器の保有と保守交換作業を委託するので割高だった。

E氏は,Z社に 2%の予備器を追加した 3,060台の製品価格と,予備器の保有及び保守交換作業を除く,製品修理だけの保守契約の見積りを再度依頼した。

また,地域企業向けに,都市部に気象測器を高密度で多数設置する段階では,情報更新の頻度が多い GISの地図データを扱う企業と提携する必要があると考えた。

E氏は,C社だけで地域企業の新規市場開拓は難しいと考え,次のような事業戦略を策定した。

〔事業戦略の策定〕

E氏は,局地気象予測システムの運用においてD社と次の役割分担の下,協業することを考えた。

  • C社は,F氏の調査結果に基づき,気象業務法における予報業務の許可を受けた上で,予報業務内容に従い定められた人数以上の気象予報士を雇用し,自社のサーバで収集した気象データを AIによって分析して,気象予報士が判断した予測結果を,D社をはじめとする利用者へ配信する。
  • D社は,気象測器の設置場所の確保,伝送路の準備・提供,及び保守交換作業を行い,局地気象予測システムの予測結果を再生可能エネルギーの発電出力の変動予測に利用するとともに,自治体,地域企業を対象に市場開拓を行う。

さらに,E氏は,局地気象予測システムに外部の情報システムと情報連携を図る機能を追加して,ほかの電力会社へも導入するよう働きかけるべきと考えた。

設問と解答・解説

設問1

〔システムの開発方針〕と〔事業戦略の策定〕について,(1)~(3)に答えよ。

(1)配点 6点

E氏が,局地気象予測システムの実効性を確認する必要があると考えた技術面の目的を,30字以内で述べよ。

模範解答

理論上可能と言われている局地的な気象予測を実証するため

採点基準

知識・理解度(内容)3点
  • 3点: 「理論上可能と言われていること」と「実証すること」の両方の要素が含まれている。
  • 2点: 「理論上可能と言われていること」「実証すること」のいずれか一方の要素のみが含まれている。
  • 1点: 局地的な気象予測に関する言及はあるが、目的の主旨からずれている。
  • 0点: 要素が全く含まれていない、または無関係な解答。
論理性(構造)3点
  • 3点: 文脈が自然であり、目的として適切な日本語で記述されている。
  • 2点: 意味は通じるが、表現にやや不自然な部分がある。
  • 1点: 文の構造が破綻しており、意図が読み取りづらい。
  • 0点: 目的として成り立っていない文。

解説

本文の〔局地的な気象を予測するシステムの検討〕において、F氏からの報告として「場所と時間を特定した局地的な気象予測は,理論上可能と言われている」「局地的な気象予測の実証例は,確認できなかった」という2つの記述があります。

E氏はこれを受け、〔システムの開発方針〕において「あらかじめ,50台程度の限定した数量の気象測器を使用して,局地気象予測システムの実効性を確認する必要があると考えた」としています。したがって、技術面の目的は、これまで理論上でしか可能と言われておらず、実証例がなかった局地的な気象予測を実証することであることがわかります。

高得点のポイント

  • 「理論上可能と言われている(局地的な気象予測)」という現状を指摘できていること
  • 限定した数量での実効性確認が、その「実証」を目的としていることを明記すること
(2)配点 6点

E氏は気象測器の設置において,通信手段をどのようにして確保すると考えたか,30字以内で述べよ。

模範解答

D社所有の有線及び専用無線通信ネットワークに接続する。

採点基準

知識・理解度(内容)3点
  • 3点: 「D社所有のネットワーク」であることと「有線及び専用無線通信ネットワーク」の要素が含まれている。
  • 2点: 「D社のネットワーク」であることはわかるが、具体性に欠ける記述となっている。
  • 1点: 通信手段に関する言及はあるが、自社またはD社のリソース活用という点が不明確。
  • 0点: 解答が的外れである。
論理性(構造)3点
  • 3点: 手段を確保する方法として適切な文末表現(〜を利用する、〜に接続するなど)で記述されている。
  • 2点: 意味は通じるが、手段としての記述方法にやや不自然さがある。
  • 1点: 文脈が破綻している。
  • 0点: 全く論理的でない。

解説

本文の〔局地的な気象を予測するシステムの検討〕に、「気象測器の設置に当たっては,周囲の環境を考慮するとともに,電源と通信手段を確保する必要がある」と記載されています。この通信手段をどのように確保するかが問われています。

本文の冒頭(第2段落)に「C社の発変電遠方監視制御システムは,D社管内を網羅するD社所有の有線及び専用無線通信ネットワークを利用している」とあります。今回の局地気象予測システムにおいても、親会社であるD社管内を網羅しているこの既存の通信ネットワークを利用することが通信手段の確保として最適です。

高得点のポイント

  • 通信手段として「D社所有のネットワーク」を利用することを明記していること
  • ネットワークの種類として「有線及び専用無線通信」に触れられていること
(3)配点 6点

E氏は,F氏に依頼した法制度に関する調査結果を受け,組織体制面でどのような対策を考えたか,25字以内で述べよ。

模範解答

定められた人数以上の気象予報士を雇用する。

採点基準

知識・理解度(内容)3点
  • 3点: 「定められた人数以上の気象予報士を雇用する」という組織体制面での対策が正しく含まれている。
  • 2点: 気象予報士の雇用については触れられているが、「定められた人数以上」の制約が欠けている。
  • 1点: 組織体制面に該当しない法制度対策(予報業務の許可など)を中心に解答している。
  • 0点: 法制度や組織体制と無関係の解答。
論理性(構造)3点
  • 3点: 文字数内で簡潔に、対策として自然な文末でまとめられている。
  • 2点: 意味は通じるが、やや冗長、または表現に不自然な点がある。
  • 1点: 文法的な誤りが多く、意図が伝わりにくい。
  • 0点: 対策の記述として成り立っていない。

解説

E氏は〔システムの開発方針〕において、法制度に抵触することがないかの調査を依頼しています。この結果に対する対策は、〔事業戦略の策定〕の役割分担に記述されています。

C社の役割として「気象業務法における予報業務の許可を受けた上で,予報業務内容に従い定められた人数以上の気象予報士を雇用し」とあります。組織体制面での対策が問われているため、「定められた人数以上の気象予報士を雇用する」ことが正答となります。

採点講評にもあるとおり、「予報業務の許可を受ける」など組織体制面ではない回答をしないよう注意が必要です。

高得点のポイント

  • 法制度に対応するための「組織体制面」の対策に絞って解答できていること
  • 「定められた人数以上」の「気象予報士を雇用する」ことが明記されていること

設問1(3)は,正答率が高かったが,組織体制面でない対策の解答も一部に見受けられた。設問で求められている内容と本文記述をよく理解して解答してほしい。

設問2

〔市場展開の検討〕について,(1),(2)に答えよ。

(1)配点 7点

E氏が,Z社に予備器を追加した製品価格と,製品修理だけの保守契約の見積りを再度依頼したのは,予備器の保有及び保守交換作業をどのようにすることを見込んだ結果か,25字以内で述べよ。

模範解答

D社で予備器を保有し,保守交換作業も行う。

採点基準

知識・理解度(内容)4点
  • 4点: 「D社」が「予備器を保有し」「保守交換作業を行う」という要素がすべて含まれている。
  • 3点: 主体がD社であることはわかるが、「予備器保有」「保守交換作業」のいずれかが欠けている。
  • 2点: 主体(D社)が明記されていないが、自社または協業先が保有・交換作業を行うことは表現できている。
  • 1点: 要素の過不足が大きく、理解が不十分。
  • 0点: 見当違いの解答。
論理性(構造)3点
  • 3点: 見込んだ結果として、適切かつ簡潔な日本語で構成されている。
  • 2点: 意味は伝わるが、やや表現が不自然である。
  • 1点: 文の構造がおかしく、意図が伝わらない。
  • 0点: 文章として成立していない。

解説

〔市場展開の検討〕において、Z社の10年間の保守契約は「別メーカに予備器の保有と保守交換作業を委託するので割高だった」と記載されています。これを受けて、E氏はZ社に「予備器の保有及び保守交換作業を除く,製品修理だけの保守契約の見積りを再度依頼」しています。

除外した「予備器の保有と保守交換作業」を誰が行うのかについて、〔事業戦略の策定〕のD社の役割分担を確認すると、「気象測器の設置場所の確保,伝送路の準備・提供,及び保守交換作業を行い」とあります。したがって、E氏はD社で予備器を保有し、保守交換作業を行うことを見込んだ結果、Z社への見積りからこれらを除外したと判断できます。

高得点のポイント

  • 「D社」が実施することを見込んだという主体が明確であること
  • 「予備器を保有」し、「保守交換作業も行う」という具体的なアクションが両方含まれていること
(2)配点 7点

E氏が,都市部に気象測器を高密度で多数設置する段階では,情報更新の頻度が多い GISの地図データを扱う企業と提携する必要があると考えた理由を,40字以内で述べよ。

模範解答

都市型の気象は,頻繁に変わる土地の起伏や構成要素と密接に関係するから

採点基準

知識・理解度(内容)4点
  • 4点: 「都市型の気象」と「頻繁に変わる土地の起伏や構成要素」の密接な関係性が正しく捉えられている。
  • 3点: 土地の起伏や構成要素への言及はあるが、「頻繁に変わる」という都市部の特性への言及が欠けている。
  • 2点: 都市型の気象に関する一般的な言及に留まり、土地の起伏や構成要素への具体的言及が不足している。
  • 1点: GISデータを用いる一般論に終始しており、都市部特有の理由に触れられていない。
  • 0点: 見当違いの解答。
論理性(構造)3点
  • 3点: 提携を必要とする理由として、論理的かつ自然な文章になっている。
  • 2点: 意味は伝わるが、理由としての結びつきがやや弱い。
  • 1点: 文の構成が破綻している。
  • 0点: 文章として成立していない。

解説

〔気象災害の激甚化〕において、「都市型の気象は,頻繁に変わる土地の起伏や構成要素と密接に関係する。」と記述されています。また、〔局地的な気象を予測するシステムの検討〕で「局地的な気象は,土地の起伏や構成要素に影響を受けるので,局地気象予測システムは,搭載した地理情報システム(以下,GISという)と連動させる必要がある。」と報告されています。

都市部において情報更新頻度の高いGISデータを扱う企業と提携する理由は、都市部の特徴として「土地の起伏や構成要素が頻繁に変わる」ため、それに密接に関係する局地的な気象を正確に予測するには高頻度で更新される地図データが必要だからです。採点講評にある通り、「土地の起伏や構成要素が頻繁に変わる点」に言及していることが必須です。

高得点のポイント

  • 都市部の気象予測における課題である「土地の起伏や構成要素」への言及
  • 都市部ではそれらが「頻繁に変わる」という特性に言及していること

設問2(2)は,正答率が平均的であったが,都市部の特徴である土地の起伏や構成要素が頻繁に変わる点に言及していない解答が散見された。段階を経てシステムを市場に展開する場合においては,それぞれの段階で考慮すべき点を理解してほしい。

設問3

〔事業戦略の策定〕について,(1),(2)に答えよ。

(1)配点 6点

E氏が,市場開拓を D社の役割としたのは,D社のどのような特徴を考慮した結果か,15字以内で述べよ。

模範解答

地域に根ざした営業力

採点基準

正確性(内容)6点
  • 6点: 「地域に根ざした営業力」という特徴が正確に抜き出されている。
  • 3点: 意味は合致しているが、抜き出しとして不完全、または余分な文字が含まれている。
  • 0点: 該当箇所の抜き出しができていない。

解説

問題文冒頭の第4段落に「D社は,災害時を想定した保守体制,地域に根ざした営業力の強みを生かした新たな事業を模索している。」と記述されています。

〔事業戦略の策定〕において、D社が「自治体,地域企業を対象に市場開拓を行う」とされており、これはD社の強みである「地域に根ざした営業力」という特徴を考慮した結果です。本文の記述からそのまま抜き出して解答します。

高得点のポイント

  • 本文の「地域に根ざした営業力」というフレーズを正確に抜き出していること
(2)配点 6点

また,市場のどのような状況を考慮した結果か,35字以内で述べよ。

模範解答

地域企業で,局地的な気象に対する課題が大きくなってきている。

採点基準

正確性(内容)6点
  • 6点: 「地域企業で,局地的な気象に対する課題が大きくなってきている。」の内容が正確に解答できている。
  • 3点: 課題が大きくなっていることは読み取れるが、対象が地域企業であることが不明確、または過不足がある。
  • 0点: 見当違いの記述である。

解説

前問に引き続き、D社に市場開拓を任せる判断の根拠となる「市場の状況」を問う問題です。D社の開拓対象は「自治体,地域企業」とされています。

本文の〔気象災害の激甚化〕において、「自治体による地域防災をはじめ,公共インフラ,交通機関,イベント事業,小売業など,地域企業で,局地的な気象に対する課題が大きくなってきている。」と市場の状況が述べられています。
この部分を要約・抜き出し、「地域企業で,局地的な気象に対する課題が大きくなってきている。」と解答します。採点講評にあるように、「事業戦略の策定」で示された市場開拓の対象(地域企業など)の現状に着目することが重要です。

高得点のポイント

  • 「地域企業」を主体とした市場の状況に言及していること
  • 「局地的な気象に対する課題が大きくなっている」という事実を正確に抜き出していること
(3)配点 6点

E氏が,局地気象予測システムに外部の情報システムと情報連携を図る機能を追加すべきと考えたのは,どのような社会的な要求に応えるためか,40字以内で述べよ。

模範解答

電力の融通量の算出に気象要素を含めることで,全国規模の効率化を図る。

採点基準

正確性(内容)6点
  • 6点: 「電力の融通量の算出に気象要素を含めることで,全国規模の効率化を図る。」の内容が正確に抜き出されている。
  • 3点: 内容は概ね捉えているが、キーワード(電力の融通量の算出、全国規模の効率化など)のいずれかが欠落している。
  • 0点: 該当箇所の内容が記述されていない。

解説

E氏は〔事業戦略の策定〕において、「局地気象予測システムに外部の情報システムと情報連携を図る機能を追加して,ほかの電力会社へも導入するよう働きかけるべき」と考えています。

この背景となる社会的な要求は、〔電力事業における気象予測の必要性〕の最後に記述されています。そこには「さらに,電力会社間での電力の融通量を計算する情報システムにおいて,今後は,電力の融通量の算出に気象要素を含めることで,全国規模の効率化を図ることが求められている。」とあります。
これを字数制限内にまとめ、解答とします。

高得点のポイント

  • 「電力の融通量の算出」に「気象要素」を含めるという具体的な手段が示されていること
  • 目的として「全国規模の効率化を図る」ことが示されていること

設問3(1)は,D社の特徴の正答率は高かったが,市場の状況の正答率は低かった。事業戦略の策定で示された市場開拓の対象を考慮して解答してほしい。

Spineチーム