平成元年度宅地建物取引主任者資格試験 問12

Aは, Bの所有する土地を賃借し, その上に木造の建物を所有している。この場合, 借地法の規定及び判例によれば, 次の記述のうち誤っているものはどれか。

解答・解説

正解: 1. AとBの借地契約において借地権の存続期間を10年と定めた場合, その約定はなかったものとみなされ, 借地権は, 契約の時から20年存続することになる。

本問は、借地借家法制定前の「旧借地法」の規定および判例に関する問題です。

正解の根拠

選択肢1が誤りであり、本問の正解となります。
旧借地法において、木造建物などの「非堅固建物」を所有する目的で借地権を設定する場合、存続期間を定めたときの法定存続期間は 30年 とされています(旧借地法2条1項)。
当事者がこれより短い期間(本肢のような10年など)を定めた場合、借地権者に不利な特約として無効となります(同法11条)。この無効となった場合の存続期間について、判例(最判昭和44年11月26日)は、「期間の定めのないものとみなして20年(同法2条2項)とするのではなく、法が存続期間を定めた場合に予定している最短期間である 30年 となる」としています。
したがって、「20年存続することになる」とする本選択肢の記述は誤りです。

各選択肢の解説

  • 選択肢1(誤り・正解)
    上記の通り、存続期間を10年と定めた場合は無効となり、借地権は契約の時から 30年 存続することになります。

  • 選択肢2(正しい)
    借地権の存続期間満了の際、借地権者が契約の更新を請求した場合において、建物が存在し、地主が遅滞なく異議を述べなかったときは、前の契約と同一の条件をもって更に借地権を設定したものとみなされます(更新請求による法定更新、旧借地法4条1項)。

  • 選択肢3(正しい)
    借地権の存続期間満了後、借地権者が土地の使用を継続している場合において、建物が存在し、地主が遅滞なく異議を述べなかったときは、前の契約と同一の条件をもって更に借地権を設定したものとみなされます(使用継続による法定更新、旧借地法6条1項)。

  • 選択肢4(正しい)
    借賃の増額請求について当事者間で協議が調わない場合、判例により、借地人は増額を正当とする裁判が確定するまでは、自ら 相当と認める借賃(従来の借賃など) を支払えば債務不履行にはならないと解されています。

現行法での扱い(2026年4月1日時点)

出題当時の旧借地法では、借地権の存続期間満了後に土地の使用を継続して異議がない場合、建物の存在は更新とみなされる要件ではありませんでした。しかし、1992年施行の借地借家法では、借地上に建物がある場合に限り更新される規定となりました。選択肢 3は満了時の建物の存否が書かれていないため、現行法では問題文だけでは正誤が決まりません。

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