平成25年度 宅地建物取引主任者資格試験 問3

権利関係相隣関係・地役権

この問題は2013年度(H25)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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甲土地の所有者Aが、他人が所有している土地を通行することに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

解答・解説を読む

正解: 選択肢4

本問は、他人の土地の通行に関する民法の規定と判例についての知識を問う問題です。
正解は 4 です。

正解の根拠

通行地役権を時効によって取得するためには、民法第283条により「継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるもの」であることが必要です。
判例によると、通行地役権の時効取得が認められるためには、要役地(便益を受ける土地)の所有者が 自ら通路を開設 していることが要件とされています。したがって、隣接地の所有者が開設した通路を利用しているだけでは、時効取得することはできません。

各選択肢の解説

  • 選択肢1(正しい)
    甲土地が他の土地に囲まれて公道に通じない場合(袋地)、Aは公道に至るために周囲の土地を通行する権利(公道に至るための他の土地の通行権)を有します(民法第210条)。しかし、通行の場所および方法は、通行権者にとって必要であり、かつ、他の土地のために 損害が最も少ないもの を選ばなければなりません(民法第211条1項)。したがって、自由に選べるわけではありません。

  • 選択肢2(正しい)
    共有物の分割によって公道に通じない土地が生じた場合、その土地の所有者は、公道に至るために 他の分割者の土地のみ を通行することができます。この場合、通行のための 償金を支払う必要はありません(民法第213条1項)。

  • 選択肢3(正しい)
    甲土地が袋地であるか否かにかかわらず、当事者間の合意による 賃貸借契約 に基づいて他人の土地を通行することは当然に可能です(契約自由の原則)。

  • 選択肢4(誤っている)
    前述の通り、通行地役権の時効取得(民法第283条)には、要役地の所有者(本問ではA)が 自ら通路を開設 したことが必要です。隣接地の所有者が自らのために開設した通路を利用しているだけでは、通行地役権を時効取得することはできません。