平成30年度 問5
権利関係請負・委任等
この問題は2018年度(H30)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
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Aは、隣人Bの留守中に台風が接近して、屋根の一部が壊れていたB宅に甚大な被害が生じる差し迫ったおそれがあったため、Bからの依頼なくB宅の屋根を修理した。この場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説を読む
正解: 選択肢3
正解の根拠
本問は、法的義務がないにもかかわらず他人のために事務を処理する 事務管理 (民法第697条)に関する問題です。特に、本人の財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理を行う 緊急事務管理 (民法第698条)の規定が問われています。
各選択肢の解説
選択肢1(正しい)
事務管理においては、原則として 報酬請求権 は認められていません。特約や法律の特別な規定がない限り、管理者は本人に対して報酬を請求することはできません。したがって、本記述は正しいです。選択肢2(正しい)
事務管理者は、委任における受任者と同様に、本人の請求があったときにはいつでも事務処理の状況を報告する義務を負います(民法第701条、第645条準用)。したがって、本記述は正しいです。選択肢3(誤っている・正解)
通常の事務管理においては善管注意義務等を負いますが、本問のように台風接近による甚大な被害の差し迫ったおそれを回避するために行う 緊急事務管理 の場合、管理者の責任が軽減されます。具体的には、管理者は 悪意または重大な過失(重過失) がある場合を除き、これによって生じた損害を賠償する責任を負いません(民法第698条)。「善良な管理者の注意をもって修理しなければならない」とする本記述は誤りであり、これが正解となります。選択肢4(正しい)
事務管理が本人の意思に反しないで行われた場合、管理者は本人に対して、支出した 有益な費用全額 の償還を請求することができます(民法第702条第1項)。したがって、本記述は正しいです。