IPA セキュリティ関連法規 — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

他人になりすましてサーバに入る、ウイルスを仕込んでデータを消す、頼まれていない広告メールを送るといった行為は、どれも情報を扱う場面の悪い行いですが、それを罰したり止めたりする法律は一本ではありません。一方で、書き込みを消したプロバイダと書き手との間では、罰ではなく、プロバイダが賠償の責任をどこまで負うかに線が引かれています。

2. 実際の出題のされ方

行為や出来事を三つか四つ並べ、ある法律の対象になるものだけを全て選ばせる組合せの形が、不正アクセス禁止法とプロバイダ責任制限法で何度も使われています。サイバーセキュリティ基本法の立法趣旨や規定内容、電子メールの送信事例と特定電子メール法の規制対象を結ぶ問いもあり、ITパスポートの問いは、どの法律がどの行為を受け持つかを一つずつ確かめています。

応用情報技術者の午前では、不正アクセス禁止法における「不正アクセス行為を助長する行為の禁止」規定で規制される行為を選ぶ問題や、特定電子メール法の送信方式や規制対象について適切な説明を選ぶ問題が出題されました。また、記憶媒体を介してマルウェアを侵入させデータを消去した者を処罰する法律を選ぶ問いもあります。

プロバイダ責任制限法の送信防止措置について適切な記述を選ぶ問いはプロジェクトマネージャの午前IIに、Webページを改ざんして業務を妨害する行為に適用する法律を選ぶ問いはITサービスマネージャの午前IIにあり、どちらも条文の要件を事例に当てはめさせます。

3. 学習のポイント

不正アクセス禁止法が禁じる行為の核は、回線の向こうにあって利用者を確かめる仕組みを持つコンピュータに、他人のIDやパスワードを使うなどして、許しのないまま入り込むことです。

特定電子メール法は、営業の広告や宣伝のメールを送ってよい相手を、前もって了承した人に絞る考え方をとります。

4. 間違えやすいところ

他人のIDとパスワードを使えなくするウイルスを作る行為は、不正アクセス禁止法で規制される行為を全て選ぶ問題で、記述の一つとして挙がっていました。ウイルスを作ること自体は、正当な理由なく人のコンピュータで動かす目的があれば、刑法の不正指令電磁的記録に関する罪として扱われます。

不正アクセスを助長する行為として規制されるものを選ぶ問題では、IDとパスワードをだまし取るための偽のログイン画面を公開する行為を挙げた誤答肢がありました。偽の画面でIDやパスワードを入力させようとする行為は、同じ法律の中でも、識別符号の入力を不正に要求する行為として別の条文が禁じています。

広告や宣伝が入っていなくても、取引の条件の案内や請求の連絡のメールまで特定電子メール法が規制するとした誤答肢がありました。同法の網に掛かるのは広告や宣伝を目的に送るメールで、事務の連絡や請求だけのメールは外れます。

プロバイダ責任制限法の送信防止措置に関する問題では、情報発信者の表現の自由や通信の秘密を守るために、裁判所の決定を受けなければプロバイダは送信防止措置を実施できないとする誤答肢がありました。送信防止措置に裁判所の決定を求めると、権利を傷つける書き込みが、決定が出るまで誰にでも読める状態で残り続けます。

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