IPA 開発プロセス — 頻出論点と過去問

この分野の学び方

1. この分野の全体像

開発プロセスは、ソフトウェアを作る技術そのものではなく、作業をどんな単位と順序で回し、どこまでを道具に任せるかという開発の進め方の型です。入口の問いは、開発モデルや手法・見積法を名前と特徴で結びつけるものです。その先は、スクラムの運営や自動化の仕組みの見分け(応用情報技術者の午前)を経て、ライフサイクル規格のプロセスの定義や工数の計算(高度試験の午前II)へと細かくなります。要件の確定度合いに応じて計画駆動または反復型の開発モデルを選び、コードの管理やテスト・配備の自動化で品質と速度を支え、作り始める前の規模と工数の見積りがその計画を下支えしています。

2. 配下の論点の案内

  • アジャイル開発(スクラム・XP・リーン)
    短い区切りで動くものを作って見直す進め方と、その価値観・役割・プラクティスを受け持ち、計画を先に固める開発モデルとは対になる考え方です。応用情報技術者の午前ではスクラムの役割やイベントの順序、XPのプラクティスを選ぶ問題が、プロジェクトマネージャの午前IIでは宣言の価値やINVESTの観点に照らして場面ごとの判断を選ぶ問題が出ています。

  • DevOps・開発環境とツール
    アジャイル開発の短い区切りを本番の運用まで途切れずに回すための、自動化の取組と開発の環境・ツールがこの論点に入ります。応用情報技術者の午前ではインフラ構成のコード化や本番の切り替え方式、バージョン管理ツールの種類が問われ、高度試験の午前IIにはリリース前の確認用の環境や不具合の管理、コード解析のツールの役割を選ぶ問題があります。

  • 開発モデル・ライフサイクルプロセス
    計画を先に固める型から試しながら作る型までの開発モデルと、ライフサイクル全体の作業を区切る規格、組織の成熟度の評価を受け持ちます。システムアーキテクトの午前IIではJIS X 0160や共通フレームのプロセスごとのタスクを選ぶ問題が、エンベデッドシステムスペシャリストの午前IIではプロダクトライン開発の説明や利点を選ぶ問題が出ています。

  • 規模・工数見積り
    計画の段階で、ソフトウェアの規模から工数や費用を見込むための技法です。ITパスポートには見積手法の名前と特徴を組み合わせる問題があり、プロジェクトマネージャの午前IIの問いは、機能規模の算出手順、規模・工数・生産性の関係式、要員が増えたときの連絡の手間を含む計算まで及びます。

3. 学習の順序の提案

開発モデル・ライフサイクルプロセスの基本の型とアジャイル開発(スクラム・XP・リーン)の考え方は、計画を先に固めるか区切りごとに見直すかという一つの問いの両側に当たります。DevOps・開発環境とツールはその区切りを短く回す仕組みなので二つのあとに置き、規模・工数見積りは計算の手順が独立しているため、計画の段階の話としてどこで学んでもかまいません。

受ける区分 先に学ぶ論点 次に学ぶ論点
ITパスポート アジャイル開発(スクラム・XP・リーン)、DevOps・開発環境とツール 開発モデル・ライフサイクルプロセス、規模・工数見積り
応用情報技術者 / 高度試験の午前I アジャイル開発(スクラム・XP・リーン)、DevOps・開発環境とツール 開発モデル・ライフサイクルプロセス
システムアーキテクト・エンベデッドシステムスペシャリスト(午前II) 開発モデル・ライフサイクルプロセス アジャイル開発(スクラム・XP・リーン)
プロジェクトマネージャ・ITサービスマネージャ(午前II) アジャイル開発(スクラム・XP・リーン)、規模・工数見積り 開発モデル・ライフサイクルプロセス
情報処理安全確保支援士・データベーススペシャリスト・システム監査技術者(午前II) アジャイル開発(スクラム・XP・リーン) DevOps・開発環境とツール、開発モデル・ライフサイクルプロセス
ネットワークスペシャリスト(午前II) DevOps・開発環境とツール ―

午後の大問では、応用情報技術者の事例として、ウォーターフォールとアジャイルが混在する開発やアジャイル開発のプロジェクトの管理、バージョン管理ツールの運用、コンテナ型の仮想化を使った開発環境の構築が取り上げられています。論述の大問は、システムアーキテクトとして、ユーザーストーリーの分類と規模の調整、優先順位付けや、開発とデリバリーを自動化して画面を改訂し続ける工夫を述べさせています。

開発と運用が目標を共有する体制や自動化したリリースの仕組みは、ITサービスマネージャでは信頼性の目標の管理として、システム監査技術者では監査で確かめる統制として、午後の事例に組み込まれています。

4. 分野をまたいで間違えやすいところ

規模・工数見積りの技法と、アジャイル開発(スクラム・XP・リーン)で使う見積りや進み具合の指標は、物差しの性格が違います。前者は機能の量や人月のように案件をまたいで比べられる単位で全体の手間を見込み、後者はチームの中だけで意味を持つ相対の数なので、ほかのチームの数と並べて比べる使い方はしません。

ソースコードの欠陥を自動で見つける道具や、リリース前の確認用の環境を選ぶ問題は、DevOps・開発環境とツールとシステム開発技術の分野の両方に入ることがあります。この分野の側で読むのは、その道具や環境を開発の流れのどこに置いて何を任せるかで、静的解析やテストケースの設計といった検証の技法そのものは、システム開発技術の分野で学ぶ内容です。

見積りの技法は、隣のプロジェクト計画の分野の問題にも出てきます。この分野の側では技法ごとの手順や、規模・工数・生産性を結ぶ式を読み、見積もった工数をもとに人や日程を割り振る計画、クリティカルパスやEVMによる日程の分析と要員を足したときの期間の調整は、プロジェクト計画や進捗管理の分野で学びます。

開発プロセスの論点別の過去問

アジャイル開発(スクラム・XP・リーン)50問 DevOps・開発環境とツール21問 開発モデル・ライフサイクルプロセス30問 規模・工数見積り11問

開発プロセスの理解度チェック

開発プロセスの過去問一覧

この分野の午後問題(記述式・読み物)

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