IPA システム構成 — 頻出論点と過去問

この分野の学び方

1. この分野の全体像

システム構成では、機器やソフトウェアをどう組み合わせるかを決め、その構成がどこまで止まりにくく、どれだけの処理をさばけるかを見積もります。故障や誤操作への備えを決める設計思想と具体的な冗長化の方式が土台となり、それらを数値で確かめる手段として稼働率や処理性能の計算が位置づけられます。構成の用語と直列・並列の簡単な計算から一段進んで、応用情報技術者の午前では、複数の構成の比較や処理が詰まる箇所の特定、切替えの動き方の判定が問われます。構成方式や信頼性の知識は、高度試験の午前IIでは、データベースや通信回線、組込み機器のように、区分ごとの題材の上で問われる形にもなっています。

2. 配下の論点の案内

  • 稼働率・信頼性指標
    信頼性設計の考え方とシステム構成方式・冗長化で選んだ構成を、数値に置き換えて比べます。直列・並列の基本の計算や必要な台数を求める問題はITパスポートから出ており、応用情報技術者の午前では複合構成のグラフの選択や関係式の変形、アクティブスタンバイでの稼働率の計算まで問われています。

  • 信頼性設計の考え方
    機器の故障や人間の誤操作に対してシステムをどう振る舞わせるかという方針と、障害原因の分析手法を扱い、具体的な冗長構成はこの方針を受けて選ばれます。応用情報技術者の午前では設計の考え方を表す用語の正誤やFTAの説明を選ばせる問題があり、情報処理安全確保支援士の午前IIでは、入力の誤りに備える設計方針や、稼働中のシステムに意図して障害を起こして弱点を探す取組みの名前を選ぶ問題が出ています。

  • システム構成方式・冗長化
    信頼性設計の考え方で決めた方針を、サーバやディスクの台数とつなぎ方に置き換える論点で、稼働率・信頼性指標が数値で比べる構成そのものに当たります。応用情報技術者の午前ではスタンバイの切替えの契機やRAIDの実効容量を、データベーススペシャリストの午前IIではパリティからのデータの復元や複数組のRAIDの性質、分散処理の透過性を選ぶ問題があります。

  • 性能評価・キャパシティ
    構成したシステムが要求される処理量をさばけるかを見積もり、負荷に応じて資源を増減させる方法を扱います。応用情報技術者の午前では処理が詰まる箇所から最大の処理件数を求める計算や並列化の効果の上限、待ち行列理論による待ち時間の式、スケールインの説明を選ぶ問題があり、システムアーキテクトの午前IIではキャッシュサーバのヒット率が変わったあとの応答時間を求める計算が出ています。

3. 学習の順序の提案

信頼性設計の考え方が決める、故障や誤操作のときに止めるか動かし続けるかの方針は、システム構成方式・冗長化でどの装置を何台どうつなぐかという形になり、稼働率・信頼性指標はその構成どうしを数値で比べる段階に当たります。性能評価・キャパシティは、密結合・疎結合やクラスタといった構成の区別を前提に、台数を増やしたときの処理能力の伸び方と、その伸びが止まる理由を数値で扱います。

受ける区分 先に学ぶ論点 次に学ぶ論点
ITパスポート システム構成方式・冗長化、稼働率・信頼性指標 信頼性設計の考え方、性能評価・キャパシティ
応用情報技術者 / 高度試験の午前I 性能評価・キャパシティ、稼働率・信頼性指標 システム構成方式・冗長化、信頼性設計の考え方
高度試験の午前II 受ける区分で問題のある論点(データベーススペシャリストはシステム構成方式・冗長化、ITサービスマネージャは稼働率・信頼性指標、ネットワークスペシャリストと情報処理安全確保支援士は信頼性設計の考え方) 性能評価・キャパシティ

午後の問題では、応用情報技術者で、クラウドへの移行やキャッシュサーバの導入、フロントエンド用のサーバの配置に伴って、応答時間やサーバの資源を見積もる大問がありました。ネットワークスペシャリストではECサーバの増強とインターネット接続の冗長化、データベーススペシャリストでは機能ごとに分けたサービスの間でのデータの整合性と可用性が問われました。エンベデッドシステムスペシャリストではハードウェアとソフトウェアの分担の評価や処理時間の見積もり、ITサービスマネージャではデータセンタの電源設備の冗長性と容量・能力管理が扱われました。

4. 分野をまたいで間違えやすいところ

システム構成方式・冗長化と性能評価・キャパシティは、同じ複数台の構成を、前者はつなぎ方と障害時の引継ぎ方の種類として、後者は台数を増やしたときに処理能力がどこまで伸びるかの数値として見ています。密結合マルチプロセッサで性能が台数倍にならない要因を選ぶ問題は構成方式の側に、並列化できない部分の大きさから性能向上の上限を求める問題は性能評価の側に入っていて、前者は原因を構成の仕組みで答え、後者は上限を式で出します。

稼働率・信頼性指標の稼働率は、故障の起こりにくさと直る速さから決まる装置や構成の性質で、利用者との取決めを含みません。サービス可用性は、利用者と合意したサービス提供時間と、そこから外すと合意した計画停止を前提にした実績の値で、この値を求める問題はシステム構成の分野にも入っていますが、扱う論点はサービスマネジメントの可用性の側です。

現用系と待機系を切り替えるスタンバイの構成と、災害に備えて別の拠点にバックアップサイトを置くウォームスタンバイなどの復旧の方式は、名前が似ていても守る範囲が違います。前者は1つのシステムの中で装置の故障に備える構成方式で、後者は拠点ごと使えなくなったときにサービスをどう立て直すかの計画にあたり、その問題はサービスマネジメントの可用性の論点にも属します。

ハードウェア分野やOS・ソフトウェア分野の性能計算とも、評価する対象の範囲が違います。磁気ディスクのアクセス時間、キャッシュメモリを介した実効アクセス時間、ページフォールトによる遅れは装置の中や記憶の管理の計算で、この分野の性能評価・キャパシティは、CPUと磁気ディスクやネットワークをつないだ構成全体で何件さばけるかや、各装置がどれだけ使われるかを扱います。

システム構成の論点別の過去問

稼働率・信頼性指標28問 信頼性設計の考え方24問 システム構成方式・冗長化28問 性能評価・キャパシティ32問

システム構成の理解度チェック

システム構成の過去問一覧

この分野の午後問題(記述式・読み物)

システム構成の用語

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