「勧誘・契約締結の禁止行為」の過去問(宅建業法・24問)

1. この分野は何か

不動産は高額な買い物であるため、消費者が冷静な判断で取引を行えるように守る必要があります。宅建業者が「絶対に値上がりしますよ」と嘘をついたり、夜中にしつこく電話をかけて無理やり契約させたりするような、悪質な営業活動(勧誘行為・契約締結行為)を禁止するルールについて学ぶ分野です。

2. 学習のポイント

1. 不当な勧誘行為の禁止
以下のような勧誘は宅建業法違反となります。

  • 断定的判断の提供:「将来必ず値上がりします」「絶対に儲かります」など、不確実な将来の利益について断定的な説明をして勧誘すること。
  • 威迫行為:客を脅したり、帰らせないようにしたりして契約を強要すること。
  • 迷惑な時間の勧誘:深夜や早朝など、客が迷惑に感じる時間に電話や訪問をすること。
  • 再勧誘の禁止:客が「いらない、契約しない」と明確に断ったにもかかわらず、引き続き勧誘したり、後日改めて勧誘したりすること。

2. 手付貸与等の禁止(契約締結の誘引)
客が「手付金(契約時に払うお金)が手元にないから契約できない」と言った際、業者が「じゃあ手付金はうちが貸してあげますよ」とか「分割払いでいいですよ」と言って契約をそそのかす行為(手付の貸与、立替え、分割受領など)は禁止されています。手付金がない客に無理に契約させることは、後々トラブルになる可能性が高いからです。

3. 実際の出題のされ方

宅建試験では、業務上の規制に関する問題の選択肢の1つとして、具体的な営業トークの事例が提示され「これは宅建業法違反か否か」を判断させる問題がよく出ます。

たとえば、「将来の周辺環境の変化について、現時点で確定していないにもかかわらず、確実に計画が実行されるかのように説明して勧誘した」(正解:違反する。断定的判断の提供にあたる)。

また、手付貸与の禁止については、「手付金の分割払いを提案したが、結局客が断って契約には至らなかった。この場合でも宅建業法違反となるか」といった問題が頻出です(正解:違反となる。提案して契約を誘引した時点で違反であり、契約が成立したかどうかは関係ない)。

4. 間違えやすいところ

「手付金の減額」は違反しない
手付の「貸与」や「分割受領」は禁止されていますが、業者が自腹を切って「じゃあ手付金を減額して(安くして)あげますよ」と提案することは、客にとって借金を背負うわけではないため、禁止されていません(適法です)。この違いを明確に区別してください。

電話勧誘時の名乗り義務
電話で勧誘を行う際は、勧誘に先立って「業者の商号または名称」「勧誘を行う者の氏名」そして「勧誘が目的である旨」を客に告げなければなりません。いきなり世間話から入って、後から「実は不動産の〜」と切り出すのは違反になります。

業者間取引の適用
手付貸与等の禁止などの勧誘規制は、相手方がプロである「宅建業者」であっても適用されます(業者間取引でも手付の貸与は禁止)。「8種制限」のように、一般消費者のみを対象としたルールではない点に注意しましょう。

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