令和2年度 宅地建物取引士資格試験 問42

宅建業法自ら売主の8種制限担保責任の特約制限・他人物売買等

この問題は2020(R2)10月に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

本ページの問題文・選択肢は、原本の体裁を Web 表示用に正規化しています(改行・記号・表組みの調整)。設問の趣旨および正解に影響する変更は加えていません。

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として締結する売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

解答・解説を読む

正解: 選択肢1・4(複数正解と扱われた問題です)

正解の根拠

本問は宅地建物取引業者自らが売主となる場合の「8種制限」に関する理解を問う問題です。明確に誤っているのは 選択肢4 ですが、選択肢1についても解釈が分かれ得ることから、試験実施機関により 「1又は4」のいずれも正解 として取り扱われた複数正解の問題です。

各選択肢の解説

  • 選択肢1: 契約不適合責任の通知期間について、宅建業法第40条は、民法の原則(買主が不適合を知った時から1年以内の通知)より買主に不利な特約を無効とし、例外として「目的物の引渡しの日から2年以上」となる特約のみを認めています。本肢の「知った時から2年」とする特約は、民法の原則より買主に有利であり有効とする解釈がある一方、同条が明文で認める「引渡しの日から2年以上」の形式には該当しないため誤りとする解釈も成り立ちます。この解釈の分かれを踏まえ、試験実施機関は本肢を選んだ解答も正解として取り扱いました。
  • 選択肢2: 建築工事の完了前(未完成物件)の場合、手付金等の額が代金の 5%以下かつ1,000万円以下 であれば保全措置は不要です。代金5,000万円の5%は250万円であり、受領済みの手付金200万円の段階では保全措置は不要です。しかし、中間金300万円を受領する時点で合計が500万円となり、基準額の250万円を超えるため、受領前に手付金等の保全措置を講じる必要 があります。したがって、記述は正しいです。
  • 選択肢3: 買主Dが宅地建物取引業者であるため、いわゆる 業者間取引 となります。業者間取引においては、手付金等の保全措置をはじめとする8種制限の規定は 適用されません。したがって、保全措置を講じずに手付金を受領することができ、記述は正しいです。
  • 選択肢4: 宅建業法第40条により、契約不適合責任を一切負わないとするなど、民法よりも買主に不利な特約は 無効 となります。無効となった場合、特約はなかったものとして 民法の原則 が適用されます。そのため、売主が責任を負う期間は「建物の引渡日から2年」となるのではなく、買主が不適合を 知った時から1年以内に通知 しなければならないことになります。したがって、記述は誤りです。