「説明義務・相手方と説明方法」の過去問(宅建業法・24問)

1. この分野は何か

宅建業法において、取引の安全を守るための最大のイベントが「重要事項説明(35条書面)」です。物件に関する重要な情報や取引の条件を、契約を結ぶに、プロである宅建業者がお客さま(買主・借主)に対して説明する義務を負います。

本分野では、「何を書くか(説明事項)」ではなく、「誰に、いつ、どのようにして説明しなければならないか」という手続き的なルールについて学びます。

2. 学習のポイント

1. 説明の相手方とタイミング
重要事項説明は、その物件を「取得しようとする者(買主)」または「借りようとする者(借主)」に対してのみ行います。売主や貸主に対して行う義務はありません。また、タイミングは必ず「契約が成立するまでの間(契約締結前)」でなければなりません。

2. 説明を行う者と方法
説明は、必ず「宅地建物取引士」が行わなければなりません(専任の取引士である必要はありません)。その際、取引士は相手方に「取引士証を提示」し、さらに重要事項が記載された「35条書面を交付」して説明を行います。書面には、説明を行った取引士の記名が必要です(※法改正により押印は不要になりました)。

3. 37条書面(契約締結時書面)との違い
重要事項説明(35条)が終わって無事に契約が成立したら、今度は「契約内容を記した書面(37条書面)」を交付します。この37条書面は、「売主と買主(貸主と借主)の双方」に交付しなければなりません。また、37条書面にも取引士の記名が必要ですが、「取引士による内容の説明」や「取引士証の提示」は不要です(書面を渡すだけでよい)。

3. 実際の出題のされ方

宅建試験では、この「35条書面」と「37条書面」の手続きの違いを混同させる問題が毎年のように出題されます。

「宅建業者は、37条書面を交付する際、宅地建物取引士をして、その内容を説明させなければならない」(正解:誤り。説明が必要なのは35条書面だけであり、37条書面は交付と取引士の記名だけでよい)といった引っかけパターンが非常に多いです。

また、「IT重説(オンラインでの重要事項説明)」の要件も頻出です。IT重説を行うには、「双方向でやりとりできる映像・音声環境があること」「事前に35条書面を送付しておくこと」「画面越しに取引士証を提示すること」などの条件を満たす必要があります。

4. 間違えやすいところ

業者間取引の特例
買主や借主が「宅建業者」である場合、プロ同士の取引であるため保護の必要性が低くなります。そのため、業者間取引においては「重要事項の説明(取引士による口頭での説明)」は省略できます。ただし、「35条書面の交付(書面を渡すこと自体)」は省略できず、必ず交付しなければならない点に注意してください。

共有物件の買主への交付
買主がAとBの2人(共有)である場合、35条書面も37条書面も、AとBのそれぞれ(全員)に交付しなければなりません。「代表者1名に交付すればよい」という引っかけが出題されます。

説明場所の制限
重要事項説明を行う「場所」について、宅建業法上の制限はありません。喫茶店や相手の自宅など、どこで行っても適法です(クーリング・オフの適用場所とは異なります)。

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